うん、元F-1ファンとしても楽しめましたし、二人の男のドラマにも痺れましたね。興奮しっ放しでした。
ボクは、アラン・プロスト(の中期)以降のF-1ファンなので(好きなドライバーはプロストとジル・ヴィルヌーヴです)、ニキ・ラウダとジェームス・ハントの二人については、時代的にはボクがF-1ファンになる少し前のドライバーで、二人の名前は知ってはいても、実際の活躍やドライビングスタイルというのはあまり知りませんでした。
勿論、ニキ・ラウダの事故のことは後追い情報で知ってはいましたし、マクラーレン(の初期)時代に0.5ポイント差でプロストがニキ・ラウダにワールドチャンプを獲られてしまったことから、ニキ・ラウダという名前は自然と印象に残っていますが、ジェームス・ハントについては、ワールドチャンプを取ったことがあるドライバーという程度の認識で、正直、この映画を知る前は名前すら忘れていたくらいで、こういう豪快なドライバーだったんだなと知ることが出来て嬉しいです。友人にはなりたくないけど(苦笑)。
この映画は、事実を基にはしていますが、完全に正確に再現しているのではなくて、そこにフィクションもかなり絡めています(F-3時代に二人はルームメイトで友人だったそうですし、映画は結構実際の出来事を圧縮しています)。
素晴らしいのは、事実へのフィクションの絡め具合の塩梅が非常によいところで、映画的なついていい嘘に昇華されていたと思います。
レース場面も凄く迫力がありますし、昔の車の再現具合とか、あの時代に撮影してたんとちゃうのんってビックリ仰天です。タイレル(ティレルじゃねーw)6輪とか懐かし過ぎます。
ニキ・ウラダを演じた偽ユアン君(ダニエル・ブリュール)と、ジェームス・ハントを演じたソー(クリス・ヘムズワース)が、ほんまによく似ていて、もうこの人選でこの映画は傑作になる運命だったのかもしれません。ニキ・ラウダの配偶者(後に離婚)や、ジェームス・ハントが結婚するモデルさんも、似た役者さんを選んでいますし。
ボクは、どちらかと言えば性格的にはジェームス・ハントのタイプで、ニキ・ラウダのような理詰めなタイプには反感を持ったりするんですけど(笑)、この映画での偽ユアン君の演技が素晴らしくて、ついついニキ・ラウダ側に感情移入して観ちゃいましたね。
不満な部分がありましたわ。この映画での偽ユアン君は、本物ユアン君に似ていないってことです。そりゃないぜぇー(マテ)。