悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ゆきゆきて、神軍

ドキュメンタリーなのでネタバレという概念を当てはめていいのかどうか。

 

 有名な映画でしたが、やっと観ました。かなり破壊力のある映画でした。

 主人公のおっさんは、国という形やそのルール(憲法とか法律とか)を否定しているのに、自分のやったことに対する責任の取り方が、その国が運営する刑務所で服役することっていう厚顔無恥さで、グイグイと暴力込みで、他人の心の中に土足で踏み込むんだけど、その身勝手さをただ傍観者というか野次馬的に撮影して垂れ流してるだけなのに、立派に映画的な興奮みたいなものが醸し出されているところが凄いと感じました。

 主人公のおっさんの相手方は、日本国という枠組みの中にいる人達なので、それに対する責任の取り方が、その日本国が運営する刑務所に入って自身の自由を犠牲にしますという考え方なら、間違ってるとは言えないのか、な。

 主人公のおっさんは、最初は下手に出て、ちょっと恫喝っぽくなり、暴力を振るって自分で警察を呼び、相手を油断させて懐に入り込むという戦法を、本当にうまくやってるよなって思いました。殆どの相手に対してこういう戦法だし、相手は元々戦う気持ちというか、戦意なんてないんだから、余計に効果的なんでしょうね。そういう観点からは、詐欺師と同じというか。

 ちょっと映画自体の感想じゃなくて、主人公のおっさん自体の行動の感想になっちゃいました。映画の感想としては、佐村河内守氏を題材としたドキュメンタリー(?)映画の『フェイク』と少し似た手触りだったなぁ、と。ただ、『フェイク』自体は味付けがなされた料理で、こちらの映画は味付けせずにそのまま出された料理という、かなり大きな違いはあるのですが。どうして自分は同じ手触りを感じたんだろう。自分でも不思議です。