悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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第九軍団のワシ

※かなりネタバレしてます。



原作は未読ですが、設定というか時代背景というか題材が、ニール・マーシャルの『センチュリオン』と同じなんかなと思って興味を持っていたのですが、大阪で公開している劇場のタダ券をタダで(当然か)貰ったので、観に行って来ました。

物語は、勝手に他人の領土に侵略戦争に行ったローマ帝国の第九軍団5,000人の消息が不明になり、象徴であるワシの像も行方不明になってしまうという出来事がありました。20年後、軍団の隊長の息子は、父親の名誉を取り戻す為に自分もローマ帝国軍の隊長となって、紆余曲折(紆余曲折は自分で確認するのら)あって、ワシの像を取り返すという展開です。

いやーね、主人公が、自分の名誉の為だけに他の部族を殺すという、『レッド・ティアーズ』に引き続き、これまた勧悪懲善な映画でした。続けてこういう内容の映画を観るとは。ということで、あまりノレませんでした。主人公がわざわざ行かなければ、他の部族の人も、その部族なりの平和な生活を送っていたのに。

内容的には、ガチガチのローマ帝国人的な考え方だった主人公が、奴隷との交流や、自身が一時的に奴隷扱いされたりすることで、柔軟な考え方に変わっていって、ローマ帝国が行っている侵略政策を否定(までいくのかな)するっていう教育的な側面もあるんですが、取って付けたような感じでしたね。

地元部族に追われて大ピンチな主人公を助ける為に、元第九軍団の生き残り集団が現れる場面とかは、ほんまやったら結構胸アツな展開なんですが、主人公が勝手にそういう状況を作ってしまっただけなので、さっさとやられちゃえばいいのに、なんて思ってたので、余計な奴らが現れよったとしか思えませんでした。

どちらの視点で物事を見るかで善悪も変わるとは思いますが、今の時代にこの視点はないよなぁっていうのが正直なところです。残酷描写とかもあって、物語の組み立て方によっては面白くなったのになぁ。主人公の成長譚としては主人公の葛藤とかを描いてないし、冒険譚としては起伏がないしねー。