悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ターミネーター:ニュー・フェイト

少しネタバレしていますし、disってしまってるかなー。

 

 

 

 

 一作目の『ターミネーター』は個人的に大好きな映画ですし、二作目(続編)の『ターミネーター2』は映画史に残る大傑作だと思っています。そして、その後に作られた映画のお話はなかったことにして、『ターミネーター2』の正当な続編としてアナウンスされた本作。

 映画単体としてはかなり面白かったと思います。テンポのあるアクション映画として楽しめる娯楽作だと思います。しかし、『ターミネーター』や『ターミネーター2』が好きな方、特に『ターミネーター2』が大好きな方には本作は酷い仕打ちとしか思えない映画ではないかと思った次第です。

 エドワード・ファーロングが出るという前情報がありましたが、ポスターとかに掲載される主要俳優ではないようでチラっと出るだけかと思いきや、(おそらく)『ターミネーター2』のバンクやCG、代わりの俳優を駆使して、『ターミネーター2』当時の姿で登場し、『ターミネーター』登場時より若いかのようなシュワちゃん扮するT-800型(映画で最後に溶解していった型とは別の個体)に映画冒頭で殺されるという内容。いやいやいやいやいや、『ターミネーター2』の続編と言いながらも全力で『ターミネーター2』を全否定していませんか、と。

 しかも、シュワちゃんを出したいためか、ジョン・コナーを殺してから目的を失ったT-800型ターミネーターは、DV被害に遭っていた幼い男の子の母親を助け、20年以上も疑似家族を演じて人の心をある程度理解したとか、おいおいおいおいおいふざけんなよ。『ターミネーター2』でのジョン・コナーとT-800型が徐々に交流を通じて信頼を得てきたあの過程を台無しにしていませんか、と。

 その過程を見せるのではなく、単にシャワちゃんに語らせて終了というやり方もね。そりゃ、そんな過程を見せるとダラダラと長くなるだけというか、一本の映画ができそうではありますが、語らせて終了というテーマでは、特にこのターミネーターというシリーズにとっては簡単に流していいテーマではないでしょう。あ、その過程を描いた映画は観たいと思った(爆)。

 リンダ・ハミルトンが出ることになったから、どうしても外見がシュワちゃんのT-800型を出したかったんでしょうけど。ジョン・コナーが出せないなりに、スカイネットの未来を回避したので今は別のことをやってるなりなんなりとすればよかっただけなのに。どうして殺しちゃうのか。

 ということで、本作冒頭から超絶ブルーな気持ち(絶望ではなくて)で鑑賞に臨まなくてはいけなくなった私の気持ちを、未来から助けに来てほしいくらいです。

 本作単体としては最初に書いたとおり、テンポもよく、改造人間(&伝説の戦士&旧型)対ターミネーターの戦いも面白かったですし、所々数年前の映画でよくあったCGのやっつけクネクネ人間スタイルでアクションしたりであじゃじゃと思う場面がありつつも、飽きさせずに展開させようというところは成功しているように思いました。

 今回の敵側ターミネーターもまたもやメタルグニャグニャ形式で、未来から人側の味方になるターミネーターもそろそろメタルグニャグニャの方が来てもいいんじゃないかな。

 『ターミネーター』と『ターミネーター2』のオマージュかバカにしてるのか、それを匂わす場面とかがあったりして、『ターミネーター』と『ターミネーター2』を好きな人の心を振り回そうとしていたりというのがなんともかんともあざといというか。

 未来から来る改造人間役の人はかっちょよかったと思うけど、一応主人公ポジなのにどうも段々と影が薄くなってきて、シュワちゃん登場後は完全に脇役に回っちゃったって感じで、それが個々の俳優としての力強さ故なのか、演出上の都合なのか、よく分かんなかったですが、あまりおいしい役には結果的にはならなかったかなと思いました。

 原題は『Terminator Dark Fate』なんですね。原題のままでもよかったんじゃないかな。つか、お話的な内容は邦題の方が合ってますが、実際にこの映画がしでかしかたことは原題の方が合ってますね(笑)。

 未来の機械軍団の首領さんは、未来の時代の指導者を過去に抹殺すればいいという思い込みというか刷り込みをそろそろ捨てた方がよいような気がしますね。もしかして、プログラミングに組み込まれていて、どうしようもない欲求でそのような行動に出てしまうのだろうか。未来の時代の指導者を過去で殺すことで、機械軍団も結果的に誕生しないことになったという映画もあってもいいような。指導者が実は機械軍団の開発者だったというベタな設定でいいから。

 スカイネットさんも今回のリージョンさんも、どうして人類を抹殺したがるのかとか、どうしてターミネーター型の兵器を作ってしまうのかとか(人の格好をさせて潜入させて人類壊滅よりも総攻撃した方が早そうなのに)、メタルが好きなのはどうしてなのか(←意味が違うw)。