悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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フェイシズ

ネタバレ全開でdisってます。



いつ以来だろう、こんな弱々しいミラ様は久しぶりって感じでした。といいながらも、気品溢れるというか、S全開でビッチなオーラは隠しようがなく、かなりミスマッチな役柄となっちゃっていて、そのせいなのか、映画自体も中途半端な出来映えになっていました。

ミラ様のキャラのミスマッチさ以外にも、メインキャラ全員の設定が練り込まれていないのが中途半端な原因の一つなのですが、そのせいで、キャラに感情移入することも出来ず、物語を俯瞰で観ようとしても、その物語の構成自体も複雑ではないので、面白みに欠けるんですよね。

一応、犯人は誰だろう?、ミラ様はどうなるんだろう?、という内容で緊張感というか興味を持続させていきたかったんだと思うのですが、犯人は中盤くらいで大凡予想が付きますし(つか、よく観てたら劇中で何度もネタバレしてるし)、ミラ様はやっぱりビッチな感じなんで、狙われているという弱々しさがないのにビビるもんだから、違和感バリバリなんですよね。

最後にしたって、ミラ様が襲われてどうなるんだろうっていう状況なんですが、今までのイメージからか、追い詰められているっていう感じがしないんです。

物語は、連続殺人犯が工事中の橋の上での犯行現場をミラ様に偶然見られて殺害(ここは本当に殺害しようとしたのか不明だけど、多分、殺害しようとしたんだと思いますが、そうなると、その後の犯人の行動が不明なんですよね)しようとしたんだけど、ミラ様が暴れて橋から川へ落下。その途中で頭を痛打して、相貌失認しちゃって、他人だけでなく自分の顔も憶えられずに、全て同じ人に見える(男女の違い程度はわかる)という病気になってしまいます。

犯人は顔を見られたと思ってミラ様を殺害(?)しようと迫りますが、病気のことを知って泳がせます。それは何故か?そうした方が面白いと、映画の製作陣が考えたからですよ、マジで。

なんだかんだあって、担当刑事といい仲になったビッチなミラ様は、夢の中では顔の区別が付くことに気付き、精神科医に催眠術をかけてもらって、犯人を絞り込みます。精神科医って催眠術も出来るんや……。

犯人は実は担当刑事の同僚のプロファイラーで、映画が終盤に差し掛かってきたのでミラ様を殺害しようとしますが、担当刑事との三つ巴の戦いの中、担当刑事と共に死んじゃいます。担当刑事の命を奪ったのは、ミラ様の銃乱射です。つかさ、相手がわからん状態で乱射すんなよ。担当刑事もさ、ミラ様から拳銃を預かって、応援が来るまで待ってろよ。

ミラ様は、担当刑事の顔だけが識別出来ることに喜ぶのですが、実は髭がポイントで、担当刑事が髭を剃ると途端に識別出来なくなりました。これが、ラストの場面での、担当刑事の血糊髭面大作戦へと繋がるのですが、ギャグかよって思ってしまいましたよ。この場面が撮りたいから、担当刑事の髭を剃っただろ?って思うくらい(本当は、ミラ様は担当刑事の顔を完全には識別してなかったんですよっていう意味合いを持たせたかったからですけどね、担当刑事が髭剃ったのは)でした。

担当刑事も初登場からだんだんとキャラ設定が変わってるし、精神科医もいきなりなんで患者を突き放すような態度取るねんとか、同棲相手や友人の無神経さとか、ミラ様自身のわけわかめなプライドとか、どうもねー、魅力的じゃないキャラばっかりなんですよねー。

よかったところとしては、同棲相手も殺されるし、友人二人のうち一人も殺されるし(しかもミラ様の目前で)、担当刑事も殺されるし(あ、殺したのはミラ様です、事故だけど)、犯人も死ぬし、とほぼイデオンエンド(登場人物全滅の意味です)だったのが気に入りました。担当刑事 or 同棲相手との子供(娘)が生まれて(ミラ様がビッチなんでどっちの子供かはわかんないけど、映画的には担当刑事との子供っていう設定だと思います)、子供の顔は識別が付くようになりましたっていうオチはいいかもしんないです。

相貌失認になれば、確かに怖いだろうし、人が多いところに行くと、同じ顔の人が大量に現れるっていうのも圧迫感ありまくりだろうけど、ミラ様が正直に人に自分の状態を話していれば、周りの人は助けてくれたと思うんだけどねー。一応、最初にミラ様は幼稚園の先生で、子供の顔を瞬時に見分けることが出来るほど、顔に対しての識別能力が高いという設定が提示されていますが、映画的には何ら効果的には作用しておりませんでした。

あ、バイオハザードでは、ミラ様のクローンが大量に出て来ましたが、この映画では逆になってるんですよねー。そうか、それが目的だったのか、この映画は(違)。

中途半端さと詰めの甘さが全開の映画だったので、ミラ様ファン以外には楽しめないかなぁと思います。