悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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チェブラーシカ

ロマン・カチャーノフ氏が旧ソ連時代に作った人形劇4本のデジタルリマスター版が映画館で公開されたので観てきました。ゆるキャラ好きな僕にはたまらんとですよ。

事前知識としては、チェブラーシカの名前やデザインを知っていた程度だったのですが、今はもうほとんど見かけることがなくなったコマ撮りアニメということもあって(メジャーではね)、これはなんか観に行かないといけないと勝手に思い込んでしまったのでした。

チェブラーシカがオレンジの箱に入れられて果物屋に送られてくる最初の場面では、桃太郎を思い浮かべましたよ。もうね、チェブラーシカが仲間を集めて、エイリアン軍団と戦う映画でもいいよなって。つか、誰か作ってぇ〜〜。

凄くキャラクターの表情や動作が活き活きとしていて、技術的に凄いなぁと観ていたのですが(時々画面上に見えてしまうピアノ線は見なかったことにしていますよ、当然)、底辺に流れる抑圧された、鬱屈した暗さも画面から強烈に感じて、旧ソ連時代には色々と今以上に制約があったのかなぁと思いました。チェブラーシカをはじめとしたキャラクター達には癒されてるのに、複雑な心境になりました。

物語が進むに連れて、あれ?主人公って実は動物園勤務のワニさんの方じゃないの?って思ったんで、家に帰って調べてみたら、元々の原作(絵本)は、『ワニのゲーナ』っていうタイトルで、ワニさんが主人公として書かれていたんですね。『うる星やつら』のラムと同じポジションだったんですね、チェブラーシカって。『うる星やつら』の主人公は、原作の漫画もアニメも諸星あたるが主人公ですからね。

チェブラーシカってなんかに似てるよなぁとも観てる間中ずっと思ってて、なんやったかなって思い出そうとしてたんですが、思い出しましたよ、ギズモですよ、映画『グレムリン』に出て来たギズモですよ。つーか、年代的にはギズモがチェブラーシカをイメージして反映させた部分があるんでしょうねー。チェブラーシカ軍団VSギズモ軍団も観たい。そうだ、チェブラーシカ&ギズモVSグレムリン軍団VSエイリアン集団の三つ巴の戦いにすればいいんだ。

テーマとして、連帯感、補い合うこと、公明正大であること、思いやり、いたわり、そういう大事なものをなくしていませんか?と問いかけられているようで、年代層によって様々な受け止め方が出来るような作り方がなされており、しかも、単純に見せて楽しめるという部分を、きちんと破綻なくコーティングさせて、子供向けなんですよという表面に仕立て上げている技術は素晴らしかったです。

紳士なワニさんに友人がいないっていうのも、痛烈な批判というか揶揄なんでしょうね、当時としては。だからと言って、暗黒面に堕ちるわけでもなく、肩肘張っているわけでもなく、ただ寂しいだけ、っていう扱い方だからこそ、色々なテーマもすんなりと受け入れることが出来るのかな。

映画館ではおまけでメイキングDVDとか貰えるし(ラッキー)、かなり堪能しました。