悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024@りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄

軽くネタバレしてますし、disっています。




 ニコラス・ケイジの存在感が、演技力が、映画を面白くなくさせるという、本末転倒なことになってしまっていました。ただ、決してニコラス・ケイジが悪いわけではありません。

 大抵の場合、存在感や演技力のある役者が映画に出たら画面が締まると思うのですが、この映画はもうホラーを題材とした映画ではなく、ニコラス・ケイジがホラー映画に出演したことを眺める映画となってしまったのでした。うーん、こういう印象って初めてだわ。

 要因としては、お話が面白くないというのもあるし、盛り上がりに欠けてしまっていたというのもあるし、登場人物の連携・連動を考えてなかったというのもあるし(これについてはカットとかされていたのかもしれないけど)。いやいや、原因は映画の冒頭で、ニコラス・ケイジのガンマンコスプレなんて過激なことやらかすからだよ(マテw)。

 誘拐された息子の事件を担当する刑事や、ニコラス・ケイジの大学の同僚の教授(?)、霊能者のおばさんとか、結構いいキャラしてるのに、うまく映画の中で連動してないんですよね。

 刑事は、ニコラス・ケイジの霊が絡んでるかもっていう話を一笑に付したわりには、きちんと自分の足で捜査して、自分でもそういう風に思える現場に立ち会ったりしてるのに、それで関わり合いは終了だし。

 大学の同僚の教授は、ニコラス・ケイジの依頼でラスボスの名前を調べてあげた結果、その報いとしてか自分自身がラスボスに殺されてしまうのに、映画の中でのニコラス・ケイジはそれを知らないまま(多分ねw)映画は終了しちゃうし。犬死じゃんか。まぁ、エンドロールでこの同僚は映画的においしい場面がありますが。

 霊能者のおばさんは、ニコラス・ケイジが霊能者連中はインチキ野郎だっていう発言のあとに登場するのですが、やっぱりインチキ野郎かよと思わせておいて実はモノホンだったというおいしい展開なのに、あっさりとラスボスにやられて終了だし。このオバサンも解剖された体の中がうわーって状態になっていて、映画的にはおいしい場面はあるんですけどね。

 よかった場面は、ラストあたりでニコラス・ケイジが幽霊の世界にいって、そこでそれまで連れ去られた大勢の子供達の霊を見るところですね。ビュジュアルがごっつよかったです。

 雰囲気系のホラー映画で、驚かす場面もあんましないので、全く怖さがないので、ニコラス・ケイジは好きだけどホラー映画は苦手っていう人も、大丈夫なんじゃないかな、なんて思います。

 

アトムとピース ~瑠衣子 長崎の祈り~

disってるかもです。




 被爆者3世であり、小学校講師でもある松永瑠衣子さんの目を通じて、東日本大震災が起こったことをきっかけとし、原発原子力のあり方に迫っていくドキュメンタリー映画。と思っていたのですが、実際は、松永瑠衣子さんの目を通じてという部分もありますが、製作者(監督なのかプロデューサーなのか編集者なのかはわかりませんが)の目を通じてという部分もかなり占めていて、大きな焦点は同じ部分かもしれませんが、細かいところで連動していないと感じられて、バラバラになってしまっていたなという感想です。もっと注力したいポイントを明確にして、そこに切り込んでいってほしかったというのが本音です。それと個人的に合わない感触の映画でもあったので、かなり評価が低くなってしまってます。

 一応、この映画の主人公というか、観客視点の代行的存在である松永瑠衣子さんが、途中であんまし出て来なくなったり、存在感が薄れてしまったりという構成は、元々の企画段階から失敗だったんじゃないかと思わされます。

 この映画で怖いなと思ったのは、原発原子力の存在ではなく、「伝えたいことがある」という思いが過度なものになると、それは単なる「押し付け」となり、それが展開、発展していくと「宗教」と同じになってしまうんだなって気付かされたことです。そういう意味ではこの映画には感謝しています(笑)。

 それから、元科学技術事務次官である伊原義徳氏が映画の最後の方でポロっと「止めることは簡単なんですよね」という意味の発言をされるのですが、簡単に止めていいじゃないですかと言いたかったです。止めることの勇気ってかなり大事なことだなと。簡単なことイコール悪いことではないですよね。

