悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024@りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

レイジング・ファイア

ドニー・イェンニコラス・ツェーのファンの方なら必見の映画と言い切れます。

 

 

 

 

 ドニーさんの警棒バトルもあることから『SPL/狼よ静かに死ね』のドニーさん版バート2の趣の映画かと思いましたが、シリアスさをSPLから引き継いだ『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(こちらもドニー・イェン主演、ニコラス・ツェー共演で兄弟の設定です)の続編というか兄弟喧嘩編の映画という感じでした。

 いつもの皆さんが役柄と立場を変えて登場します。それだけでもご飯を何杯もってわけじゃないけど、2杯くらいは食べられます(笑)。肉弾バトルも凄いですが、銃撃戦も凄まじいです(手榴弾怖いよー)。シリアスさが苦手な人でもアクションだけ追っていても十分に楽しめるとは思いますが、物語の展開も重いけどなんか惹きつけられるんですよね。『SPL/狼よ静かに死ね』や『導火線 FLASH POINT』が好きな人(というかその映画でのドニーさんのキャラクターが好きな人)はかなり楽しめる映画だと思います。個人的にはこういう映画をもっともっと観たいです。

 製作設計的には、ニコラス・ツェー側の視点でのテーマ構築だったように思えます。ただそれだけでは色々と問題が出そうなので、表裏一体的な立場でドニー・イェンの演じたキャラクターを設定し、一応主人公ポジションに座らせてわざと視点の中央をずらしたのかなという印象を受けました。それによって映画に重厚さが出たのは計算していたのか計算外だったのか分かりませんが。テーマ的にはよくあるものなので、ちょっとした工夫をという意図もあったかもしれません。

 正義から悪になったというか(闇堕ち)、正義の暴走から結果的に悪になったというよりも、正義を拗らせた者同士の対決に思えました。拗らせた者同士だけど、軸足だけは正義に置いたままなのか(ドニー・イェン側)、(正義側から見ると)悪に置いしてしまったのか(ニコラス・ツェー側)、二人の違いはそこだけだったような、そういう印象です。

 シリアスで重い話なのに、本映画の監督であるベニー・チャン氏が亡くなれているということから、エンドロールで撮影中の写真が流れるんですが、なんか昔の香港映画のNG集のようでもあり、映画の雰囲気というか余韻には合わなかったように思い、気持ちがモヤりました。映画と追悼は別ではないでしょうか。そこはしっかりと分けてほしかったです。それだけが残念でした。