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悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2016©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

オレンジと太陽

※それとなくネタバレしてますが、珍しくあんましdisっていません。



実話を基にした映画。って、偶然だけど、最近、実話がネタなんだよねーっていう映画をよく観るなぁ。

英国政府とオーストラリア政府がタッグを組んで、英国の貧困層の子供や孤児達を強制的に、労働力を提供するという名目でオーストラリアに移民させていたという事実を仕事関係で知った社会福祉士が、被害者達(既に成人になっています)を家族達に会わせたいという気持ちから、事実を解き明かしていくというお話です。

サスペンス要素はあんましなかったのですが、グイグイとドラマに引き込まれていきました。展開自体は、シンプルに、主人公の動向を、ちょっと距離を置いて捉えているだけですが、それがよかったのかな。

映画の中からは、今回の件に加担した政府や諸団体への静かな怒りというものは感じたのですが、それを前面に押し出すことなく、ある意味淡々とした作りなんですよね。それが却って、政府や諸団体の裏の顔を浮き彫りにさせていたと思います。

観終わった後に、そう言えば、季節感というか、劇中での時間の流れが掴めなかったよなぁと思いました。劇中ではどの程度の年月(恐らく、1年から2年の間)が経っていたのかわからなかったっていうのも、淡々とした印象を持つ要因かなぁ。意図的なのかどうかはわかりませんが。

素晴らしかったのは、主人公の家族、とりわけ配偶者ですね。実際はどうだったかはわからないですが、この映画の中での主人公の配偶者は、主人公の行動を応援し、協力し、気遣うという、お前は完璧超人かよってほど、出来た人物でした。子供の我侭な部分の描写も二カ所ほどしかなく(一カ所は被害者集会の場面ですが、そこから団欒に繋げていってるし)、ここは、意図的に、綺麗に、寓話的に描いたのかなと思いました。そうすることで、主人公の向き合っている事実という壁の大きさを表現したかったのかなぁと。

ウェンハム(ウェナム)さんが怪しさ全開で登場しますが、なかなか実は素晴らしい人物でしたね。過去を乗り越えたつもりでも、実は乗り越えてなかったっていう自分に気付きたくなかったんだけど、主人公によって、自分も過去に正面からもう一度向き合う覚悟が出来たんですよね。

主人公とウェンハム(ウェナム)さんが、車の中でキャット・スティーブンスの「ワイルドワールド」を歌うところは、一緒に口ずさんじゃいましたよ。えぇ、僕は、Mr.Bigバージョンですけどね。あ、そうか、ウェンハム(ウェナム)さんが教会にいた頃って、ヴァン・ヘルシングa.k.a.ウルヴァリンwatch me)さんの助手をやってた時かー。そりゃー、辛いわー、怖いわー、命幾らあっても足りんわー(違)。

映画の終わり方は尻切れとんぼなんだけど、現実的にはまだ解決していない継続している問題であり、この撮影が行われていた時期も政府は正式には謝罪していなかったようですし(2009年11月にオーストラリア首相、2010年2月にイギリス首相が謝罪をしているとのことです。英国でのこの映画の公開は2011年4月のようです)、仕方がなかったのでしょうけれども。そういう理由から、結末じみた終わらせ方は出来ないのはわかりますが、欲を言えば、終盤の教会突撃の場面あたりにもうちょっと盛り上がりが欲しかったなぁ。