悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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世にも怪奇な物語

えっとネタバレしていますが、かなり昔の映画なので許してください。




 昔はよくテレビ放映されていて、それで観た記憶があり、正直、あまり面白くなかったという印象でした。こんなに面白かったっけというのが、改めての鑑賞後の感想です。ジェーン・フォンダは気品溢れる美しさだし、アラン・ドロンは陰のあるハンサム(イケメンではなくハンサムだw)と、テレンス・スタンプは狂気と幻想と妄想の間にいる演技がうまかったなぁとか。

 本映画は3話からなるお話なのですが、1話はなんとなく内容も場面も覚えていました。2話はアラン・ドロンが出ているところと、女性を解剖する場面程度しか覚えていませんでした。そして、3話目は全く覚えていなかったというか、初見のような感覚でした。実際、そうだったのかもしれません。テレビでしか観たこともないので、カットされていたのか、途中で観るのを止めていたのかどうか、今となっては知る由もありませんが。

 3話に共通しているのは、首飾りです。これがどうにかなることで、タイトルのように不可解というか怪奇な出来事が起こっていくのです。

 1話のお話。傲慢で周りを懐柔し思うがままにしている伯爵夫人(令嬢?)であるジェーン・フォンダは、従兄弟であるピーター・フォンダ(実際には弟だw)に惹かれるが、彼を懐柔できませんでした。彼への愛情が憎しみに比例し、部下に命令して彼の馬小屋を放火しますが、それによって彼は亡くなってしまいます。そして、一頭の制御の利かない黒馬がジェーン・フォンダの居城にやってきます。その馬とのランデブーに没頭するジェーン・フォンダ

 馬小屋の放火のあと、ジェーン・フォンダの部屋にあったタペストリーの黒馬が何故か焼け爛れてしまいました。すぐに修復の命令を出しますが、修復が難しくなかなか完成しません。ようやくタペストリーの馬の目が復元されたとき、落雷で燃える草原の中を黒馬に跨ったジェーン・フォンダが突進していきます。タペストリーの馬の目は真っ赤でした。修復した人によると、怒りによって赤くなっているのだと。

 2話のお話。アラン・ドロンは小さい頃は悪ガキでいじめを繰り返していました。そこに、アラン・ドロンと同じ名前の同じ年の子供が転入してきて、アラン・ドロンの悪事を咎めます。二人は学校を放校となり、やがて成長したアラン・ドロンは医学生となりました。

 アラン・ドロンは若い女性を仲間と共に攫って、生きたまま解剖を行おうとします。そこにまたしても、もう一人のアラン・ドロンがやってきます。少年時代は名前が同じだけでしたが、このときは容姿も全く同じでした(役者の都合でしょうw)。解剖されかかっていた若い女性は、二人のアラン・ドロンの登場にびっくりして、結局もみ合って後からきたアラン・ドロンを刺しちゃいます(女性が刺されたのかも、うろ覚えw)。

 また時が経ち、アラン・ドロンは軍人になっていました。あるパーティー会場で、BB(ブリジッド・バルドー)にバカにされてしまったアラン・ドロンはカード勝負を挑み、一晩かけてBBに勝利します。負けたBBは背中を鞭打たれますが、そこにまたもやもう一人のアラン・ドロンが登場し、カード勝負のイカサマを暴露します。イカサマをしたことで、アラン・ドロンの上司の軍人(多分)から除隊を言い渡されてしまいます。

 怒り沸騰のアラン・ドロンは、もう一人のアラン・ドロンとフェンシングで勝負しますが、負けてしまいます。もう一人のアラン・ドロンが去って行こうとしたところを後ろからナイフで刺して殺してしまいます。

 そこで何故か怖くなったアラン・ドロンは、カトリック信者でもないのに教会に駆け込み、もうすぐミサがあるからと断ろうとする神父にむりくり懺悔します。そう、これまでのお話はアラン・ドロンの懺悔の内容だったのです。懺悔が終わると教会の屋上から飛び降り自殺してしまいます。あれはアラン・ドロンドッペルゲンガーだったのでしょうか。

 3話のお話。イギリスの有名俳優となったテレンス・スタンプがイタリアに映画製作のために呼ばれます。ただ、彼はお酒のせいなのか、クスリのせいなのか、正常に世界を視ることはできていないようです。現に何故か白い服を着た少女をいつも見ています。

 映画製作者から贈られたフェラーリに乗って、イタリアの街を激走しますが、どうやらどこか分からない街に迷い込んだ模様。流石に彼も怖くなったのか、ローマに戻ろうとしますが、どう戻っていいのかも分からず。道が分断された道路で、分断先の向こうに待つ白い服を着た少女に会うためにフェラーリを最高速にして向かいますが、道路に張られた針金?によって首が切断されます。その首を白い服を着た少女は手毬として扱います。

 昔の映画の雰囲気を思い起こさせてもらいました。また、随分とお金がかかってるし、手間暇かけてるなーという印象です。

 Blu-rayになって映像も格段に美しくなったそうで、映像に訴えるような作り方をする、この映画の3話を監督した、ヴァディム、ルイ・マルフェリーニの作風を堪能するにはいい機会だと思います。