読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2016©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

ジャンゴ 繋がれざる者

かなりdisってますが、楽しめたし大変満足出来た映画です。disってるのも、愛情の裏返しと思って生温い目で読んでください。ついでに、ネタバレもかましてます。





タランティーノ(及び製作側)は楽しんで映画を作ってるよなーっていうことが、もう画面から溢れ出していて、3時間近い上映時間なのに、以外とあの手この手とテクニックを駆使しながら、観客を飽きさせないようにしている手腕は素晴らしいです。まぁ、実際には、自分(達)が観たい映画を作ってるだけ、なんでしょうけどね。

タランティーノ自身が元々持っていたもの、タランティーノが好きだったもの、タランティーノが影響を受けたもの、タランティーノが観たいもの、タランティーノに期待されているもの、そういう要素をいい塩梅で調合し料理として出してくれる数少ない映画製作者の一人でしょう。

で、このジャンゴですが、面白かったし、上述のように長時間の割にはそれを感じさせない引き込み方で、満足と言えば満足なのですが、ところどころにほよよって思うところがあったので、書いていきます。

『アベンジャーズ』もそうでしたし、タランティーノがメインとなって制作した映画のほとんどもそうだったと思いますが、台詞で結構登場人物の描写をやってるんですよね。英語がネイティブ(というか、アメリカ語がネイティブと言った方が正しいのかな)の人には普通に理解出来ることだとしても、そうではない言語圏の人にはちょっとわかりづらい手法ではあります。今年のアカデミー脚本賞を受賞しましたが(個人的にはアカデミー賞には全く興味ないですが)、そういった部分を評価されたのかな、と観終わった後に感じました。

タランティーノが最初の構想を考えた時は、今以上にもっと長いお話だったと思うのです。それを、切り詰めていくに従って、結果的に登場人物だけが多くなり過ぎ、登場人物同士の連動性と、主要な登場人物(特にクリストフ・ヴァルツが演じたドクター・シュルツの心情的な推移)の描写がおざなりになってしまった面があったのではないかと推測します。

キル・ビルと同じく前編・後編という形で分けるか、もっと話と登場人物とを切り詰めて濃縮な映画とした方がよかったのではないかなと。

クリストフ・ヴァルツはこの映画で今年のアカデミー助演男優賞を受賞しましたが、彼の演技に文句はないものの、映画の流れの中で一番犠牲になってしまった役だったなという印象が強く、受賞するほどのものではなかったのではと思ってしまいました。それは、僕自身が、彼の役柄に感情移入しちゃっていた、彼の役の中に僕自身を投影しちゃっていたというのも原因ではあるのですが。

途中でジャンゴと彼の精神的な立ち位置が逆転していますが、それが急激な変化過ぎて、「もうちょっとそこはじっくりと描こうよ、ちょっと扱いが酷くないかな、前半の主人公は彼だっただろ?」っていう思いが強過ぎたというのもあります。

そして、刑事プリオ。ディカプリオは素晴らしい役者ですが、今回も素晴らしかったです。小憎たらしいという言葉がピッタリでしたが、あの時代で、あの地位にある人物としては至極普通な人物だと思うので、映画のラスボスポジションとしてはちょっと弱いというのが残念でした。ジャンゴの配偶者を拉致とかしたわけでもないし、実際のラスボスはサミュエルさんだったし。

主人公二人組がディカプリオを騙そうとして、それをサミュエルの機転で回避し、騙されそうだったのをわかった上でビジネスに徹しようとしたディカプリオは、殺されるほど悪くはないですよね。まるで、菜食原理主義者が肉食もする人を毛嫌いして殺しちゃった的な描き方に思えたので、クリストフ・ヴァルツもディカプリオも悪い印象のまま呆気なく退場しちゃったんですよ、僕の中では。

クリストフ・ヴァルツは、最後の「あっ、我慢出来なくて殺しちゃった。ごめんね♡」っていう台詞があるだけまだマシか(笑)。あの台詞と表情だけでもアカデミー助演男優賞あげてもいいかもしんないな(爆)。おじさまファンは、あれだけでも悩殺されちゃうのかもしんない。

サミュエルは知能犯という感じで、ラスボス的な力の強さがなかったのがねー。僕はジャンゴとの直接ファイトが観たかったですよ。杖をついていたのもフェイクっぽかったので、もっとなんかあると思っちゃったじゃないですか。そう思わせといて、わざとスカしたんでしょうけどね。

結局は、サミュエルは自分の王国、自分が特別な存在である場所や立場を一瞬でも壊されたくなかったっていうことから敵対しちゃっただけで、最初から主人公達を殺そうとしたわけでもないし。サミュエルからしたら、自分の子供のようなディカプリオを騙そうとした挙げ句に殺した奴らですからね、主人公達は。悪いのはあいつらだ、ってことですよね、サミュエルにとっては。

ディカプリオがもっと悪の親玉で、結構出てると思っていたので、途中から登場で(多分1時間経過後くらい)、終盤前にもう一人の主人公と共に退場なので、ディカプリオ目当ての人は物足りないかも。

それに、ドン・ジョンソンまで出てましたよ。いやー、懐かしい。トム・サビーニも出てるみたいなんですが、どこでやったんやろう。見逃してるわー。トラッカー・チェニーってどんな登場人物だったっけかなー。タランティーノ自身も出演してるのですが、太り過ぎだろー。

ということで、なんかいつものようにかなりdisっちゃったけど、大変面白い映画でしたよ。説得力ないだろうけど。