悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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Z-108地区~ゾンビ包囲網~

ネタバレは当然として、最近にしては珍しくdis全開です。褒めるところなんてありゃしません。




僕はゾンビ映画が大好きです。ほんまに、もうめっちゃ好きです。ほんまに、もうごっつ好きです。なので、台湾で作られたというこのゾンビ映画、観に行かないわけにはいかないでしょう。

それにですよ、SWAT対ゾンビとか、予告編で観ると市街戦もあるっぽいじゃないですか。僕の為に作られた映画なの?なんて、ええ歳こいて錯覚してしまいそうになるじゃないですか。

冒頭の5分くらいはよかったですよ。スレンダーな人妻がスーパーマーケットでゾンビに襲われるっていうシチュエーション。これはもうね、『DAWN OF THE DEAD』へのオマージュでしょう。映像も、ちょっとスローモーション入れたり、カットバックっぽいやり方したりで、結構工夫してる映画なんかな、なんて思いましたよ。

はい、ここまででした。一応、このスレンダーな人妻が主人公扱いっぽいんですが、この人妻が小さな娘を連れて街中をゾンビから逃げているところに車がやってきて、命からがら逃げ込んだら運転手がゾンビっぽい容貌で、でも背に腹は代えられないということで、不安な表情を残しつつ車の後部座席で娘と抱き合う場面までは、ほんまによかったと思いますよ。

ここで、108時間前って出て、先ずはこれまでのテンポを変えます。テンポを変えることは別にいいのですが、ここからグダグダな展開しかありませんでした(泣)。つか、108時間前とか、24時間前とか幾つか時間軸の紹介が出るんですが、どこが時間の拠点になってるのかよくわかりません。普通なら、スレンダーな人妻が車に乗って逃げているところから逆算して、最後にこの場面に戻って来るって思うじゃないですか。戻りません。実は同時進行でした。

そこから、違法店を経営している太っちょヤクザ(一応、こいつがほんまの主人公っぽい)とその子分、SWATとか人が大量に出てきますが(ゾンビの餌という人員配置ですね)、もう入り乱れ過ぎて、何がしたいのかよくわかりません。ゾンビに襲われた恐怖を出したいってことで、敢えてメインキャラ以外の状況をぼかすっていう方法は、ゾンビ映画なら幾らでも使われていますが、それを意図しているってことではないみたいだし。だって、メインキャラの状況もぼかしてるしさ……。

太っちょヤクザを演じてる人が制作も兼ねているようなんですが、多分ですが、この人も含めて色々と口出す人が多かったんとちゃうかなぁと思います。

工夫した撮影かなって最初は思った場面も、実は、俺らはこういう撮り方出来んねんでっていう誇示でしかないのがわかりますし。なめとんのか。手前らの技術力の誇示はいらねーんだよ。

イップマンも出てきますが、もうイップマンの無駄遣いでしかありません。ちょっとしか出てこないし、おいしい場面なんてないし。なんで出たの?って感じですよ。銃の弾切れで、拳があります、なんて息巻いてたけど、あっさりやられてるし。

ヤクザ対SWAT対ゾンビの三つ巴や、ゾンビに対してカンフーを駆使して戦うとか、そういうのをもっと正攻法で展開して欲しかったですよ。変態親父とか出す必要あったの?終盤で日本人のサイコキラーを出す必要があったの?なんで日本人の役なのに、名前がジェシーなんだよ。

変態親父がゾンビの胃袋みたいなものから、ゾンビエキスを抽出していたり。どこで入手したんだよ。つか、お前が元凶かよ。

太っちょヤクザがゾンビに噛まれたのに大丈夫だとか(免疫があるとか言ってるけど、嘯いてるのか本気なのかよくわかんない演出だし)、と思ったら、最後になってゾンビとは言えない化け物に変化するし。つーかさ、RECのアレみたいに、お守りを外した途端変化していったから、実はゾンビじゃなくて悪魔(デモンズ)系っていうことにしたかったの?あ、でも冒頭では、薬品開発の失敗が原因っぽい感じだったしね。

色々と詰め込みたいっていう気持ちはわかるけどさ、結局それで何に注力したいのかがわからないようになったら意味なーいじゃーん。

大量の人の死体で「SOS」っていう文字を作るんですが、28日後かよっていうか、パクっただろ、としか思えないし、ゾンビにもならずに死体があるとか、どういうことなんでしょうね。一応、世界観的には、普通に死んでも(事故死とか)ゾンビになるっていうことだし。だって、冒頭の場面で、スレンダーな人妻の配偶者が車の事故で死んだけど、ゾンビになってましたしね。

僕は、ゾンビ映画が大好きですよ。それなのに、このゾンビ映画は苦痛でしかなかったです。90分程度の長さなのに、ごっつ長く感じたし。これはね、酷いを通り越して憎しみすら覚えるレベルです。