悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

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ドラゴン×マッハ!

少しdisってかるかもしれませんし、少しネタバレもやっちゃってるかもしれませんが、素晴らしい映画です。




 英題は『SPL 2: A Time for Consequences』、そう、ドニーさん対サモ・ハン・キン・ポー&ウー・ジンとのバトルが凄まじかったあの名作『SPL/狼よ静かに死ね』の続編です。といっても、物語の繋がりや前作のキャラが登場しているわけではなく、雰囲気を継承っていう感じなので、前作を観ていなくても全く問題はありません。なんで続編というか、パート2みたいな形にしたんやろう。

 前作からは、全くの別キャラとなりますが、ウー・ジンとサイモン・ヤムが続投しています。主人公は、トニー・ジャーウー・ジンの二人で、その二人の視点からのお話が交互に描かれますが、どちらかというとウー・ジンの方が出番が多く(印象)、より主人公っぽいかなー。

 前作と同様に、この映画も大変素晴らしいのですが、最後のラストバトルの部分の展開に稚拙な演出があるのがかなり残念なところです。折角、凄い、素晴らしいアクションを、トニー・ジャーウー・ジン、マックス・チャンらが繰り広げ、それを映像に的確に捉えているのに、人間ドラマがアクションより上だという間違った認識が製作陣にあるのか、ラストバトルと同時進行でこういう展開もあるんですよって提示したいがために、ラストバトルを継ぎ接ぎだらけの編集にしてしまっているのが、危うく映画全体を崩壊させてしまう寸前までになってしまっていたことに気付いていないのがもどかしい。

 ラストバトルの最初に少しだけそういう場面(展開)を入れるのはいいけど、ほとんどの観客は同時進行で行われているであろう他の登場人物の動きなんてどうでもいいんですよ。ラストバトルを集中して観たいんですよ。そして、これはそういう映画でしょ。トニー・ジャーの娘がバンコク市内の公園で狼と出会う話とか、ボス兄弟の喧嘩の顛末なんて、あのラストバトルと同時進行で提示する必要は全くないんですよ。

 想像してみてください。前作でドニーさんがウー・ジンと戦うところで全く別の場面(展開)が何度も挿入されたりするところを。ドニーさんとサモ・ハンが最後の激闘をしているところで全く別の場面(展開)が何度も挿入されたりするところを。テンポも迫力も緊迫感も台無しでしょ。

 先にも書きましたが、アクションというか、バトルは素晴らしいです。刑務所内でのトニー・ジャーウー・ジンの名刺代わりの対戦から、ウー・ジン対殺し屋(これは前作のドニーさん的立場にウー・ジンがなっているという前作ファンへのサービスみたいなものでしょうか)、トニー・ジャーウー・ジン対マックス・チェンの主人公側の正々堂々と一対一で戦おうとしない卑怯なラストバトル(笑)とか。

 マックス・チェンの動きがね、強さのオーラが滲み出てるって感じがしていて、トニー・ジャーウー・ジン二人を相手にしても、全くその強さのオーラが消えないという撮り方は素晴らしいです。実際にはラスボスではなく(ラスボスはルイス・クー)、ラスボス一味の実働部隊の隊長的な役割ではあるのですが、優雅さと気品と神経質そうな感じが調和されて、静かな狂気となっているのが見ものです。また、娘のために戦うトニー・ジャー、自らの再起のために戦うウー・ジンも含めて、これぞ「狼」ということなのでしょう。