悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ザ・クーリエ

disっています。感想は勿体ないなーの一言ですよ。

 

 

 オルガ・キュリレンコ主演、ゲイリー・オールドマン共演の映画をAmazonプライム・ビデオにて鑑賞しました。「未体験ゾーンの映画たち」枠で劇場公開されていたんですね。簡潔に言えばゲイリー・オールドマンの無駄遣い振りを楽しむ映画で、それはそれで自分好みだったりします(笑)。いい場面や展開は幾つもあるのに、点が線になっていなかったのが勿体ない。ほんとに勿体ない。

 映画の冒頭は、この映画のクライマックス前の場面から始まります。おそらく、最初の展開がトロいというのは製作陣も分かっていて、掴みの部分を先に流して興味を惹きつけるという手法を選択したのでしょうが、この展開も含めてですが総じてこの映画は編集が下手だなという印象が残りました。勿体ない。

 ゲイリー・オールドマンを下手にキャスティングできたもんだから、彼の出演時間を割かないといけないことがこの映画の足枷になってしまったと思います。重厚ながらもこの映画のクオリティに合わせた演技をしているゲイリー・オールドマンですが(ほんまにそれはそれで凄い)、主演のオルガ・キュリレンコとはとうとう直接出会わず(ゲイリー・オールドマンはニューヨークにいる設定だし、オルガ・キュリレンコはロンドンにいる設定ですしね)、彼独自の世界観を構築しつつ終了というのはそれでよかったのだろうかと疑問に思いました。勿体ない。

 登場人物はそれぞれ個性的で凄くいいし、演じている役者さんも素晴らしいとは思うのですが、それがどうも活かせていないというか。裏切る女性捜査官も含め、ゲイリー・オールドマンの娘とか、娘にちょっかいかけられる捜査員とか、殺し屋の人とか本当にいいキャラなんですよね。キャラ設定もキャスティングもいいのに、それらが融合されてなかったのは勿体ない。

 また、人体破壊場面が何箇所かあったりしました。個人的にはいいぞもっとやれと思ってしまいましたが、全体の雰囲気には合ってないような唐突感もあったりと、そういう部分でもやはり勿体ない。

 バトルはなかなかリアルな感じで、相手が主人公より体格に勝る屈強な大男が多かったりしたこともあってか、女性としては大柄なオルガ・キュリレンコであっても、主人公無双もなく見せていたのはよかったと思います。何気にオルガ・キュリレンコも177cmあるのに、劇中ではそんなに彼女の背の高さを感じさせないほど、ほかの役者さんも高身長の方を揃えられていたようです。そこからもう少し工夫があれば尚よしだったんですけどね。やっぱり勿体ない。

 敵側が主人公を殺したいのかそうでないのか、行動論理が不安定になるのもうーんという感じでした。別に捕まえなくても脅威となっている主人公を殺した後に、素人(一般人)の証人を時間的制約がある中だけど探して殺せばいいだけだったし。結局、主人公を尋問しても吐かなかったから(まぁ、証人を誘き出すという作戦でそれは成功したんだけど)殺そうとしたりで、作劇の都合に振り回してしまった結果になってしまったのが勿体(以下ry)

 最後の場面はギャグでしょう。と書いていたのですが、数日経ってどんな場面だったかすっかり忘れました(爆)。続編を作れそうな設定ではあるのでいつか作られるかもしれないですね。

 オルガ・キュリレンコはいい役者さんだとは思うのですが、私の中では彼女自身の代表作みたいなものがないよなと思ってしまう役者さんでもあります。この映画の勿体なさの全開に、そんな彼女が妙にマッチしていたのは皮肉なんでしょうか。