悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024@りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

GLEAT MMA Ver.0

 YouTubeにて観戦しました。GLEATという団体は純プロレスとUWF型のプロレスの二刀流を掲げて運営されているのですが、今回はMMAの興行を行うということで興味があり観戦した次第です。

GLEATというプロレス団体を熱心に追いかけているわけではありませんが、バルクオーケストラのようななかなか楽しいユニットがいたり、プロレスの熱量も素晴らしいし、UWFが好きでしたから、YouTubeでニアライブをやってくれたりもしていることから、時間が合えば観戦しています。

 私個人の感想は上から目線で申し訳ありませんが、大失敗だったなと思います。プロレスラーがMMAに挑戦するのは今更という気持ちもありますが、今回参戦したGLEAT所属のプロレスラーの皆さんが、MMAの試合に出場することをゴールとしていたのかなという印象しか受けなかったというのが理由です。試合に出て勝つとか、プロレスラーの凄さを知らしめるとかそんなことはなく、単に自団体が開催するMMAルールの試合に出ました、MMAに挑戦する姿にいい評価を与えてくださいというお気持ちの表明で終わってしまったのではないでしょうか。

 各試合毎に感想を書いていきます。

――――

OPENING FIGHT

【GLEAT MMAルール5分2R】【契約体重 52.2kg】

○榊原徹(U-FILE CAMP) 1R 1分10秒 三角締め 長谷川暢哉(T-Pleasure)●

 試合が始まったと思ったら、解説は青木真也選手だしで、声ががさがさしてるなー、でも解説は的確だよなーとぼんやり思ってたら、解説どおりであっさりと決まったという感じです。でも、このお二人はGLEATと関係ないですよね(U-FILE CAMPの選手ということで田村潔司エグゼクティブディレクター繋がりだから関係あるってことなのだろうか)。そういうお二人がオープニングマッチでいいのだろうかという疑問があります。お二人がどうこうとか、試合内容がどうこうという意味ではありません。大会全体の掴みを考えるなら、この試合ではないだろうということです。

――――

第二試合

【キックボクシングルール 3分3R】【契約体重 75kg】

○有村脩也(U-FILE CAMP) 判定3-0(30-25、30-25、30-24) 渡辺壮馬(GLEAT)●

 渡辺選手の頑張りや、前に出ていく勇気は凄かったと思うけど、この二人がこのルールでやる意味がさっぱりわからなかったというか。つか、MMAの大会なのになんでキックボクシングルールの試合なんだろう。渡辺選手はUWFルールも含めて色々と挑戦されてはいますが、どれもなんか中途半端というか器用貧乏に陥りかけているような気がします。もうどれか一本に絞って、それに磨きをかけていくという段階に進んでもいいように素人ながら思います。

――――

第三試合【キックボクシングルール 3分3R】【契約体重 46kg】

○菊地美乃里(GONG-GYM坂戸) 判定2-1 (30-29、29-30、28-29) 福田茉耶(GLEAT)●

 これまたキックボクシングルールの試合です。菊池選手が地味強でしたね。判定の差以上に実力差はあったと思いますが、福田選手にとって勝てない相手でもなかったなという印象です。福田選手がこういう試合形式に慣れていない(初めて?)というのが主な敗因だったのではないでしょうか。ただ、福田選手は判定負けだったとはいえ、果敢に攻めにいってたし、今回のGLEAT所属のプロレスラーの中で唯一試合を勝ちにいってた選手なので、泣くことなく胸を張って顔を上げていいと思うんですけどね。本当に泣かないといけない選手はほかに沢山いましたから。

――――

第四試合

グラップリングルール 10分1R】【契約体重 75kg】

中村大介(夕月堂本舗) 1R 6分6秒 肩固め 飯塚優(GLEAT)●

 楽しみにしていた試合の一つでしたが、飯塚選手が何もできずに完敗でした。なんか、飯塚選手が自ら負けという名の渦中に巻き込まれていった(最初から負けが決まっているとか、わざと負けにいったという意味ではなく)ような試合でした。飯塚選手が負けるべくして負けにいった試合と言えばいいのかな。そして、この試合もMMAではなくグラップリングルールの試合です。MMAの大会の意味とかって一体……。

