軽くネタバレしていますし(一部原作のネタバレも)、軽くdisってもいますが、楽しめた映画でもありました。
原作は未読ですが、ネットと、友人から原作の内容をある程度聞いたことで、あらすじだけは微妙に知っているという状態での鑑賞でした。
原作からはかなりの改変(重度の原作ファンには改悪と捉えられるかもしれません)がなされており、物語の始まりというかきっかけと、鈴木、鯨、蝉の主要登場人物三人がいて、生き残るのは鈴木だけ、くらいの要素しかないかもしれません。押し屋もいますが、鯨、蝉との接触はなし。押し屋が鈴木の仇である組織の息子を殺したことで、鈴木は接触はでき、それがこの映画の一応の柱としての展開とはなっています。
端的に言えば、キ◯ガイとアホの集団が織りなすファンタジー映画でした(←微妙に褒めてますよ)。
話が意図的じゃなしに空回ってるなとは思いましたが、観ている間はあんまり気になりませんでした。鑑賞後に気になったって感じです。
役者陣が良かったのか、演出が良かったのか、両方なのか分かりませんが、話のまとめ方や進め方から想像するに、役者陣の頑張りがフィルムに焼き付いたのかなと思います。
蝉役の人(暗殺教室にも出てはるんですね)のアクションも素晴らしかったです。あれ、吹き替えじゃないですよね。
R15指定ということで、結構グロさもあります。個人的には、そこも良かったです。それから、鯨が見てしまう幻影というか、自ら作り出した幽霊の描写が、ジャパニーズホラーテイストでしたねー。
冒頭と、何度か出てくる渋谷のスクランブル交差点の場面ですが、なんとセットだそうです。あの場面は、リアルさと虚構さがうまく混ざり合ってるなと思ったのですが、セットだからこそできたことなんだと納得しました。
生田斗真の演技は良かったとは思うのですが、体つきがね、なんかやらかしそうな肉体になっていたので(最後に実はCIAでしたみたいなノリで敵を抹殺するんじゃないかと密かに期待しておりました)、そこはもうちょっとなよっとした感じで調整してほしかったところです。ボクが密かに思っていたことは、アホ女役のススメバチがやってくれましたね(笑)。
観覧車での麻生久美子の説明タイムはいらなかったと思います。説明するにしてもセリフとかだけじゃなくて、映画なんだから、もっと別の表現でやってほしかったところです。しかも、(世界観みたいなものの)詳細を話すほどっていうことでもなかったんですから、あそこは子供が生田斗真に指輪を渡すっていう場面だけの方がスッキリとして、感情豊かになったような気がします。
最後の冷凍されたコーンポタージュスープ(ですよね、アレ)。多分、劇中の時間は、冷凍してから二年近くは経ってると思うのですよ。いくら冷凍してたからっていっても、そんなに保つものなんでしょうか。あの後、鈴木は多分食中毒で入院しましたね。