悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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2020年の全日本プロレスの通信簿

 通信簿なんて書いちゃいましたが、2020年の全日本プロレスがどうだったのか、勝手に上から目線でだらだらと感想を書いてみます。予想以上に長くなってしまいました。

 

秋山準選手のレンタル移籍について

 先ずはこれから書かないとダメなんでしょう。個人的には、全日本プロレスにとっても、秋山選手にとってもいい選択になったんじゃないかなと思います。秋山選手にとっては、社長というか取締役も解任されて(これ自体は仕方がないと思いますが)、一選手としても居心地が悪くなっていたところに、WWEのコーチの話がありながらコロナ禍によって流れてモチベーションも上がらなくなっていただろうし、気持ちもどうやって何に向けていいのか見失っていたんじゃないかなと思います。そういうタイミングで、DDTでコーチもできるし、もう一度トップに絡む選手として自分がどこまでできるのか新しい環境で試せるっていうのは、もう願ってもないポジションだったんじゃないかなと。

 秋山選手は自分で居場所を作るという行為ができないというか、そういう認識が薄い、意識が低いんだと思う(それが悪いという意味ではなく)。最初に全日本プロレスに入団したときも居場所を作ったのはG馬場社長やJ鶴田選手だったろうし、ノアに移籍というか旗揚げしたときも三沢選手や小橋選手が作ってくれたようなものだし。全日本プロレスの社長という居場所を与えられたのも、馬場元子さんがそういうポジションを作ってくれたからだし。自分の居場所は今まで第三者がお膳立てしてくれていたし、それを受け入れるだけでよかった立場の、所謂勝ち組だったので、自ら作るという発想が必要なかったからだと思います。ノアを退団して全日本プロレスに再び上がったときくらいじゃないでしょうか、彼自身が自ら居場所を求めて作ろうとしたのは。いや、彷徨っただけか……。

世界ジュニアヘビー級王座

 前半はドラゴンゲートの横須賀ススム選手が、前王者の故青木篤志選手の気持ちを汲みつつ、「これまでの全日本プロレス」と「今の全日本プロレス」に最大限のリスペクトをもって、王者として素晴らしい戦いを展開してくれました。

 それを引き継いだ岩本煌史選手は、世界ジュニアヘビー級王座を用いて若手選手の壁となって盛り上げてくれたと思います(日高選手は若手じゃないやw)。それは団体としての事情もあることですが、岩本選手としては王者として少し引いたポジションになってしまったかなと。このベルトをどう高めていくかという部分に注力できなかった面は否めなかったかな。彼の責任ではないですが。

ノータップスライジン

 あすなろ杯に全勝優勝した田村男児選手は、自らの戦い方を実践できるようになり自信も付いたようで、試合運びもドタバタすることがなくなりましたが、それで満足しちゃってたような印象を2020年後半には受けました。それを活用してどうプロレスを見せていくかが今後の課題でしょうか。

 大森北斗選手はアンファンに加入したりと好き放題やっていますが、彼のキャラにも合っていて(というかそういうキャラにしているんでしょうけど)、このまま突き進んでほしいと思います。最近の全日本プロレスにはいなかったリアル嫌われヒール路線なので、いいんじゃないかなと思います。デブっちょにならないよう配慮しつつ、もうちょっと体の厚みが増せば、ヘビー級に転向でもいいような気がします。

 ライジンHAYATO選手は、折角年当初に愛媛プロレスから3ヶ月の修行ということで全日本プロレスに来たのに、コロナ禍の影響をもろに受けてしまった形になり、どうなることかと思いましたが、あすなろ杯に参戦や、その後も全日本プロレスに定期的に参戦していったことで、パンクラスMISSION所属の佐藤光留選手と同様に、もう全日本プロレスの一員として団体もファンも認めていると思うので、これからも全日本プロレスには上がり続けてほしいですね。

 青柳亮生選手は、年初に怪我したり(これはある意味コロナ禍で影響はそんなになかったけど)、あすなろ杯は全敗してしまったりと散々でしたが、それをバネにして、持ち前の運動能力を遺憾なく発揮する方向に吹っ切ったことで、ムーンサルトプレスやファイヤーバードスプラッシュといったとんでもない武器を得ることにも成功し、若手4人の中で結果的に頭ひとつ抜き出た存在感を示したと思います。これからのジュニアヘビー級の中心選手になってくると思います。身長もまだ伸びているような気がしますので、2年くらいジュニアヘビー級戦線で活躍し王座も獲得した後は、海外武者修行という名の肉体改造時期を経て(実際に海外に行かなくてもいいですw)、ヘビー級戦線に参加してもいいかもしれないですね。

陰湿ブルー

 青柳優馬選手が自ら自身を表現した言葉「陰湿」ですが、TAJIRI選手がGAORA王者時代に青柳優馬選手はナチュラルヒールな選手で、GAORA王者になれば面白い存在になると発言していたことが裏付けされた感じでしょうか。

