悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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スター・ウォーズ/最後のジェダイ

微妙にネタバレしていますし、disってもいますが、映画としては面白かったです。嫌いな映画ではありません。

 

 

 1回目と2回目(1回目は通常、2回目はIMAX 3Dで鑑賞)でかなり印象が異なりました。1回目は、単体の映画としては面白いけど、スター・ウォーズという看板というか宿命を背負った映画としてはダメかなと思いました。2回目は、1回目の大まかな感想は変わらないのですが、なかなか考えて作ってるようで、実は綻びがいっぱいあるっていうのが、手放しで褒められない映画に結果的にはなってしまったのかな、という感想です。でも、2回目は1回目よりもかなり楽しめました。というか、好きな映画になったかも(笑)。

 よかったところを挙げていきます。

 ライトセーバーをレイから渡され、暫く見つめたのちにポイっと捨てるルーク。笑った。ルークがジェダイというのものを封印というか、自身が最後のジェダイになるんだという覚悟が出ているいい演出だったと思います。

 ルークのジェダイのこれまでを否定するかのような発言。これは、これまでのスター・ウォーズのファンならほとんどの人が思っていたことだと思う。これを、ルークに語らせたのは、重みがあるけど、演出としてはあっさり風味で、結果的に説教臭くならなかったことで、これまでを批判しているという雰囲気にならなかったところですね。あくまでも事実を語っているだけである、という感じで。

 戦闘機と艦隊の戦闘場面は全体的によかったと思う。最初の戦闘場面は、IMAX 3Dでは通常の上映とは迫力と奥行きが段違いというか、別の映画のように思えました。まぁ、IMAX 3Dでよかったなと思ったのはここだけで、あとは通常上映との違いは感じませんでしたが……。

 悪かったところを挙げていきます。

 前作から時間経過は1か月も経っていないとは思うのですが、数年は経過したような描き方になっているところ。実際の撮影がそうであっても、そこは映画の嘘をつかないとダメでしょうに。

 カイロ・レンとレイという新シリーズの主人公二人がかりで、ロイヤルガードごときに苦戦するとは。人数差はあったけど、そこは圧倒的に勝とうよ。それに、アクションがへぼいというか、キレがないというか。これも肝心要の部分なんだから。旧三部作をこういう部分でオマージュしちゃいかん(笑)。

 ルークがライトセーバーを持つときに、左手を上に右手を下にしていたんですが、普通とは逆なので、なんか気持ち悪いんですよね。その持ち方に意味があるわけでもないでしょうし。いや、思念を送っていたということでわざとやったんだろうか。違うだろうなー。EP6で既に義手になってるけど、右手上、左手下でライトセーバーを持ってますしね。

 ポー・ダメロンの序盤からのダメな描き方で(ギャグではないw)、終盤にポーがダメなところを理解してやり方を改めるというか、自分の経験に吸収して肥やしにするという演出はよかったとは思うのですが、ただ、反面教師となるべきレイアや代理司令官の作戦もグダグダなところで、結局、どっちの手法もダメだったじゃんという結果になってしまってるのは、説得力がないんですよね。ここが、最初に書いた綻びの一つですね。

 笑えたところを挙げていきます。

 スノークさんが、あっさりとカイロ・レンの策略にやられちゃうし。弱くねーか(笑)。やられ方は最高でしたけどね、小物感充満で。スノークさんって一体何者なんだろう。ファーストオーダーの最高指導者で、かなり強力なフォースを使ってるんだけど、シスでもないようだし。その割には闇とかなんとか言われてるけど。フォースを理解しているような印象ではあったけど。威厳もあったのに。まぁ、あっさりやられちゃったので、全て台無しですけどね。

 やってはいけなかったところを挙げていきます。

 ルークが、あんな弱いカイロ・レン(ダークサイドに堕ちてもあの程度の強さ)に恐怖を抱くという過程みたいなものが映画として描かれていないのはダメだと思う。だから、ルークが単なる老害と認定されるだけになり、過去のキャラクターをないがしろに結果的にしてしまっている。
 本作が、スター・ウォーズの映画じゃなかったら、よしんばスター・ウォーズの映画であってもローグワンのようにスピンオフでルークじゃないキャラだったら、別に本作の描き方でいいんですよ。偉大なジェダイマスターが、弟子の指導に失敗して、その弟子が暗黒面に堕ちるという内容で。

 しかーし、本作に登場するのは、あのルーク・スカイウォーカーなんですよ。これは、感情論とかではなくて、受け入れる(受け入れられる)、受け入れない(受け入れられない)とかでもなくて、確立しているキャラクター、しかも、世界最大の映画シリーズの象徴的キャラクターを使うという意味を履き違えてしまったということで、やってはいけないことでした。これをやっても許されるのは、ジョージ・ルーカスだけです。いや、彼ですらも許されないかもしれない。そんなレベルのことなんですよ。

 まだ、カイロ・レンがダークサイドに堕ちるまで、ルークが指導に失敗するまでの過程をきちんと描いていたのなら分かるのですが、本作でも前作でもきちんとは描いていません。過程を端折って結果だけ示しただけです。

 本作での全体としてのルークの描き方の平均点を出せば、悪くはない結果が出るとは思います。しかし、0点も多く、その0点を取ってしまった項目が大きな問題となってしまう、そんなキャラでもあり、映画シリーズでもあるのです。

 個人的には、EP6の後のルークは弟子なんて取らないと思いますし、ジェダイの復興も求めてないように思います。レイアの頼みでベン・ソロをジェダイに育てることに同意したとしても、ベン・ソロの心の中に闇があったとしても、ルークは例え魔が差しても寝込みを襲うようなことはしないでしょう。父親であるアナキンを助けて、フォースにバランスをもたらした男が、そんなことをしてしまっては、いや、させてしまってはいけなかったと思うのです。

 本作は、次回のEP9にとんでもない豪速球のビーンボールを投げつけて、EP9はそれを場外特大ホームランにしないといけない宿命を背負わせてしまったと思います。