 確かにそれまで培ってきた技術を放棄するのには勇気もいるだろうし、それまでの自分を否定されることにも繋がるでしょう。でもね、それで人の命や生活が奪われたり、脅かされたりっていうのがずっと続くという環境ができるのがほんとにいいことだったのかって。

 よく「ブレないこと」が大事だと言われますが、上記のことって「ブレない」ことの悪い副作用ですよね。確かに伊原義徳氏のやってきたことはブレなかったかもしれないけど、それによって起こってしまった(伊原義徳氏が起こしてしまったという意味ではありませんが)悲劇もあったでしょうから。

 ボクは「ブレる」ことも、「ブレないこと」と同じように重要なんじゃないかな、と最近は考えるようになってきました。いや、「ブレる」こと、「ブレないこと」っていう分け方自体がおかしいのかもしれません。

 あっ、映画の感想ではなくなってるな(笑)。まぁ、考えさせられたという点では観てよかったですが、映画としては面白くなかったです。

 

ジェイソン・ボーン

ネタバレしています。無駄に感想文も長いです。




 ボーン・シリーズの新章である『ジェイソン・ボーン』を早速観てきました。その前に予習として、Huluでボーン・シリーズ三作も改めて鑑賞。『ボーン・レガシー』はいいでしょ、観なくても(笑)。ボーン・シリーズの中では唯一劇場鑑賞したし、鑑賞回数も一番多いし、実は。そのおかげか、ジェイソン・ボーン・マニア度はAランク(Aランクが最高)と認定されました。

 ボーン・シリーズの三作を改めて観て、あれ、こんなに面白かったっけって。何度か観ているんですが、これまではどうも印象にあまり残らなかったというか。まぁ、今回は楽しめたのでいいや。これまでのことは全部、『ボーン・レガシー』のせいにしておこう(笑)。

 そういう顛末にしたら、ホークアイさんに矢で射られてしまうので、なんでこれまで印象に残らなかったというか、楽しめなかったのかをちょっと真面目に考えてみたら、最初の『ボーン・アイデンティティー』の終わり方が気に入ったので、そのままジェイソン・ボーンというキャラクターをそっとしておいてほしかったという気持ちが強かったのかなと。わざわざ墓掘人みたいに死体を墓から掘り出だすなよっていう嫌悪感が強くて、続編にノレなかったというのが理由なのかもしれません。

 で、本作ですが、最初っから全開に飛ばしていて、そのテンションは落ちずに最後まで続くので、映画自体が2時間程度というのもありますが、観終わったあとはちょっと疲れましたね。おそらく、お話自体は単純で、しかもよくあるものなので、それを誤魔化すというか、ミステリアスさの向上と緊張感を保つために選択した方法だと思います。

 『ボーン・レガシー』の失敗(でも、レガシーの続編も作られるんですよね)によって、本家本元を登場させることになってしまったけど、ボーン・シリーズの三作で完結してるのに、続きをどう作っていいものかという迷いがずっと残っていたような印象ですが、ボーン・シリーズの三作を観ていなくても楽しめるように作っているのはうまいなと思いました。

 CIAのトレッドストーン作戦の立案者は実はジェイソン・ボーン父親でした。その作戦を実行しないことに業を煮やしたトミー・リー・ジョーンズは、ヴァンサン・カッセルを使ってジェイソン・ボーンの目の前で父親をテロに襲撃されたように見せかけて抹殺。それによって、ジェイソン・ボーンは自らトレッドストーン作戦の被験者?に志願したのでした。元々、被験者としてトミー・リー・ジョーンズジェイソン・ボーンに目を付けていたようです。

 世界に不満を持つハッカーに唆されて、過去三作に登場した(三作目ではプチヒロインの座までゲットw)ニッキー・パーソンズがCIAにハッキングしてジェイソン・ボーンの過去にまつわるファイルを入手。なんで今頃とかツッコんではいけないですよ(笑)。そして、それをジェイソン・ボーンに渡す過程で、今回はとうとうあぼーんしてしまいます。

 ジェイソン・ボーンが表舞台に現れたのを知ったCIAはてんやわんや。過去のいきさつもあり、CIA長官になっていたトミー・リー・ジョーンズは、ジェイソン・ボーンを抹殺しようと躍起になります。また、アイアンハンド作戦(だったかな)という世界監視システムを構築しようともしていました。

