悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ライリー・ノース 復讐の女神

かなりdisってますし、ネタバレしています。

 

 

 

 

 復讐モノは大好きですし、お話も面白そうでしたので、観に行ってきました。うーん、全体のお話は確かに面白いし、主人公ライリー・ノース役のジェニファー・ガーナーは体張って頑張ってるし(殆どスタントなしでアクションに取り組んだみたいです)、テンポはいいのでサクサクと観ることはできるのですが、展開もそうですし、主人公の覚悟が甘々な描写になってしまったりと、バッドエンドではないのにスッキリとしない映画になってしまっていたなぁと思いました。

 スッキリとしないのは、主人公は目の前で配偶者と娘を撃ち殺されるのですが(自分も撃たれます)、その実行犯3人、主人公を買収しようとする犯人側の弁護士、弁護士のターンに何ら反論もしない検事、主人公の訴えを聞かず無罪判決を下す判事、この人達のお陰で主人公が沸点突破して裁判所で暴れて精神病院に収容されそうになって逃げて復讐に繋がるという描写があるのに、この中で実際に殺される場面があるのは、映画冒頭にある実行犯の3人のうち1人と判事だけ。

 おいおいおいおいおい、せめてこいつら全員は殺される場面は必要だろ。殺されたというニュースで済ませるのはどうなのさ。まぁ、実行犯の3人は殺されて観覧車から吊るされているという場面はありましたが。映画冒頭で主人公に殺される実行犯のうちの1人が「ファック」と言い放つのですが、そのセリフ、私が言いたかったですよ。こんなことやられたら、スッキリしようがないですよね。

 黒幕にもボスがいて、そのボスの息子(ボスの使いっ走り)が黒幕のことを小物だと言うのですが、このボスとか組織が物語に絡まないので、単に黒幕の権威がだだ下がるだけで、街の判事や検事まで買収してしまうくらいの力があるのに、単なる街のチンピラに落としてしまっているという雑なところがあったりとかね。

 主人公の覚悟が甘いな思った場面は、黒幕の住処に突撃して黒幕を殺しかけるところで、黒幕の娘が出てきて、自分の娘のことをフラッシュバックしてる間に黒幕に逆襲にあい、殺し損ねるというところです。そこは、黒幕共々娘も屠らないとダメでしょう。覚悟が甘々な描写になっちゃいますよ。

 いやね、自分の娘を思い出したとか、そんな演出であることは分かるし、製作陣は主人公は冷酷な殺人マシーンになったんじゃないって言いたいのは分かっていますよ。でもね、そんな程度の覚悟だったんだって思われてしまうっていうことも、プロなら敏感になって分かっていないと。

 はっきりいって、ここで黒幕を取り逃がすのはいいんだけど、黒幕に娘がいてっていう設定は必要なかったと思う。ここしか出てきてないし。愛人(娘の母親?)に黒幕は日頃からDVしてるみたいで、その愛人を逃すという場面が少し前に出てきているのですが、特に黒幕の人物描写を濃く描くわけでもないので、もう愛人を逃すっていうことだけで主人公が冷酷でないと分かるので、余計な場面だったと思うのです。

 主人公が活動拠点としているハーレムで犯罪が減っているとか、アル中親父を脅して息子とクリスマスプレゼントを買いに行けとか、そういう描写を入れて主人公の人のよさをアピールしてるんだから、本当に余計で勿体ない場面だったと思うのです。

 黒幕を警官に取り囲まれている中で撃ち殺した主人公は、なんとかその場を逃げきって家族のお墓がある墓地へ。そこで死にかけますが、おっさん刑事(汚職警官ではない方)がやってきて、病院へ。ベッドで治療されている主人公ですが、腕には手錠が。おっさん刑事がやってきて、主人公に誰にも分からないように手錠の鍵を渡します。主人公は逃げた、のかなというラストでした。