悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ダークナイト ライジング

※かなりネタバレしていますし、これでもかっていうくらいdisっています。映画ファンの中では評価の高い監督の映画であり、気分を害する方も多いと思いますので、この映画(というか三部作)、ごっつ面白かったじゃねーかよっていう方は、ここから下は読まないでください。絶対、気分を害しますから。保証します。

原題:The Dark Knight Rises
製作・監督:Christopher Nolan、脚本:Jonathan Nolan&Christopher Nolan、ストーリー:Christopher Nolan&David S. Goyer
出演:Christian Bale(チャンベール)、Gary Oldman(スマイリー)、Joseph Gordon-Levitt(『リアル・スティール』に出て来る、最初にヒュージャクと牛を戦わせようとした奴に似てる人)、Tom Hardy(ベイン)、Anne Hathaway(スリ女)、Morgan Freeman(not ニック・フューリー)、Michael Caine(ありがとう)他





チャンベール主演のバットマン三部作?の一応の最終作なのかな。このシリーズ、とりわけ前作は、映画ファンの間では評価が高いのですが、僕は一作目からズッコケて、前作もだらだら長いだけでしょーもないと思っていたので、今回はスルーの予定だったんですが、なんだかんだいってチャンベールやバットマンのキャラも好きだし、前評判もいいので、一縷の望みにかけて、先行上映の回で観てきました。

うーん、やっぱりつまんなかったなぁ。折角、バットマンという題材にチャンベールを起用しているのに、なんでアクションを撮るのが下手なスタッフで作ってるのか、そこが一番理解出来ない。物語も内容が浅過ぎて、底が透き通って見えてますし。こんなんで、どうやって感動しろっていうんだろう、って。

アクションがメインがじゃないっていうんなら、もっと深みのある物語を作ってくれればいいとは思うけど、それをバットマンでやる意味ってあるの?とも思うし。区別出来ない善悪、立場が異なることによる正義の捉え方の違い、ヒーローの苦悩、受け継がれていく希望と絶望なんていうテーマは大昔からあるしねー、新鮮じゃないんですよね。だから、余計にバットマンでしなくても、と思うんですよ。コミックなら問題なくても、映画とは表現方法が別ですからね。

前作もつまんねーって思ったけど、まだ前作の方がマシでした。はふー。なんだろう、これ。

激しくdisりそうなので(笑)、先ずはよかったと思った部分を。えーっと、えーっと、あ、ない、あ、いやいや、終盤の、警察VS自警団の激突はちょっとだけ迫力あったかなぁ。でも、そこをバットマンと今回のメインの敵であるベインが人をかき分けて(殴り分けて、か)激突する場面のスピード感のなさで台無しになってますけどね。重量感もないし。もっさりしてるんです。あ、disってるや……。

中盤のバットマン復活時の、バイクで敵を追いかける場面は面白かったかな。ここもスピード感はなかったけど(やっぱりdisってる……)。あのバイクはごっつかっちょよかった。うんうん、褒めてるよね……。

焦点がブレまくってるから、キャラの印象もはっきりしないし、物語の展開も滞るし。それなら清くチャンベールの再生というか復活に焦点を合わせろよ、って思いましたね。チャンベールは何もない空っぽの状態であって、それが弱さ=恐れになっているっていうのはわかりますが、台詞で説明しちゃうんで雰囲気がぶち壊しになってしまうという丁寧さを欠いた部分が、映画中の他の場面にも多く散見された気がするのもあかんかったところかなぁ。

一番の弱点はテンポが緩慢なところで、165分を持て余し過ぎてるんですよ。短ければいいってわけじゃないけど、長ければいいってわけでもないですから。1時間は短くした方がよかったかもしれません。長い割りには、市民同士が疑心暗鬼になるとかの描写が弱かったり、レジスタンスの流れとか端折ってたりするし。

ロビン誕生を描く時間があれば、ベインとラスボス女の関係を深く描いた方がまだよかったとは思うんだけどね。そこに、ブルース・ウェインのこれまでの経緯との対比が生まれて来るわけでしょうに。っていうか、最後、そういう纏め方に持っていこうとしてたでしょうに。誰もが勇気を持てばヒーローになれる、誰かを守りたいという気持ちを実行すればヒーローになれる、という締め方なんだから、対比の描写は大事だったんじゃないのかなぁ。

ベインとラスボス女が出会った洞窟も、あんな程度の深さの描写で、なんで脱出不可能ってなってるのかがわかんないというか、もっと映像でそれを見せてくれよーって。

伏線を仕込んだつもりが、あー、子供ってあいつなのかってネタバレバレバレのレベルにしかなってないっていうのも、全体がうまく纏められてないからそうなってしまうんであって。

役者陣は熱演していたと思いますし、それを引き出した演出はいいとは思いますよ。あ、他にもいいところがあったよ……。でも、それが映画に反映されてないというか、空回りしてるだけというか。

ベインは、パワー系の敵なのに、戦闘時の迫力のなさはなんなんでしょう。それと、ラスボス女の死ぬ場面、コメディかと思いましたよ、あれ。あれはないって。あかんって。笑ってもうたもん。カクって首が曲がるんですよ、カクって。目を見開いて。吉本新喜劇かと思ったよ。ラスボスの最後なのにね。

一作目のラスボスだった、クワイガンじゃなくて、リーアム・ニーソンもチャンベールの妄想という形で登場しはるんですが、まんま、ジェダイマスターじゃねーかよー。フォースで霊界から蘇ったのかよー。そこで、チャンベールのガン=カタVSジェダイマスターのライトセーバーを駆使した戦いを入れんかーい。

かなりdisってますが、それでも、アクションにキレがあればよかったんですが、それもダメなんで、いいところっていうのがあんましないんですよねー。