悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2017©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

カノジョは嘘を愛しすぎてる

ネタバレしてますし、disってる部分もありますが、ボクはこの映画に出会えてよかったです。

2013年12月31日に修正及び追記をしました。




観ている最中から思ってた。あ、これだよ、ボクはこの映画を観たいから、この映画に出会いたいから、この映画に寄り添いたいから、この映画に身を委ねたいから、映画ファンになったんだな、って。

本当に素晴らしくて、素敵な映画でした。もうね、奇跡が集中したんだとしか思えないくらい、ボクにとってはとんでもない映画でした。

で、最初はダメだったところから(笑)。

GTO反町が車中で、MUSH&Co.というか大原櫻子さん演じる小枝理子用に、佐藤健さん演じる本作の主人公である小笠原秋が作った曲(後に相武紗季さん演じる茉莉が歌う「祈り」という曲というか世界平和←実はこれは違いました。ごめんなさい。「祈り」は、小笠原秋が小枝理子に別れ話をした後に湧いてきた曲でした。)を聴いてるとき、音楽自体は観客には聴かせない【無音】という演出をしているのですが、終盤に、これまた、小笠原秋が小枝理子との思い出を詰めた曲(劇中では「R」というワークタイトルで、正式?な曲のクレジットは「ちっぽけな愛のうた」です)を、小枝理子が聴いて泣いているという場面でも同じ演出というか、似た場面を構成しちゃってるんですね。これ、お互いの場面の印象を薄めることにしかなってなくて、かなりなミスです。さらに、小枝理子の場面では、途中から別の音楽がバックに流れるのですが、ここは生活音だけで、音楽は流さない方がよかったですね。

恐らく、GTO反町の場面の反町の演技が自然でなかなかよくて、勿体なくてカット出来なかったんじゃないかなと思うのです。大人の事情もあったかもしれないけど。

この映画的には、終盤の小枝理子の場面の方がかなり重要なのですから、こちらの場面を活かすためにも、GTO反町の場面はゴッソリカットした方がよかったですね。そして、こちらの場面を活かすことで、最後に小笠原秋と小枝理子が二人で演奏する場面をもっと盛り上げることにもなりますからね。

次に、一般的な理解だろうから仕方がないのですが、音楽=歌と定義しようとしてるところですね。バンドがあったり、小笠原秋がベースプレイヤーということで、まるまるそういうことにはなってないけど、心情がどうこうっていうのが、音楽ではなく、歌というか歌詞でしか登場人物は捉えてないっぽい描き方になっちゃってるのが、残念でした。

音楽なんだから、音で伝えようよ、伝わろうよ。

小笠原秋と小枝理子が出会う場面は、そういう描き方じゃないのに、逆にあの最初の場面だけがポッカリと浮くんですよね。あ、わざとそうしたのかなー。どうなんだろう。

ほんで、よかったところ。

えっと、多過ぎます(爆)。もうね、上に書いたdisってる部分なんてどうでもよくなっちゃう。

先ずは、原作は未読なのでどうかわかんないけど、この映画に関しては、小笠原秋の視点を中軸にして、ブレてないっていうところがよかったです。

小枝理子も、あくまでもヒロインでしかなくて、ダブル主人公になっていないところも。予告編を観たときは、あっ、ネームバリューで佐藤健さんが主演扱いになってるけど、物語の主人公は小枝理子かなって思ってたんですよね。全く違いました。主人公は、小笠原秋だけです。

次に、佐藤健さんの魅力を凄く美しく、儚く画面に焼き付けているところです。その分、彼の演技力、表現力に極端に負ってしまうところがあるんですが、彼はきちんとそれに応えてるんですよね。凄い。彼の画面に焼き付けた雰囲気が、イコールこの映画の雰囲気になってるんですよ。

続いては、キメの場面のかっちょよさ。特にキスシーンが。素敵過ぎるよ。憧れちゃうよ、こんな場面見せられたら。キメるところの構図に手抜きがないんです。

物語のテンポのよさも挙げないとダメでしょう。余計なところを削ぎ落として、小笠原秋に集約するように持っていく物語の作り方は、かなりうまいと思います。これこそ、プロのテクニックなんじゃないでしょうか。

音楽というか、歌もののよさも素晴らしい。CD買っちゃったもん。うん。特に、ベースラインがいい音楽って大好物だから、嬉しいにプラスαのオマケが付いてるようなもんです。

最後に、大原櫻子さんという人の存在。ピタッとハマリ過ぎっしょ。歌もうまいし。オーディションで選ばれたそうなのですが、これまた奇跡です。

予告編を観たときから、これはかなり好きになっちゃう映画かもとは、なんとなーくは思ってたんです。でもね、まさかね、これほどまでとはね。ボクは、かなりハードルを上げちゃう癖みたいなものがあるんですが、この映画は、そのハードルなんてまるでないのと同じって感じで、軽々と超えちゃったんですよね。

この映画のポイントは、小笠原秋と小枝理子が初めて出会うとき、小枝理子が落とした配達途中のマッシュルームを拾った小笠原秋が、さり気なくポッケに入れてパクるところと、終盤のMUSH&Co.のデビューライブの楽屋で、GTO反町の背後で、自身にピントが合ってないにも関わらず、目線と表情で演技する谷村美月さんの演技です。それから、自転車に乗って出前してるおっちゃんが、さり気なく何度も登場しているのも注目です。

あ、大事なこと書き忘れるところだった。茉莉というか相武紗季さんの歌は、流石にヘタクソ過ぎるでしょ(笑)。相武紗季さんは歌う真似だけして、プロの歌手がアテレコすべきでしょう。