悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2017©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶

ドキュメンタリー映画なのでネタバレ的なものはないですが、disってはいるかも。

 

 

 

ドキュメンタリー映画の3Dってないのかな、と思っていたら、なんとこの映画が一応ドキュメンタリーで最初の3D映画かもしれないということをツイッター で教えて頂き、偶然ですが日本での公開も間近だったということもあり、俄然期待値が上がり、公開日を楽しみにしていました。

この映画は、南フランスで1994年に発見されたショーベ洞窟にある世界最古と言われる壁画を、今回初めて研究以外の目的でのカメラでの撮影が許可された、洞窟と世界最古の壁画、それに関わる人達へのインタビュー等を含めたドキュメンタリーです。

3D 映画は近年増加傾向のように思えますが、別に3Dにする必要はなかったよねっていう感想をよく見掛けます。3D映画は通常の映画よりも割高だったり (TOHOシネマズの場合、通常料金:1,800円、3D映画メガネ付き料金:2,200円)、レイトショー等の割引サービスが適用されない場合もあり、 2Dと表記される通常の映画が併映されている場合は、敬遠されることも多いように見受けられます。

僕は、ここ一年ほど、映画館で映画を観ることが昔のように多くなったのですが、付加価値を求めるという欲求からも、3Dで公開される映画は3Dで観ることにしており、これまでも幾つかの3D映画を観てきましたが、未だに飛び出るだけとか、遠近感(奥行き)の表現だけといった感じで、確かに3Dにする必要はなかったよねっていう映画が多かったように記憶し ています。

個人的な3D映画の利点は、字幕が画面に浮き出たみたいになって読みやすい(人によっては読みづらいという意見もあります)のがいいなぁというところなんですが、それしか利点が浮かばないっていうのも、問題アリですよね。

この映画を観て、3D映像という表現手段の可能性を感じたと同時に、技術面や想像面(制作側も鑑賞側も)での現時点での限界というのも改めて思い知らされるという、複雑な心境になりました。3Dは、モノクロからカラー、無声からトーキーという変革に続くものだという見方もあるようですが、そうなるには、大きな発想の転換(それこそ、パラダイムシフト)が必要なのではないかなと感じました。

映像は確かに綺麗ではあったのですが、結局、立体感というか、奥行きを出すということに囚われすぎていたような映像にも見えました。そういったことから、この映画は、3Dという映像技術をどう映画に利用していけるのか、組み込んでいけるのかという実験作であって、商業映画として公開する領域のものではなかったと思います。映像と書いた理由もそこにあります。 率直に言って、映画にはなっていないなという感想を抱いたからです。これは僕の感覚的な捉え方なので、説明するのが難しいのですが……。

「3Dを使える」と「3Dを使わないといけない」という方向性は別のものでしょう。ただ、3Dを鑑賞するには、現時点の技術では、鑑賞側(特に観客)に3D専用 のメガネ装着という強制があり、制作側としては、観客への強制を有することによって、3Dを一部分にだけ使うということへの鑑賞面での不満が出る恐れと、営業面でのアピール度の低下に繋がることにもなり、それなら効果があろうがなかろうが、全編を3Dにしてしまった方が楽という側面が、「3Dを使わないと いけない」という方向にしか道がないようにしてしまっているという現状もあるでしょう。今はまだ「3Dを使える」という方向性も選択肢に入れるのは、制作側にとっても鑑賞側にとっても、受容出来ない部分かもしれません。

日本語ナレーションにオダギリ・ジョーを迎えていますが、この映画の雰囲気に合ってなかったというか、軽い印象を与え、映像から受ける少し硬い質感を上滑りしていたのではないでしょうか。出来れば字幕で観たかったです。受ける印象が変わったかもしれないなと思うからです。