――――

第五試合

グラップリングルール 10分1R】【契約体重 無差別級】

○関根”シュレック”秀樹(ボンサイ柔術) 判定3-0 (10-9、10-9、10-9) 田村男児全日本プロレス)●

 こちらも全日本プロレスの田村男児選手の試合ということで楽しみにしていた一戦です。関根選手もたまに全日本プロレスに参戦されていたりします。この試合もMMAの試合形式ではありませんし、どうしてこの場で組んだのかわかりませんが、GLEATではなくハードヒットですよねっていう気持ちが最後まで拭えませんでした。試合自体は田村選手が頑張って時間切れまで食らいついて判定に持ち込んだという印象です。私は結構楽しめましたけど、こういう試合ってどういう層に需要があるのかなとも思った試合でした。

――――

第六試合

【GLEAT MMAルール 5分2R】【契約体重 無差別級】

佐藤光留パンクラスMISSION) 中止 大成(FREE)

 こちらの試合が一番の楽しみだったのですが、2日前の天龍プロジェクトの試合において佐藤光留選手が負傷し、試合そのものが中止に。佐藤光留選手は数年振りの怪我での欠場です。この試合が実現していたとしても、これもGLEATではなくてハードヒットの範疇ですよね。うーん。

――――

セミファイナル

【GLEAT MMAルール 5分3R】【契約体重 無差別級】

和田拓也(FREE) 1R 1分37秒 TKO 田中稔(GLEAT)●

 和田選手がどこまで田中選手に付き合うのかというのが興味深い一戦でしたが、和田選手が愚直に勝ちに拘り、圧倒的な差で勝利したという感じです。本大会の中で一番MMAっぽい試合だったように思います(というか、MMAの大会なのにMMAルールが半分しかないなんて)。実力差があり過ぎましたね。MMAの試合が10年振り位の和田選手と、ほぼ初めてに近い田中選手をこのルールで戦わせる意味がまたもやわからない。今回はわからないことばかりだなー(苦笑)。

――――

メインイベント

【GLEAT MMAルール 5分3R】【契約体重 73kg】メインイベント

近藤有己パンクラスイズム) 判定3-0 (29-28、30-27、30-27) 井土徹也(GLEAT)●

 井土選手に幻滅したというか、もっと攻めていかないとどうしようもないよねと。勝つ気持ちよりも負けたくない気持ちというか、KO負け・一本負けをしたくないという気持ちが勝っていたのではないでしょうか。近藤選手もどう戦ったらいいのか終始わからないまま、なんか判定勝ちしてましたって感じだったし。

 井土選手が他の試合を見ていたかどうかはわかりませんが、井土選手が勝とうが負けようが凄い試合になっていれば、この大会や実験は成功だったと言えますし、それがメインイベントに課せられた使命なわけです。ただ、井土選手にその意識が全くなかったというのは、関係者からしても残念な結果になってしまったのではと勘繰ってしまいます。

 GLEAT所属のプロレスラーの皆さんや、GLEATという団体、GLEAT MMA Ver.0という大会が、観客やファンに何を見せたかったのか、何を提供したかったのかがさっぱりわからないというか、見えてこなかったというか。実験と銘打ってはいますが、何のための実験だったのか、どういう系統の結果を予測したり見据えての実験だったのか、関係者すらわかっていないまま見切り発車でやっちゃいましたっていう感じを受けました。

 プロレスラーがMMAの試合に出る意味、意義って、今の時代には必要のないもの、というか需要がほぼないものですよね。プロレスラーは強いということを証明するのにMMAを利用するというのなら、MMAに寄り添った試合をするんじゃなくて、プロレスの戦い方をMMAに持ち込むという実験の方がいいような気がします。

 GLEAT所属のプロレスラーの皆さんには、これがいい経験や糧となるのでしょうか。次の大会があったとしても、私は余程琴線に触れるような試合や選手が出ない限り見ないなぁというのが、今の正直な気持ちです。

 GLEAT所属のプロレスラーがこのMMAの大会では誰も「GLEATしようぜ!」という気持ちではなかったということがわかっただけでも収穫なのかもしれません。