 CIA捜査官?分析官?のヘザー・リーは、ジェイソン・ボーンは実は愛国心が高く、CIAに戻りたがっているという結論に至り、そう進言したらトミー・リー・ジョーンズに煙たがられるようになってしまった彼女はジェイソン・ボーンに裏で協力することになります。

 実は、彼女もキャリア志向の野心家であり、トミー・リー・ジョーンズの絡んだ作戦や過去も、ジェイソン・ボーンの存在も彼女自身がのし上がるチャンスと捉えて利用しようとしていたのでした(という設定のキャラだったと思います)。

 最後の場面、彼女は情報庁長官?(CIA長官よりも偉いです)に取り入っていて、ジェイソン・ボーンがCIAに戻らないと言ったらジェイソン・ボーンを殺す?消す?つもりだという意思表明をジェイソン・ボーンには聞かれてしまっていて、ジェイソン・ボーンと密会したあとの彼女のしまったなという表情で終わりです。

 あー、でも、ここは意見が分かれるかもですねー。ボクは書いたとおり、彼女は野心家だと認定しての意見ですが、ただ彼女は情報庁長官の前で言ったことはブラフで本音ではないという解釈もできるかと思います。ジェイソン・ボーンがCIA復帰をやんわり断っても即行動には移らなかったし。やれば自分が逆に殺されるだけという判断ということも考えられますが。ここは、もし続編が作られるのなら、重要なポイントになってくるかと思います。

主要登場人物の気持ち
ジェイソン・ボーン:逃亡生活でしんどいのに、またCIAがマジ絡みしてくんなよ。めんどいな。でも、ちょっと自分の過去には興味はあるんだよねー。
トミー・リー・ジョーンズ:新しいアイアンハンドっていう作戦の構築で忙しいんだから、今更ジェイソン・ボーンなんて出てくんなよ。過去はもう終わったことなんだよ。あっ、でも、この状況を利用してみよう。オレって狡猾、うっしっし。
ヴァンサン・カッセルジェイソン・ボーンのせいでオレは二年間も拷問生活が続いたんだ。必ず復讐してやる。えっ、ジェイソン・ボーンの親父さんを殺したじゃんかって?それはそれ、これはこれだ。
◯ヘザー・リー:トミー・リー・ジョーンズに取り入って偉くなってやる。あ?ジェイソン・ボーン?なにそれうまいの?うまいのか。ならジェイソン・ボーンも取り込んでやる。のし上がってやるぜ。
◯ニッキー・パーソン:腐敗した世界を変えたい。っていうよりも、ジェイソン・ボーンの過去が気になる。今まで生き残れてたんやから、今回も生き残れるわ。

 

CUTIE HONEY –TEARS-

ちょっとdisっちゃってます。




 観終わった印象は、『アイアンガール』シリーズを予算を少しだけ多くして作ったんだなっていうものでした。キューティーハニーを題材とする意味はあまりなかったように思います。オリジナルのアクション映画なら企画が通らず予算もあまり使えないから、キューティーハニースケープゴートにしたって感じです。アクション自体に関しては『アイアンガール』シリーズの方が見せ場もたくさんあってよかったかな。

 レジスタンス側に裏切り人員がいるような描写がありながらも別に誰も裏切らないっていうところとか、ラスボスは感情のないアンドロイドという設定なのにずっと感情むき出しなところとか、ところどころ雑な構成が目に付きました。全体を俯瞰して確認する人が製作者の中にいなかったんだなぁと。この映画の一番ダメなところはそこじゃないかなと思うのです。

 近未来が舞台ではありますが、どうもこういう感じの世界観しかイメージできないのかな。

 途中でキューティーハニーサイヤ人みたいに自分の体を修復していくたびにレベルアップするみたいなことが語られていましたが、それでもラストバトルでちょっとプッツンしたくらいで急に強くなるっていうのもねー。そういうの、もう見飽きましたよ。

 キューティーハニー役の西内まりあさんは、キューティーハニーの格好のときは綺麗なのに、それ以外のときは綺麗じゃないっていうのはわざとなんだろうか。通常状態とハニー状態とのギャップを見せたかったのだろうか。

 アンドロイドだから関係ないのかもしれませんが、何気にアラフォー設定ですよね、この映画のハニーって。ふと映画の途中でそう思っちゃったら、オバサンが頑張ってるんだよなぁっていう意識が抜けなかったですよ、最後まで(笑)。

