悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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レッド・ティアーズ

※かなりネタバレしてる上に、ありえないほど、うるさくdisっています。

 


倉田保昭氏の映画出演100本記念で、倉田プロダクション製作のホラーアクション映画です。予告編で倉田氏が日本刀を持って吸血鬼と戦う姿を観れば、これはもう期待するなっていう方が無理なお話ですよ。うんうん。

そんな期待をね、えっとね、この映画は、完膚なきまでに破壊してくれました。観終わった後のダメージ回復にかなりの時間を有しましたよ。泣いていいですかね、ほんまに。

学芸会というか、高校生の文化祭用の自主制作映画に本物の役者さん(=倉田氏)一人を出演させたって感じです。そう言えば、どこかの高校生の自主制作映画に大杉蓮氏が出演したっていうニュースがありましたね。

演出が酷いのか、役者が酷いのか、どちらもなのか、よくわかりませんが、取り敢えず酷いです。アクションも、倉田氏は還暦を超えているので、昔のようにはいかないのか、吹き替えを結構使ってますし、それが丸わかりなのも興醒めしちゃうところです。まぁ、還暦過ぎてあそこまで動けること自体が凄いことではあるんですけどね。

それに、倉田氏が途中からエセ関西弁を使い出すんですが、大阪人として許せないイントネーションだっていうのも、神経逆撫での援護射撃となってしまったのです。倉田氏ですらトンデモにしてしまう演出……。てか、倉田氏もあれでよかったと本当に思っているのだろうか。

怖いのは、その酷い演出にもだんだんと慣れてきてしまって、最後の方は結構どうでもよくなってしまっていることでした。慣れって怖いよ。

敵は吸血鬼だと思っていたんですが、厳密には吸血鬼とは違う怪物で、手から人間の血を吸います。それに、日光も弱点じゃなくて、日中でも平気で歩けます。力やスピードは人間以上で、普通の人間ならボキボキにコンパクトにして、旅行鞄に収納出来るまで小型化しちゃいます。それに、怪物姿にも変身します(というか、人間の姿に変身してるのか)。

倉田氏は刑事なんですが、実は裏では怪物を政府?警察?公認で追い続けている(警察の中で選ばれたメンバーがハンターとしての仕事もやってる設定です)のですが、自分の妻子を過去に殺した相手が山口果林で、娘の加藤夏希と恐らく日本中を転々としながら、人を捕食して暮らしています。加藤夏希はダンピールみたいなもので、人間と怪物(怪物は山口果林の方です)との間に出来た子供という設定ですが、序盤ではまだ怪物の力には目覚めていません。

連続猟奇殺人事件で捜査線上に加藤夏希が浮かぶのですが、それを切っ掛けに出会って淡い関係に落ちるのが倉田氏の同僚刑事である石垣佑磨で、彼は怪物の存在を真面目過ぎるからという理由で教えてもらっておらず、怪物ハンターの仲間には入れてもらってはいませんでした(その他の同僚刑事二名はハンターも兼任)。

なんだかんだあって、倉田氏率いるハンター軍団は、加藤夏希山口果林親子を追いつめ、山口果林を撃破したのですが、そこで加藤夏希が怪物に覚醒し、倉田氏と一騎打ちの上負けかけますが、倉田氏は石垣佑磨の車特攻攻撃で激死します。

倉田氏が日本刀を持つと必ず負けるような気がするのですが、気のせいでしょうか。倉田氏にとって日本刀は負けフラグなんだろうか。『クローサー』とかフランスのゲームを題材にした映画とか『ラスト・ブラッド』とか。

倉田氏は、背広の中に日本刀を隠し持ってるんですが(物理的な法則はこの際無視しよう)、なんでその前の怪物とのバトルでもそれを使わないんだろう。ほんでから、その戦いで足の甲を鉄パイプで貫かれたのに(つーか、それを利用したキック攻撃で怪物を撃破)、その後は何事もなかったかのように歩いているのはどうしてだろう。車の突進を止めるパワーも人間離れし過ぎてますしね。なんていう、しょうもないツッコミどころは逆に好みなので無問題です。倉田氏も実は怪物だったっていうオチかと思いましたよ、マジで。

目新しいと思ったのは、この映画は勧悪懲善です。だって、倉田氏の方が人間の為に、人間を餌にして喰う怪物と戦う側なのに(かなり行動がエキセントリックですが)、最後は殺されちゃいますからねー。お、そういう方向性では、草加雅人と被るな。

話の展開もミスリードさせたいのか、ちょこまかと整理出来ないプロットをぶち込むものだから、ややこしくなるというよりも、話が軽くなっちゃってるんですよね。重点というか柱が出来てないんですよ。これなら、倉田氏の視点をメインにして、加藤夏希石垣佑磨の流れは傍流で配置すれば、もっと流れが整理出来たと思うし、自然とアクションが前面に出てきて、面白い活劇になったような気がするんですけどねー。

かなりdisちゃってますが、期待していただけに、その反動も大きいのですよ。