ネタバレしています。disってはいませんが、それほど面白かったわけではありません。
アル中で壊れてしまった女性、過去を引きずり壊れてしまった女性、巻き込まれていくことによって壊れ始めた女性、それらの原因を作った悪魔な男性のお話です。
主人公役のエミリー・ブラントの、アル中で壊れてしまった人間の演技がかなり怖かった。もうこれってホラー映画じゃないか、とも思ってしまいました。映画でここまで怖いと感じてしまったのは、かなり久し振りです。また、エミリー・ブラント以外の主演俳優の演技もよかったです。
原作は未読ですが、お話としては、小説ならこのような流れでいいのでしょうけど、映画としてはかなり停滞してしまう展開だったなと。そこを、俳優の演技力と、映画世界の雰囲気作り、窒息しそうなくらいの閉塞感を映像に焼き付けることで、あまり感じさせないようにしていた手腕は素晴らしかったとは思いますが、効果的であったかどうは疑問です。
原作ありきなので仕方がないのかもしれませんが、事実がわかった瞬間、急激に面白くなくなったというか、オチはそれでいいのかと。そこからの作りも、なんだかかなり雑になってしまった印象を強く受けました。早く終わらせたがっているというか。原作ファンからしたら許せない行為ではありますが、ラストを変えてしまっても、この映画だけの観点で言えばよかったのではないか、とも思います。
刑事が証拠がないといって真剣に取り合わない場面がありますが、それがこの映画の重要な場面でもあります。ここの部分の観客への疑問の投げ方は、観終わった今となってはうまいなと感じさせますが、観ている間は特に重要な場面でもないと見逃してしまうかもしれません。
最後のネタバレをすると、主人公であるレイチェルの元旦那のトムは、数件隣に住む夫婦の妻メガンにベビーシッターをお願いしていますが、同時にメガンと不倫しています。メガンはトムの子供を妊娠し、トムに伝えます。そこで口論となり、トムはメガンを殺してしまいます。事実を知った、レイチェルと現在の妻であるアナに対して、レイチェルに対しては殺そうとし、アナは(おそらく)暴力によって封じこめようとします。しかし、隙をついて逃げたレイチェルをトムが追い掛け追い付いたところを、レイチャルがワインオープナーでトムの喉をグリって形勢逆転。瀕死のトムを、アナは助けるのではなく、自分もワインオープナーをグリってトドメを刺します。
レイチェルは、自分を取り戻したかのように、過去は過去、これからを生きることを誓って、今日も元気にエアー通勤で終了です。いや、エアー通勤ではなくなり、本当の通勤になってるかもしれませんが。