悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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クロース: 孤独のボディーガード

若干disっていますし、さりげなくネタバレかましています。

 

 


 全体的に俯瞰して物語とか人物を設定していないなって分かるのが弱点か。

 こういう場面を入れたいということだけを重視した結果、登場人物が間抜けになってしまうというよくある弱点は、プロならそろそろ解消すべき。

 ステレオタイプな人物描写は、説明描写を過度に入れずに観客に人物像を提示するのに役立ちはするけど、広がりをもたないという側面もあることは、きちんと理解して取り入れるのがいいのではないだろうか。

 莫大な資産を会社経営者の父親の死去によって受け継いだ娘が、継母の企みによって命を狙われるという展開はよくあるが、この映画での黒幕は継母ではなくライバル企業であり、継母は実は義理の娘のことを大事に思っていたというのは、これまでもあまりない展開だと思われる。継母が義理の娘を大事に思っているという部分を濃く描くとミステリー要素がなくなってしまうというジレンマを解消できなかったのが、物語が中弛みし失速してしまった要因ではないでしょうか。

 低予算なのだろうが、そこは創意工夫で補う姿勢がほしかったところ。この程度で十分だろうという思惑が、観客に透けて見えてしまうのは、観客側としては悲しい。

 主演のノオミ・ラパスは体を張り格闘アクションに取り組み、自身の演技力で演じる役に生命を吹き込んではいたが、物語の展開によってそれらがかなり犠牲になってしまっていると感じた。ただ、こういう点から、ノオミ・ラパスのファンには、期待に添える映画ではないか。