悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2017©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

ヲ乃ガワ -WONOGAWA-

この映画のみならず、別のとある映画のネタバレまでかましています。

wonogawa-movie.jp




監督・脚本・編集 山口ヒロキ
出演:前田希美、漆崎敬介、ボブ鈴木、及川奈央深水元基、阿知尚康、阿部恍沙穂、松田俊政ほか


シネ・ヌーヴォXで鑑賞

 先ずは、もう一旦文明が滅んだあとの世界の舞台に、廃工場を使うのは止めましょう。思考停止です。既視感バリバリです。低予算だから仕方がないのは分かりますが、それなら、そういう映画ばっかり作るんじゃなくて、資源を集約して一つの映画を作った方がかなりマシだと思いますよ。環境にも優しいでしょう。

 途中から物語の根幹の謎は予想の範囲内ではあったのですが、やっぱりそれを物語の中できちんと提示してくれたのは、映画だよなって思うところだったのです。だから、ラストの投げっぱなしジャーマンは気に入りません。

 この映画としての答えを提示してほしいのです。観客の想像にお任せしますなんて、単なる製作陣の逃げですよ。そこまで考えろよ。観たいんだよ。映画なんだよ、これは。問答じゃないんだよ。

 映画の伏線で、投げっぱなしに見えるけど、実はもう選択は決まってるんですよっていう作りでもないでしょう、この映画は。

 主人公は、かなり身勝手というか、能力もないのに出しゃばって周りに大迷惑を掛けてしまうけど、本人は悪気はなかったって言って、自分の行動を肯定する奴なんですが、こんな奴は現実世界にも大勢いますからね。そして、肝心なところでは行動せず、喚いて傍観するだけ。こういう人物像のキャラを主人公にしないでほしい。気に入らない。

 まぁね、こういう主人公だからこそ、ラストできっちりと選択した結果を映画の中で見せてくれたらね、溜飲は下がったんですよ。ほんまにかなり下がりましたよ。カルト映画の傑作って叫んでたかもしれません。

 最初は、この世界の謎はソイレントグリーンかなって思ってたんですよ。プラス、ボトムズのワイズマンの要素を入れてるのかなと。おおむねそんなところではあるんですが、屍体を食用に再生ではなく、そのまま人間に再生(マジ再生人間)しているっていうのは、痛烈な設定だと思いますし、凄く良かったんですよね。

 人類は1,000年前のなんらかの出来事によって崩壊寸前。生殖機能が失われました。日本人の科学者チームは、温泉をエネルギー源とし、人類の細胞蘇生の方法(要するに再生人間)を研究し確立させ、そこから新しい人類の歴史が始まったわけです。

 科学者チームのリーダーの博士は、自らの体が老いてくることによって研究が完成しないことを憂慮し、脳だけを取り出して、体は取っ替え引っ替えできるようにしたんですね。ま、ハカイダーですわ。(マジ)

 それでも、再生人間の限界なのか、原因不明の病気が蔓延するようになって、そんなタイミングで、過去に初めて国王の部屋に辿り着いた人間の娘が、またこの世界の謎を追って、国王の部屋に辿り着いた二番目の人間となるという事態が発生。

 国王は、装置を破壊して人類を終わらせるか、このまま継続させるのかの選択を主人公に委ねます。そして、主人公の出した答えは、そう、エンドロールです。

 なめてんのか。

 この映画を観た人同士で語り合ってほしいとか思ってるんかもしれないけど、ボクには逃げの選択以外の何者でもありません。

 観ていて思ったのは、いろいろな要素を入れてるのに、それが混じり合ってないよなってことです。世界観も、主人公の設定も、プロットも。

 主人公と父親代わりであろう医師との関係、主人公の恩師である教授との関係、主人公を捕まえる立場の部署の新責任者との関係、教授の仇との遭遇とか、弔い屋と主人公の遭遇とか、こういうのを混ぜて絡めて物語を進めていくんじゃなくて、ツギハギのように展開の中に落とし込んでるだけなので、相乗効果が生まれてないんですよね。

 いつものようにいろいろとdisりましたが、問題点は簡潔に見えているので、そこをしっかりと補正してくれれば、もっと面白い映画を作るポテンシャルはあると思います。上から目線で申し訳ないですが、切実にそう思います。