悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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フェーズ6

少しネタバレしてます。少しdisってもいます。




 致死率100%のウイルスが発生し、人類はほぼ滅亡状態。そんな状況下で、二人の兄弟と、兄の恋人、弟の友人女性の4人は、兄弟が昔に家族でよく来ていた海辺のホテルを目指して車を走らせるという、終末映画系ロードムービーです。

 途中、ラジオでのワクチンが見付かったという放送に希望を見出し、その場所へ行こうとする父親と感染した幼い娘も一緒に行動することになります。しかし、その場所に到着したはいいものの、結局ワクチンは3日間しか効果がないというものでした。そこにいた医者が言うところの「生きることは時には死ぬことよりも苦痛だ」という、苦しみが3日延びただけだったという意味の言葉は重いです。この映画は、この言葉がテーマになってもいます。

 時間が短く、淡々と展開するので、こういう映画にありがちな重い展開、深く突っ込んだ展開はありません。途中で遭遇する、人種差別を象徴したであろう描写の移民者を虐殺する人達や、ホテルを根城とした集団、おばちゃん二人組といった面々との遭遇も、イベント消化という感じで処理されていきます。兄の恋人がウイルスに感染してしまい、途中で置いていくという重要な決断も、単なるイベントになってしまってるのはどうかなとは思いました。

 終盤になって、おばちゃん二人組を襲ったときの銃撃戦(というほど大層じゃないけどw)で、兄は足に重傷を負ってしまい、ウイルスに感染していたことも判明します。弟とその友人女性は、兄を置いて去って行こうとしますが、兄は連れて行けってダダをこねます。結局は弟が兄を銃で撃って殺します。

 兄がダダをこねると書きましたが、ボクは兄がダダをこねたんではなく、弟に目的地に着くためにどうすればいいのか自分自身で決断しろということを、自分の命をかけて伝えたかったという場面だったんじゃないのかな、なんて観終わったあとに思いました。

 ラスト、弟と友人女性は海辺のホテルに着きますが、誰か人がいるわけでもないし、二人はおそらく性格的に合わなそうだし、未来なんてないし、生き延びたからどうなんだろうっていう終わり方はよかったと思います。

 こういう終末世界ものは大好きではあるのですが、実際に起こったとしたら、原発とか安全に停止してくれるんだろうかって考えます。原発の構造を知らないのですが、勝手に停止してくれたとしても、トラブルがないとも限りませんし。

 弟の友人女性の役の人がエミリー・ヴァンキャンプで、この映画ではキャプテン・アメリカの映画で見せてくれるようなクールビューティーというよりかは、冷血な女性といった雰囲気でした。まぁ、少し病み始めてるっていう設定だったこともあいまっての印象です(その設定はあまり活かせることはできなかったようですがw)。