 ただ、フリーで参戦してきたアンファンの芦野選手にシングルマッチで寝かせられたりと、これからの全日本プロレスを担っていく選手の商品価値を下げるような扱いを団体からされてどうなるのかと思っていましたが、芦野選手へはチャンカンで雪辱し、NEXTREAM再結成からの世界最強タッグリーグ戦優勝(その後世界タッグベルトも奪取し暴走大巨人を解散に追い込みました)と、その後の活躍でなんとか帳消しというか、商品価値をあまり落とさずにすんだ結果になったかなと。ただ、彼にはこのポジションで留まってほしくはないので、一気にトップまで駆け抜けてほしいし、そうならないとこれからの全日本プロレスは今以上に苦戦していくと思いますね。

三冠王者

 宮原健斗選手が防衛回数単独トップを目指しましたが、諏訪魔選手に負けて陥落。あまり動けなくなった諏訪魔選手を三冠王者に据えてどうしていくんだろうと思いましたが、コロナ禍もあり試合数が減ったことからか、諏訪魔選手の魔王振りをなんとか見せ続けて、結果としてはよかったんじゃないかなと。

 宮原選手を陥落させたのは、ベルトを持っていると難しい動きをさせたかったからかなと思ったりしましたが、実際はどうだったんでしょうね。2021年の早い時期におそらくまた三冠王者になるだろうとは思いますし、なんだかんだ言って宮原健斗全日本プロレスのエースであり顔であると団体側も認めたプロモーションを未だにしていますしね。

Enfants Terribles

 実質、はぐれWRESTLE-1軍みたいなものですが、大森北斗選手の加入によって、かろうじてその面影を排除することに成功したかな。参戦当初は勢いがありましたが、それが持続しなかったのは全日本プロレスの事情もあるだろうし、仕方がないことでしょう。羆嵐選手や児玉選手は全日本プロレスの戦いの中でも存在感を放ちましたが、芦野選手はちょっと中途半端というか。諏訪魔選手が彼のことを買ってはいますし、勿論、芦野選手自身は素晴らしいプロレスラーであることに依存は全くありませんが、全日本プロレスの中では彼の存在自体は合わないのかなと思ったり。いや、合わないというよりも、他の選手との兼ね合いもあり難しいのかなと(ヘビー級とジュニアヘビー級の区分の問題です)。WRESTLE-1の中でこそ、彼のプロレスラーとしてのキャラは活きたんだよなと再認識してしまったり(これは多分、ノアを主戦場にした稲葉大樹選手にも言えることのような気がします)。同じ元WRESTLE-1のイケメン選手の予定外の参戦継続の影響も大きかったかな。

Jr.TAG BATTLE OF GLORY

 佐藤光留選手、ありがとうございます。彼の立場だからこそできたとも言えるのかな。

GAORA TV王座というよりもヨシタツ・キングダム

 ヨシタツ選手は、異論は色々あるかと思いますし、好き嫌いも当然あるかと思いますが、今の全日本プロレス所属選手の中で、一番全日本プロレスを愛している選手だと思います。愛し方に問題があるとか、それは置いといて(笑)。

無観客試合と配信

 宮原選手は無観客試合には否定的でしたが、全日本プロレスTVという媒体も持っているのだし(アマゾンプライム配信もありますしね)、コロナ禍の状況が治まっても定期的に継続すればいいと思います。本大会とは少し色分けして、若手選手の試合数の確保や経験のため、それこそGAORA王座を軸にした戦いとか。

岡田選手

 秋山選手を追いかけるために、全日本プロレスを退団してしまいました。彼の選択についてどうこうはないのですが、これまで彼が「生え抜き」というのに拘ってきたのはなんだったんだろうかというのと、結局、全日本プロレスではなく秋山準という人というか看板に魅力を感じていたのかなと思うと、彼には頑張ってもらいたいとは思いますが、応援はしないだろうし、動向を追いかけることはないだろうなと思います。ライバルが見当たらなかったというのも大きいのかな。まぁ、デビュー当初、彼が不満の矛先としていた佐藤恵一選手と同じような道を自ら選ぶとはね。

総論的なもの

 総じて、全てはコロナ禍により計画も何もかも狂ってしまい、それでもどうにか映画『犬鳴村』の収入もあり(ほんまかよw)、チャンカン世界最強タッグリーグ戦も開催できました。そういう意味では、結構頑張ったんじゃないかなと思います。会社の方向性に疑問符もありはしますが、全体としてはなんとかなったのかなという印象です。

 観客を入れての大会の開催もかなりの制限がありながらもできるようになりましたが、以前の状況に戻るにはおそらく数年はかかるでしょう。色々とこれまでとは違ったアイデアも必要でしょうし、辛い決断もしないといけないでしょうが、もう一度、全日本プロレスの特色とは何か、ファンが求めているものは何かという部分に立ち返って、団体運営していってくれればと思います。2021年も楽しませてください。