悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2017©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

偽りなき者

ネタバレしています。disっていますが、この映画は色々な人に観て欲しいなって思います。




重たかったですね。テーマがテーマだけに覚悟はしていたのですが、それを上回ってグサっときました。

内容は、簡単に言えば、幼児への性的虐待の疑惑を掛けられた男の、社会から突然拒絶される様を描いたものです。

主人公と周りの自称友人達(映画を観終わった後にはもの凄くそう感じてしまいます)との素敵な共有時間を最初に描き出して、その後の主人公にとっての地獄をより効果的に演出しようとしていましたが、環境設定を構築する為に展開や登場人物の行動に強引過ぎるところが多々あってか、効果的でなかったように思えます。丁寧な部分、そうではない部分がはっきりと隔離してしまって、チグハグな印象を受けました。

主人公が自分の為に戦うという行為もそれほど激しく描写してないという部分にも代表されるように、中途半端っぽさは全編に漂っています。まぁ、それでもこれだけ観終わった後に重い気持ちがのしかかるんだから、中途半端な描写でよかったのかもしれません。

元同僚の彼女ともいつの間にか復縁してるし、主人公は生まれ育った街(というか田舎やんね)を出て行こうともしないのは何でやろうって思いました。それが、主人公なりの戦いだというのはわかるんですけど。他に何かあるんかなぁって。

自分がいつこの映画の主人公のような被害者の立場になってしまうのかということを考えただけでも怖いですし、自分がこの映画の登場人物のように、勝手な思い込みで加害者になることもあるかもしれないんですよね。それを、この映画は観客に対して突きつけています。いや、もう無意識のうちに加害者になっているのかもしれないですよと問いかけているのかもしれません。この映画を観ながら、ずっとそれらのことを考えていました。

主人公が勤務する幼稚園の園長がね、もうね、思い込みだけで生きていて、自分が加害者になっているっていう自覚が全くないんですよ。僕ならこの園長を訴えますね。社会や人に対する耐性がなさ過ぎというか。そういう人が園長やったらあかんでしょ。それに、カウンセラー?の人との誘導尋問攻撃も酷い。でも、これ、多分普通に日常生活で僕達もやってるんでしょうね、こういうことを。

幼稚園の園長が思い込みを発動してからの行動がコミカル過ぎて、ファンタジーになっちゃった部分は残念でした。デフォルメし過ぎやと思います。

原因となった親友の娘の虚言も酷いですが、それ以上なのが、幼児の虚言を無邪気に疑うという思考を忘れて信じ込む周りの大人と認識されている精神的未熟者共の集団ヒステリー的な恐怖ですよね……。

飼い犬が殺されてしまい、そこからのホラー的な展開を期待したんですが、間違ってますよね。うんうん。でもさー、主人公の中の人って『ヴァルハラ・ライジング』の主人公もやってたらしくて、そういう展開はお手の物だと思うんですよねー(間違ってる)。いやいや、息子が激高して反撃に出るとか(一応出たけど、ボコられましたね)。

最後も、主人公の冤罪が晴れたのかハッキリしないところや、銃で撃たれてあわやってところで終わりなのも、モヤモヤしたものが残りますね。結局、誰が撃ったのかわからないですし。主人公は決して救われたわけではありませんしね。息子との絆はより一層深まったことだけが救いなような。でも、それは主人公にとっては一番大切なものでもあるんですよね。切ないなー。