 三浦貴大氏はいい役者さんではありますが、この映画では無駄遣いでしたね。熱血バカという役どころなのも大きいのですが、一人だけ浮いていたような気もします。

 

三日連続プロレス観戦

 初日は、全日本プロレスの9.17横浜ラジアントホール大会を観戦。この日は、王道トーナメントの二回戦が行われました。会場は、ニコプロとかの中継で観たことはあるのですが、実際にその場に赴いてみますと、想像以上に狭かったです。席数は約320前後設けられていましたが、満員だったと思います(公式発表は330人だそうです)。

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 メインはゼウス選手対崔領二選手で、4月のチャンピオン・カーニバルでも同じ対戦があり、そのときは崔領二選手が勝利しています。個人的にビックリしたのは、このカードをメインに持ってきたマッチメイクです。確かに対戦相手を含めての知名度や、勝負の行方のわからなさはこのカードが一番でしょうけど、秋山準選手対長井満也選手か、諏訪魔選手対滝澤大志選手のカードも、秋山選手や諏訪魔選手の人気、全日本プロレスでのこれまでの実績も含めて、どちらかをメインにしてもいいわけです。安定度だけなら、秋山選手か諏訪魔選手のカードをメインにすればよかったでしょう。実際に、諏訪魔選手の試合もそこそこでしたし、秋山選手の試合もなかなか面白かったのです。

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 だがしかし、ゼウス選手対崔領二選手の試合は本当にメインとしての役割を果たしました。迫力があり、激しい試合に観客も大興奮でした。結果としてゼウス選手の勝利となりましたが、敗者である崔領二選手にも惜しみない拍手が贈られましたし、ゼウス選手も崔領二選手に敬意を表し、また崔領二選手との間に遺恨も何もなく、お互いにプロレスラーとしてリスペクトしているという関係性が観客に感動を与えてくれました。

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 二日目は、WRESTLE-1の9.18後楽園ホール大会です。シングル戦が多いのですが、若手が決起したことによるそれまで所属していたユニットを抜けるための戦いや、タイトルマッチが組まれていたからです。カード的には豪華なのですが、それがプロレスファン内にもあまり届いていないと思われるのが残念です。また、WRESTLE-1の大会の生観戦は初めてでしたが、全日本プロレスと比べて、客層がかなり若い印象を受けました。ただ、色々と工夫や仕掛けをしているのに、それら全ての要素が交わることを拒否しているかのように感じました。

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 肝心の試合でも、技のタイミングのミスや、お互いに見合ってしまって変な間ができてしまうといった場面が多く、盛り上がるところも勿論あったのですが、この大会に関しては試合全体の品質は低かったと思います。別の大会ではそんなこと感じなかったのに。選手全員が悪い意味で緊張してしまっていたのかな。

 それと、プロレス学院の出身者が出ていたりしていますが、お金を払って観てもらえるレベルにはまだ到達していないというのが正直な感想です。ところが、その人達で別団体を立ち上げるということで、何を考えてるんだよって感じです……。

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 試合は微妙に盛り上がらなかったですが、征矢選手が怪我からの復帰戦の相手に元タッグパートナーの全日本プロレスの大森選手を希望し、翌日の全日本プロレス後楽園ホール大会の会場に直訴しに行くというあいさつと、メインのタイトル戦のあとに、昔の新日本プロレスみたいなニューリーダー対ナウリーダーの抗争勃発の場面が一番盛り上がっていたように感じましたが、これはどうなんでしょうねー。

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 最近の盛り上がりがよかったので観に行ったんですが、ちょっと拍子抜けというか。方向性がバラバラというよりも、交わることの恐怖を強く抱き過ぎてるような気がします。土肥選手もあっさりと負けちゃうし。そして、KAI選手はどこに向かうのだろうか。

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 三日目は、全日本プロレス9.19後楽園ホール大会、王道トーナメント決勝戦です。結果的に、予想どおり諏訪魔選手の優勝という筋書きでしたね。そこはちょっと残念でした。ゼウス選手の優勝でよかったように思います。ゼウス選手は、名勝負製造機に近付いてますね。宮原選手は受けの名勝負、ゼウス選手は攻めの名勝負という棲み分けができてるのも素晴らしい。

