悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2017©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

マギー

久々にかなりdisっています。ラストのネタバレもしています。




シュワちゃんとゾンビという取り合わせ。期待はしちゃいますよね。ゾンビをモンスターというカテゴリーの一つだとしますと、シュワちゃんは過去にもプレデターというモンスターと戦う映画に出ているわけですし、相性は悪くはないと思いますし。

 結論から言えば、なんでシュワちゃんをキャスティングしたんだよと。シュワちゃんである意味はなかったような気がします。

 シュワちゃんなら今でもギャラは高いだろうし、こういう規模の映画ではギャラだけで製作費をかなり圧迫しちゃうと思うのですよ。シュワちゃんがギャラを下げたとしても、大変であることはあまり変わりはないようにも思いますし。海外では、俳優のギャラを下げるって、協会とかの関係もあってなかなか本人(や周りも含めて)の意思だけでは難しいという話も目にしたことがあります。それに下げ幅も決まってるでしょうし。って、シュワちゃん、プロデュースもしてたのか。それならギャラ問題はなんとかなるのかな。どうなんやろう。

 演技力、存在感、そういったものをある程度は備えていて、尚且つ突出した部分があり、数値的にはアンバランスなんだろうけど、それを個性というパッケージにまとめあげて提示できるのが、スターという役者なのだと思います。シュワちゃんは演技力の数値は低いですが、存在感の数値は高く(別格ですね)、紛れもないスターであるわけです。

 ですがこの映画でシュワちゃんの役に求められていること、そして、シュワちゃん自身が取り組もうとしたことは、シュワちゃんの役者としてのアピールポイントである存在感に比重を置いたものではなかったように思えるからです。ハッキリ言えば、演技力を求められる役だったと思うのです。

 映画の構成もまずいというかなんというか。ゾンビ感染ウイルスが発生した状況で、頭がゆるい娘と、無責任な父親が繰り広げる、ゾンビ感染二次被害はこうやって起こりますよっていう映画としか思えない作りになっちゃってるんですよね。

 映画を観終わったあとチラシを読んで初めて、娘がゾンビに噛まれて感染して家出した設定であるということがわかりましたよ。いやいや、映画の冒頭の見せ方ではわかりませんよ。単なるゾンビが発生した環境下で家出して、案の定ゾンビに噛まれてしまったバカ娘にしか見えません。セリフとかナレーションでそういうことを言っていたのかもしれませんが……。

 この映画で、どうしてシュワちゃんがそういう行動を取ったのか(娘にとっては義理の母親、娘にとっては腹違いの弟と妹をうっちゃっても)ということを観客に知らしめる大きなポイントであるので、ここはもう少しわかりやすく説明的にした方が効果的であったでしょう。

 シュワちゃんと娘の二人にフォーカスする映画ではあるのですが、シュワちゃん中心に進行するかと思いきや、娘中心に移行したり、それがまたスムーズでなく唐突だったりと、脚本段階からなのか、きちんと何を見せたいのか、何に観客の視点を注力させたいのかが考えられてなかったのかなと思わざるを得ません。

 娘の好きな同級生も感染しちゃってて、とうとう人としての意識もなくなろうかというときに自分の部屋に立て籠もり、娘が心配してその場所に赴くという場面があります。その場面のかなり前に、左手の人差し指が感染して腐ってしまって(多分)、自分で包丁で切り落とすという場面があったのです。しかし、赴いた場面では見事に復活してたんですよね、人差し指(笑)。撮影途中で構成の順番を変えたのか、それともただのミスなのか。この映画、こういうボアが多いというか、製作に集中してなかったのかなと思えてしまうのです。

 先にも書きましたが、シュワちゃんは再婚してて、義理の母親と腹違いの弟と妹がいるっていう設定なんです。娘の産みの母親は病死(?)という設定です。義理の母親はちょこっと絡んできますし、段々とゾンビ化していく娘に恐怖を感じるという部分で、シュワちゃんとの対比としては重要な役なんですが、その設定を活かしきれていないというか。

 最後は、ゾンビ化待ったなしまできてしまった娘が、寝ているシュワちゃんのおでこにキスをして、二階建ての家の屋根から飛び降りて自殺します。っていうか、自殺を図るだけで、あの高さとゾンビ化している状況からは、死ねないと思うんですけどね(笑)。娘が助からなくてゾンビになるよっていう終わらせ方だけはよかったですね。

 幼い弟と妹がいる方が、大人よりかは警戒心も低いでしょうし、そういうところを描写してドラマに厚みと恐怖を足せたと思うのですが、早々に映画からは退場しちゃうし(祖母の家に避難って、娘のこと信用されてねぇw)。

 全体的に、もっと設定も人物配置もスリムにした方がよかったと思いますね。どうしてもシュワちゃんを使うのなら、ゾンビとの対決をアクションを絡めて、全編に満遍なくほしかったところです。

 シュワちゃんのコアなファンで、コレクター気質がある人以外は観ないでいいと思います。娘として守るのか、ゾンビとして殺すのかって予告編で言ってますが、娘として他人の迷惑とか(今の家族の迷惑も、だw)を省みず守るだけです(爆)。