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悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2016©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

ディヴァイド

※かなりネタバレしている上に、かなりdisってます。自分でも少しは押さえろよっていうくらいdisっています。




久々にスクリーンでマイケル・ビーン(あの『ターミネーター』の主人公のカイル・リース役の人です。『エイリアン2』にも主要メンバーで出ています)を観ました、流石に老けてますよね。仕方がないことですが。

じゃなくて、かなり勿体ないというか、残念な映画でした。僕が想像していた方向じゃなかったっていうのもあるんだけど、作り方にも問題があったような気がします。

物語は、アメリカの某都市(多分ニューヨーク)がどこかからのミサイル?攻撃にあいます。あるアパート(日本では普通のマンションにあたるのかな)の住民達数人は、地下?にあるコインランドリー兼アパート管理人の家(シェルターらしいです)に逃げ込みます。アパートの管理人(マイケル・ビーンが演じています)は、イヤイヤ悪態をつきながらも逃げ込んだ数人に食料や水を与えます。

アパートの管理人は、これをムスリム集団の攻撃だと断定しています。っていうか、アメリカ映画は怖いもの知らずかよ(笑)。最近、某国とかいう表現じゃなくて、ズバっと国名とか言っちゃうもんねー。この映画の中でも、北朝鮮っていう国名もネガティブな意味で出してるし。

この後、扉を締めて外部との接触を断つことによって、外では一体何が起こったのか・起きているのか、というのが、登場人物にも観客にも提示されないのです。ここら辺りまでは、グイグイとテンポよく引っ張っててよかったんですけどねー。

数日?後、白い防護服で武装した集団が突入してきて、篭っていた少女を攫っていきます。残っていた数人も反撃し、突入してきた防護服集団のうち三人を屠ります。そこから防護服をひっぺがして(ヘルメットを取ると後頭部から血液ドバァーですよ)、色々と調べたりするわけです。本当にね、ここら辺りが絶頂でしたね。これはごっつ面白い映画ちゃうけって思ったんですよね。

外の様子も知りたいということで、一人が防護服を着て出るのですが、なんと、ウイルス感染映画とかでお馴染みのビニールの通路で覆われているんですよ、扉からすぐ外が。ビニール通路を辿っていくと、防護服を着た人がほかにもいて、なんか作業してはるんですよね。手術室みたいな感じで、薬品とかも置いてあるし。更に進むと、少年少女がつるっぱげにされて、両目をテープで防がれて、冷凍保存っぽい感じで数体閉じ込められていて、その中に攫われた少女もいました。

もうね、ここら辺りで、このSFっぽい感じがどう展開していくのか、閉じ込められた登場人物とどう絡んでいくのか、期待でドキがムネムネでしたよ。

少女を発見して思わず声を上げてしまったことで正体がバレて、ほかの防護服メンバーに襲われたので、反撃しつつシェルターに戻ります。何故か、この後は、普通の密室に閉じ込められて、だんだんと狂っていく様を描く、普通の映画となります。

あれ?あの防護服集団とかの意味は?そんなん関係ないよってこと?ほへ?ってな僕の戸惑いに配慮もなしに(爆)、映画はどんどんと密室にいる人間が、いかに狂っていくかという様を、ダラダラとある意味リアルに描写します。

多分、人が狂っていくのってこんな感じなんだと思いますよ。役者陣も熱演してますしね。でも、僕が観たかったのはそんなんじゃないんだよー。あの外の世界はどうなってるのかっていうのを観たかったんだよー。

結局、狂っていくっていう描き方も、独裁者っぽくなろうとする者、日和見主義な者、憤るけど何もしない者、只のアホとか、ステレオタイプな配置でご苦労様って感じで、展開も予想出来て、面白みも何もなくなっちゃったんですよねー。イライラしてただけでしたよ。

人が狂っていくっていう様をリアルに描きたいのはわかるけど、SFっぽい味付けはなんだったんだよ。そんなん使わなくても、この映画は展開出来たでしょ?それがテーマなら。で、最後に主人公が脱出したら、崩壊した都市があったっていう方が、まだよくあるパターンだけどインパクトはあったと思うんですよねー。

それともう一つ作り方が下手というか、なんでそういう風にしていったのかよくわからへんのが、一応最初から中盤までは群像劇なんですよね、『仁義なき戦い』みたいなね。最初は、マイケル・ビーン(の役柄が)引っ張っていってはいるんですが、菅原文太的な位置付けだし。それがね、中盤から最後にかけて、元薬物依存症の、元弁護士を婚約者に持つ女性が主人公になるんですよ、完全に。確かに、一番最初に画面に登場したのは彼女だけどさぁ。

そうする展開というか手法が悪いわけじゃないんですが、この映画ではそれがごっつイビツに感じるんですよね。リアルに人が狂っていく様を俯瞰的に描いているんじゃなくて、主人公の視点を通して観客に提示するってことになってるんですよ。わざとそうしてるのかな、とも思っていたんですが、どうやらそうじゃなかったみたいで。実は主人公が狂っていました、実は主人公の夢でした、っていうオチならこのやり方もわかるのですが。

わざとやったとしても、特に大きく物語が展開するわけでもなかったので、効果的ではありませんでしたね。そうそう、SF的な展開の匂いをまだ感じさせている間は群像劇で(まだ登場人物は狂うまではいっていない)、完全に閉じられた世界になってからは主人公視点(登場人物は狂い始める)になってるんですよね。

物語の組み立て方とオマケ程度に付けた強引なSF的要素、ディストピア要素に、本来の物語が喰われちゃったのかなぁ。主人公視点になってからも、特段主人公が活躍しない(という印象を強く与えるような演出)ので、やっぱ、ワザとそうしたわけじゃなさそう。

あ、主人公が液体うんこの中を、防護服を着てですが、かき分けて脱出するっていうアイデアはよかったですよ。うん(こ)うん(こ)。ほんまにそういう場面が最後にありますから。

この映画にも、「真実か挑戦」ゲームが出て来るんですが、向こうではポピュラーなゲームなんでしょうかねー。それをそのまま題材にした映画もツマらんかったですけどね……。