悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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宮原健斗選手と青柳優馬選手のこと

 今の全日本プロレスのエースである宮原健斗選手と、次世代のエースになるであろう青柳優馬選手のスタイルを、私の視点から書いてみました。二選手とも全日本プロレス所属で、NEXTREAMというユニット(チーム)で共闘しています。

 

 宮原健斗選手は、一言で表すならオールラウンダーな選手です。

 宮原選手の特徴は、誰とでも好試合を展開できること、驚異的なスタミナと高い受けの技術があることです。

 先ずは誰とでも好試合を展開できることについてです。宮原選手は試合中、時速0キロから100キロまで自由自在に速度(テンポ)を即座に切り替えることで、どんな相手とも好試合を繰り広げることができるのです。過去でいえばアントニオ猪木氏になんとなく似ているかもしれません。

 次に驚異的なスタミナがあることです。驚異的というよりも無尽蔵のスタミナと言ってもいいでしょう。宮原選手のファンならご存知のとおり、三冠戦のような30分を超えるタフな試合の後でも、疲れたような素振りを見せながらも息を切らせることなくマイクパフォーマンスを10分以上も繰り広げるなんて、スタミナお化けという言葉は彼の為にあるようなものと言いたいです。これは次に書く受けの技術も優れているということにも繋がります。

 最後に高い受けの技術です。宮原選手はどちらかと言うと防御型の選手で、受けに受けて、耐えに耐えて、一瞬の切り返しから素早い攻撃に転じるという戦い方です。そういう観点から言えば、天龍源一郎氏にも通じるものがあります。新日本プロレス内藤哲也選手もスタミナと受けの技術は素晴らしいですし、共通している部分があると思います。

 全日本プロレスには大きな選手も多く、技も強力ですが、それをずっと受けても故障しないということが、受けの技術が高く、且つ体も強いという証明になるでしょう。私が宮原選手をじっくりと見始めた2015年の秋から今まで、怪我が理由で彼は試合を欠場していません(試合に出ていないのは海外遠征の時だけだったと思います)。これって何気に凄いことです。怪我をしているという素振りも見せていません。これはプロのレスラーは喉から手が出るほど欲しいであろう重要なものです。無事之名馬というやつですね。

 宮原選手は試合中も対戦相手やタッグパートナーだけではなく、観客や中継カメラも全て意識して試合ができる稀有な選手でもあります。これは今の全日本プロレスの中では誰一人としてできていません(おい、言い切っちゃったよw)。プロのレスラーが一番必要な能力であり、誰ともで好試合ができること、驚異的なスタミナ、高い受けの技術を兼ね備えている宮原選手だからこそなのです。

 苦言があるとしたら、試合の終盤で必殺技(フィニッシュホールド)であるシャットダウンスープレックスホールドを繰り出す際の相手選手との攻防で、宮原選手をパワーファイターだと思って見ている人は(実際には宮原選手にも相当のパワーはあると思いますが)ほとんどいないでしょうから、どうして終盤にそんなに力を前面に出した攻防になるんだろうという疑問を抱かせてしまうかな、程度のものです。あ、やっぱりちょっと入場は長いかな(笑)。

 

 青柳優馬選手は、一言で表すなら陰湿、ち、違った、古風なスタイルを現代のスタイルにうまく落とし込んでいるなと感じる選手です。

 青柳選手自体の速度は時速80キロ限定(80という数字は速度を示しているわけではありません)なんだけど、相手が時速100キロのタイプでも時速20キロのタイプでも相手の速度に合わせずに試合が噛み合う、自身の線がブレずにいつもと同様の戦い方ができるタイプです。これは相当な技術がないと無理だと思います。

 相手が時速100キロや20キロである場合はその速度に合わせるのがうまい選手と言われると思うのですが、青柳選手の場合は自身の時速80キロという速度を落とさずにどう合わせるか、どう見せるか、どう見えるかを意識していて試合をしているという印象です。自分をしっかりと客観視できているから、そのような試合ができるのだと思います。

 なんとなく、故青木篤志選手に戦い方が似ているかもしれません。弟子というか、青木選手は全日本プロレスに入門してからのコーチですから、似てしまうのも当然というか必然なのかもしれません。青柳選手自身も目標にしていたと思います。実際、今の全日本プロレスの道場の若手相手のコーチをやっているくらいですから、青木選手から意識的に受け継いでいる部分もあるでしょう。

 また、最近は自分のキャラ(というか本音?w)をうまく利用して試合に溶け込ませることができるようになってきました。これは、NEXTREAMの活動で宮原選手の試合を間近で吸収してきたことがかなり大きいのではないかと思っています(裏切りのジャーマンから前面に押し出してきましたね)。

 青柳選手がデビューして一年後くらいから今まで見続けていましたが、正直、彼がここまで化けるとは思いませんでした。野村直矢選手の方が、従来というか昭和の終わり頃からの全日本プロレスの選手のタイプに近いので、数年後には野村選手が中心となっていて、青柳選手はその丁度よいタッグパートナーくらいのポジションに落ち着くのかなと思っていました。それは器用貧乏な選手だなという印象が数年前まであったからです。

 野村選手が怪我で欠場中ということもありますが、そこで自分自身がもっとやらないといけないという意識がより醸成されたのかもしれません。TAJIRI選手によると、元々ダーティーファイトができる王者タイプの素質はあったようですから。

 個人的には、器用貧乏な(に見える)ところをポジティブに伸ばしてもらいつつ、もう少し体を大きくしつつも脂肪は絞ってもらって(やっぱ主役はある程度シュッとしていてほしいなという個人の嗜好ですw)、子憎たらしさを全面に出しつつ、宮原選手とは違う形でどんなスタイルの試合にも対応できるような選手になってもらいたいですね。彼が全日本プロレスの次というか、もう今年の後半にはエースとして活躍するくらいにならないとダメだと思います。