悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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プリンスのこと

※一周忌が過ぎたということもあり、文章を見直しました。また、誤字脱字を修正しました。2017年4月24日

 プリンスが亡くなってしまった。2016年4月22日。57歳だった。この日は、あと何年かすれば、人類の音楽史にとって忘れられない日と記憶されるのではと思います。

 勝手に思っていたこと。プリンスは「死」という存在なんて関係ないんだって、そう勝手に思っていた。

 彼の生み出してきた音楽は残る、という意味なら、プリンスに「死」なんて存在はやっぱし関係ないって言えるかもしれない。でも、彼のような肉感的な要素が魅力でもある音楽家にとっては、彼が生み出してきたものではあるけどもう新しい音楽が作られないという意味においては、過去のものだけしか残らない(与えた影響の広がりという部分は除きます)という事実は、寂しいし、悔しい気もするし、やりきれない気持ちもします。プリンス自身が一番そう思っているのかもしれない。

 プリンスの音楽は、最初は嫌いというか、気持ち悪かったんです(笑)。プリンスは日本でもかなり人気がありました。当時、音楽はあまり聴いていなかったボクですら名前を知ってるくらいでしたから。音楽よりも映画、映像に興味を持っていた高校生の頃、音楽というよりもビデオクリップ(PVですねw)での映像表現を勉強したくて、ビデオクリップが流れるテレビ番組をよく観ていたから、というのもあります。

 日本では、マイケル・ジャクソンの光に対して闇、マイケル・ジャクソンの善に対して悪という対立構造が何故か作られていた、要するにライバル関係とされていたということからも、人気の高さへの証明になるのではないでしょうか。実際には、マイケル・ジャクソンとの関係性は逆なような気がしますけどね(笑)。でも、ボクは、マイケル・ジャクソンは嫌いではなかったけど、プリンスは嫌いだったんです。いや、馴染めなかった、と言った方が正解かな。「パープル・レイン」の曲にしても、なんかとっつき難かったんです。

 ボクの中でプリンスの立ち位置が変わり始めたのは、海賊盤を主に取り扱う音楽雑誌『GOLD WAX』誌で、プリンス吉田氏が連載していた記事を読んだ頃からです。連載は、プリンスへの愛情が溢れ出していて、それが故にプリンスをおちょくってるような感じがあったり、かと思うと真面目になっていたり、また、軽妙な文章ということもあり、かなり楽しんで読ませていただきました。

 そんなこんなで、プリンスの音楽を聴いていないボクがここまで連載を楽しめるんだったら、プリンスの音楽を聴いていたらもっと楽しめるんじゃないのかな、なんて思い始めました。ただ、当時はほかにもたくさん音楽を聴いていて、CDなんて1日1枚は買ってるなんていう生活だったので、プリンスを割り込ませるまでの(時間というよりも精神的な)隙間はありませんでした。

 暫くして、プリンス、というか、もうTAFKAP(The Artist Formerly Known as Prince)と呼ばれていた頃ですが、以前に発売日の告知までされていたのに直前で発売中止となっていた『ブラック・アルバム』がCDにて待望の正規リリース(マニアはブート音源でとっくに聴いている状態でしたw)という状況になりました。当時は限定発売だったと思います。

 そこで、何故かボクの心に火が付いたというか、「あ、オレ、プリンスのこと好きになるわ」って思ったんです。理由なんてありません。ただただ、そう思ったんです。だから、この『ブラック・アルバム』は買っておかないといけない、と。

 そこから、『ブラック・アルバム』の前にまずは当時出ていたCD3枚組のベスト盤『ザ・ヒッツ & Bサイド・コレクション』を買って聴いていました。特にシングルB面集がツボに入りましたが、これは先に書いた『GOLD WAX』誌でのプリンス吉田氏の連載の影響です。「なんでオレは今までプリンスを避けてきたんだろう。いや、今ここでプリンスと出会うのが宿命だったんだよ」なんてひとりごちていました。至福の時でした。

 プリンスのアルバムでは、2枚目の『愛のペガサス』(原題『Prince』で、邦題は恥ずかしいタイトルになっていますが、個人的には邦題の方を気に入っております)が特に大好きでした。また、『The Gold Experience』もお気に入りでの1枚でした。

 プリンスを聴き始めてからは、もう圧倒的な音楽の喜びに感謝しました。そして、プリンスは色々な楽器を弾きますが、特にギタープレイ、それもギターソロが大変素晴らしく、ギターソロ大好きなボクとしては、のめり込むのに十分なポイントでした。

 CD-ROMで発売されたパソコン用の作品『INTERACTIVE』を観たいがためだけに、ボクにとって初めてのパソコンとなるMacを購入したんです。あぁ、懐かしい。いや、まぁ、森高千里さんのCD-ROM『渡良瀬橋』も観たかったというのは、裏の理由だ(爆)。のちに、そういう関係の仕事を少しすることになったので、プリンスはボクの人生にもかなりな影響を与えてくれたっていうことになります。

 プリンスの音楽については、是非聴いてほしいとしか書けません。聴いてダメだったらそれでもいいし。でも、一度も聴かないというのは、かなり損だと思います。

 数十年先、20世紀後半から21世紀初頭にかけての有名・著名な音楽家として、ボクはプリンスとYngwie J. Malmsteenは残ると思います。音楽教室にバッハやモーツァルトの顔写真が掛けられていたりしますが、そこにシレっと二人は登場しているでしょう。インギーはコラで先に登場してますけどね(笑)。