悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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REC/レック3 ジェネシス

※いつものようにネタバレ全開ですが、暴走して『貞子3D』の内容までネタバレしていますので、十分にお気を付けくださいませ。


RECシリーズはDVDで観てただけだったんですが、今回初めて映画館で観ました。これまでのシリーズも面白かったのですが、特に今回は最高でした。

POV形式での撮影は今回は途中までで、その後はごく普通の撮影形式になっちゃうので、POVこそがRECシリーズだろっていう人にとっては、あんまし面白くないってなっちゃうかもしれません。特徴がなくなったと言えばそうですからねー。

前作(REC2)でも明らかになったように、出てくる化物はゾンビじゃなくて、悪魔に乗り移られた人(憑依?死んでるの?)であって、言うなれば、エクソシストのブレアさんに感染力をプラスしたというか、感染力を限定した貞子の集団みたいなものです。

最初は、POV形式で主人公二人の結婚式の模様から始まります。これが、なんというか、ほんまの知り合いの結婚式の模様を後で観てるっていうような感覚で、なんか微笑ましいんですよ。でも、その後の予兆みたいなものは所々で挿入されているので、これが、後でじわじわとボディブローのように効いてきます。

結婚式が終わり、披露宴会場へバスへ移動するわけですが、ここでも更に人数が増えるんですよ。えぇ、ゾンビ(めんどいのでこう書きます)の材料が揃うわけですよ。ふふふ。

時系列的には、今回の映画は、以前から噂になっていたような、REC1の前日譚とかではなく、REC1とほぼ同時刻に別の場所で起きる惨劇という設定です。 REC1に話だけ出た犬のマックス(だったかな)に、主人公(男)の叔父さんが病院で噛まれてしまったことから、披露宴会場での悪魔の感染が始まります。

披露宴が主人公夫婦のダンスで盛り上がっているところで、噛まれた叔父さんがとうとうゾンビになって大暴れします。厨房に逃れた主人公(男)は、撮影してる場合かよと言って、プロのカメラマン(結婚式や披露宴の模様の撮影を仕事で依頼してました)のカメラを撃破して、ここで、POVは一旦終了します。カメラに収めることも必要だという意見を一蹴するっていうのは、ちょっと政治的なメッセージなんかな。

カメラマンは二名いて、プロのカメラマンと主人公(男)の従兄弟がそれぞれ撮影しているのですが、一方は結婚式を撮影する為に雇われたプロ、一方は素人(従兄弟)が家庭用ビデオで撮影しているという形で振り分けることで、POV形式の部分にも工夫を凝らしており、これまでのPOV映画でのカメラマンがあまり登場しない、どんな人物かわからないという要素を、お互いを映しあいすることで解消しています。それによって、人によれば疑似体験感がなくなったと思われるかもしれません。

プロのカメラマンのカメラを主人公(男)が壊して、そこでPOVは終了っていうのは綺麗な区切り方(POV形式からの脱却)だったと思うのですが、直後にダクトを逃げる際に、従兄弟のカメラで少しだけPOVしちゃうのは、ちょっと往生際が悪かったですね。まぁ、あそこの場面はPOVで撮りたかったんだろうっていうのはわかりますが。

ゾンビから主人公夫婦が逃げたり戦ったりする場面は、もう本当に普通の映画の撮り方になっていて、チェーンソーを持つわ、チェーンソーが人体から抜けなくてアタフタするわ、チェーンソーが(以下ry)。

魅力的なキャラクターもたくさん登場します。調査員とか、スポンジ・ジョージ(著作権が)とか、神父とか、プロのカメラマンとか、とか。それらの人々が、結構あっさりとやられていく様は、キャラクターの使い捨てにも繋がりますが、僕は楽しめました。出た時からほとんどのキャラが立ってるので、ゾンビに殺られていくことによって、物語に厚みと絶望が加えられているんですよね。

調査員と神父とスポンジ・ジョージの中の人がなんとなく似てるような気がしたんですが、僕もミラ様みたいに相貌失認なんやろか。

化物はゾンビと違うよという描写も、前作よりもはっきりと示しています。教会には入れないとか、聖水に弱いとか、神父の説教には動作を停止してしまうとか。

今回は、最初から最後まで主人公夫婦の「愛」の物語であり、最後の場面、主人公(女)がゾンビに噛まれて感染して発症しかけているにも関わらず、主人公(男)は躊躇なく主人公(女)を抱えて外に出ていき、政府の組織?軍隊?の一斉射撃にあって倒れた後、二人の手と手が重なる場面が泣けてきます。ボニー&クライドかよってくらいに銃撃受けます。

まぁ、僕は、最後は二人の手と手が重なる前に、警官隊とかによって足蹴にされて踏みにじられて結局重なり合えなかったというバッドエンド(あ、十分バッドエンドだけど)を期待しましたけどね。

さて、完結編と言われる『REC 4:アポカリプス』はどんな展開になるのか。謎や経緯が全て解き明かされるのか、楽しみです。