悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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芦野祥太郎選手について思うこと

 現在、全日本プロレスでは世界最強タッグリーグ戦を絶賛開催中ですが、そこでGOA(グングニル・オブ・アナーキー)のメンバーとして、同じユニットの本田竜輝選手と出場していた芦野祥太郎選手が、右肩鎖関節脱臼により欠場する運びとなりました。芦野選手のプロ格DXの日記によりますと、四週間程度の欠場となる見込みです。ここは焦らず怪我をじっくりと治して復帰してほしいです。

 私が芦野選手を知ったのはレッスルワンからです。当時、まだデビューして2年から3年程度のキャリアの彼が、レッスルワンという団体のエースとなり、団体を引っ張っていってる様は、まさしく孤軍奮闘という印象でした。

 芦野選手は素晴らしい選手です。ムーンサルトプレスもできる器用さがありますし、技も的確で重いですし(素人目からそう見えるという意味です)、力もあって純ヘビー級の選手すらしっかりと投げ切ってしまう迫力があります。

 レッスルワンという団体が活動停止後、全日本プロレスに戦いの場を求め、現在は全日本プロレスの所属選手という形になりました。彼は、小さい人間が大きい人間を薙ぎ倒すプロレスをしたいという旨の発言をしていたと思います。ただ、それが今の全日本プロレスに必要なのか、それを全日本プロレスのファンが求めているのか、というところに個人的に疑問があります。

 私が全日本プロレスのファンを代表することはできませんが、会場とかSNSとかの他のファンの方を見ていたりする中での肌感覚として、そういうことは求められていないように思います。少なくとも私は、今の全日本プロレスにそれを求めてはいません。

 いいにしろ悪いにしろ、今の全日本プロレスの他の団体にはない特徴として、純ヘビー級の選手が揃っているという点が挙げられますし、これまでの全日本プロレスの看板としての伝統を踏まえて、それを売りにしているとも思います。会場で大きな選手がぶつかりあう迫力って、他の団体ではなかなか出せないものだと思っています。

 芦野選手にはレッスルワンという団体を引っ張ってきたという自負とプライド、自身の培ってきた技術と力、そういうものが合わさりヘビー級のトップ戦線で戦いたいという希望を持つのは当然だとは思います。

 芦野選手がイマイチ、今の全日本プロレスファンに受け入れられていように思うのは、レッスルワン時代の設定そのままに、いきなり強キャラ設定で参戦してしまったことに依るのではないかと考えています。

 参戦当初に、全日本プロレスの生え抜きで将来のエース候補である青柳優馬選手との最初のシングルで勝利したり(あの当時の兄上、いや、今の兄上もだけど、を当て馬に使ってはいけないのに、まぁ、現段階ではシングルでは2勝2敗のイーブンになってはいますが)、同じような体格の佐藤光留選手や岩本選手には勝利したりと、ヘビー級でやっていくにはジュニアヘビー級の選手には負けられないんでしょうけど、見ている方からすれば?しか思い浮かばない結果と芦野選手のプッシュでした。外敵選手をプッシュするというよくある手法ではあったんでしょうけど。

 小さい選手が大きな選手を薙ぎ倒す。それを敢えて全日本プロレスでやる。ということを否定はしないですし、反対もしません。求めてはいませんけどね。ただ、今の芦野選手のやってるような強キャラ設定で、普通に純ヘビー級選手と互角ですよっていう見せ方でやられると、他の純ヘビー級選手の商品価値がダダ下がりしてしまうという結果になってしまっていますし、事実そうなっていると感じます。

 全日本プロレスアンファン・テリブルからメンバーが続々と抜けて、ジェイク・リー選手(総帥)が率いるトータル・エクリプスに合流していった時の芦野選手のやられっぷり、負けっぷりはよかったと思いますし、その路線を継続して、たまに必殺のアンクルロックでヘビー級の選手にも勝つという売り方にあの時にでもシフトしていれば、もっと全日本プロレスファンの支持は得られたように思います。

 はっきり言って、芦野選手の今は、独りよがりにしか見えないというか。

 小さい選手が大きい選手を倒すという目標をもとに全日本プロレスに参戦したが、ヘビー級の選手には跳ね返されてしまったので、同じような体格の佐藤光留選手や岩本選手(活動休止中)らと切磋琢磨しジュニアヘビー級を盛り上げつつ(世界ジュニアの王座を獲ったり獲られたりしつつ)ヘビー級戦線にも再度殴り込みをし、タッグではヘビー級の選手相手にも勝つようになってきた、王道トーナメントといった大会でシングルでも偶にヘビー級の選手にも勝てるようになってきた、という段階を踏めば、今よりももっと彼は支持されたように思います。そうなっていれば、岩本選手の活動休止もなかったようにも思えてきます。いいライバルになっただろうなぁという思いがまだ拭えません。岩本選手の無差別的な戦いにももっと注目がいっただろうし。

 私は芦野選手のファンではありませんが、彼は凄いし、素晴らしい選手だと今でも思っています。私がレッスルワンという団体を知り、見始めた時、彼が団体のフラッグシップタイトルであるWRESTLE-1王座を獲得し、当時いたユニットであるトリガーから造反するというタイミング前夜でした(正確にはKAI選手から稲葉選手が王座を奪取したりするちょこっと前あたり)。そして、団体を引っ張るエースになっていく様をリアルタイムで見ていました。正直、レッスルワンという団体を大きくしていこうと思って活動し、それを見える形でリング上で表現していたのは芦野選手だけのような気がします(イケメン選手にもそういう思いはあっただろうけど)。

 その時の自負やプライドが、全日本プロレスでも同じようなことをしようとしてしまったのかなと。まぁ、それを認めた全日本プロレスという会社が一番ダメなんだけど。

 この怪我での欠場中に改めて、芦野選手も全日本プロレスという会社も立ち位置を考えてみてはどうかと提案したい。余計なお世話だし、一ファンが口出しすべきことではないけど。

 最後にまた書きますが、芦野選手はプロレスラーとして凄い選手ですし、素晴らしい選手です。それに異を唱える気持ちはありません。ただ、全日本プロレスという団体での見せ方、売り出し方が双方にとってそれでいいのかという疑問がある、というだけです。