少しネタバレしていますし、disっています。
こんな内容の映画とは思わなかった。お話はかなりヘビィだし、救われないようなラストだし。主人公の最後の微笑で救われたという表現なんだろうか。
お話を要約しますと、ドSで変態でロリコンで執念深く全ての元凶の牧師である主人公の父親が、自分の娘(←主人公のことです)と結婚したいよーって駄々こねる映画です。挙げ句の果てには、孫娘でもいいよーなんて言い出します。最後は娘(主人公です)に焼かれながら射殺されますが、それまでに娘の幸せをかなり奪っております。なんていう親だよ。そんな父親役を、ガイ・ピアースが熱演しております。
主人公の娘役はダコタ・ファニングなんですが、彼女の目力は凄かったけど、個人的にはミスキャストじゃないかなって思いました。なんか浮世離れしている雰囲気があって、地に足が着いていないような感じがしたのです。ただ、彼女じゃないともっと悲惨な内容というか、衝撃が重かったんじゃないかなって思うと、彼女で正解だったのかもしれません。
主人公の娘が母親(主人公のことね)を、色々と立ち向かうタイプの女性だったとかナレってるんですが、いやいや、単に流されるだけの女性だろって。父親との最終決戦でも、義理の父親の家に着いて、そこで一回は父親を自ら出迎えて戦おうとしたけど、その裏をかかれて義理の父親が殺されて、挙句にそこで逃げようとしたりして、ええええ、立ち向かえよって思ったほど、流されるタイプですよ。
あ、でも、住んでる家に来られた後に、父親の寝込みを襲いに行ったな、うん、ごめん。結局、裏かかれて住んでる家を逆に襲撃されていて、配偶者が襲われてしまったけど。でも、基本は流される女性だったと思っています。
羊とかの動物や人間の死体の描写はリアルで、グロ好きの方はそれを見るために鑑賞してもいいかもですよ。人が燃やされる場面も何気にリアルっぽいし。でもね、なんか、映画のトーンが統一されてないような気もしました。重厚に写実的に描きたかったのかもしれませんが。
ダコタ・ファニングは彼女の存在自体が浮いてるし(演技が悪いとか彼女が悪いという意味ではありません)、ガイ・ピアースは変態だけど超人的ということで役柄的に浮いてるしと、メイン二人が浮いてるのに、その他の人物や背景等の描写は重厚で写実的であるというね。私にとっては重くて奇妙な質感の映画でした。