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 ゼウス選手と秋山選手の対戦は、横浜でのゼウス選手対崔選手との激しい対戦を思い起こさせるものとなり、これまた名勝負となりました。最後は、ゼウス選手のパワーで押し切ったという感じでした。

 カシン選手はモノの卵を持ってきていましたが、それは実は偽物で、大怪獣モノも登場しましたが、イマイチ盛り上がりに欠けていました。映画を観ていないとたぶんよくわからないと思いますよ。

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 大森選手が登場した試合後、WRESTLE-1の征矢選手が登場し、復帰戦の相手のお願いをしますが、大森選手は即答できないと返答を保留。また、征矢選手に対して嫌悪感を抱くファンが多かったのか裏切者コールもあったりして、これまたイマイチ盛り上がりませんでした。バックステージでは、征矢選手の態度に秋山選手が激怒していたようです。大森選手と征矢選手の対戦は翌日にWRESTLE-1の10.9後楽園ホール大会に決定しましたし、なんと秋山選手と征矢選手のシングルも、全日本プロレスの10.9後楽園ホール大会に決まりました。WRESTLE-1はお昼の興行、全日本プロレスは夜の興行となります。

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 セミファイナルは、NEXTREAM対野村選手・青柳選手のタッグでしたが、野村選手、青柳選手が宮原選手に突っかかる突っかかる。特に青柳選手が突っかかりますが、宮原選手もそれに触発されたのか、全開でそれに応えます。場外での宮原選手の青柳選手へのヘッドバッドは音が凄かったです。

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 試合後は、まさかの宮原選手のNEXTREAMへの、野村選手、青柳選手の勧誘。そして、その勧誘に応える二人。唖然というか、ちょっと取り残された感を表情に出すジェイク選手。これからどうなるかが楽しみです。個人的には、NEXTREAMは宮原選手とジェイク選手二人のユニットというイメージが強いので、宮原選手の「NEXTREAMの席は空いてる」という発言には???でした。っていうか、昨年の世界最強タッグリーグ優勝戦のあとのあの光景はなんだったんだよって感じですよ(笑)。

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 王道トーナメント優勝決定戦は、ゼウス選手の健闘空しく諏訪魔選手の優勝となりましたが、これも迫力ある試合でした。これで、諏訪魔選手の三冠挑戦は確定でしょうけど、それをどこでやるか、ですね。諏訪魔選手は大会場と言ってるようなので、11.27両国大会ということになるんでしょうけど、どうなりますことやら。

 三日間連続のプロレス観戦は、観てる方の体力も削られてしまいますが、精神は充足感でいっぱいです。次のプロレス観戦は、全日本プロレスの10.22大阪大会(ゼウス選手のデビュー10周年記念大会)の予定です。

あの場所で君を待ってる

微妙にネタバレしてますし、微妙にdisっています。




 なんとなく映画館のサイトを眺めていたら、かなり好みな内容っぽかったので観てきましたが、うん、なんだろう、この「コレジャナイ感」というか、それでいいのかよという感覚。

 映画としての出来もいいとは言えないのですが、出来の悪いものほど好きになってしまうとかあるじゃないですか。この映画はそれですね。

 物語は単純ではあるのですが、なんかどうでもいいような要素を叩き込んできて、無理くり難しい内容にしようとしているフシがあったように思います。

 ヒロインの祖母(実は父親にとっての叔母・伯母)は、1940年代後半にヨーロッパに絵画の勉強で渡っていたのですが、第二次大戦の余波で国(中国出身です)の親元からの送金が途切れたことからプラハに住むことにし診療所で働くことになったのですが、ゲシュタポによって妻子を殺されていた診療所の医師とフォーリンラブっちゃうのでした。その医師と中国に移り住もうとしたその時、医師の妻が生きていることが判明しました。ヒロインの祖母は結局は自分だけで中国に帰ったのでした。

 ヒロインは、婚約者に結婚直前で婚約破棄されるは、祖母は死ぬわで、傷心を癒やすために学生として祖母が昔に住んでいたプラハにやってきます。それには、1979年に祖母宛に届いていた医師からの手紙の存在もありました。その医師にできれば会いたいと思うのですが、なかなか直接的な行動に出ません。そして、プラハにはセレブな中国人の方々も多く、その一人とフォーリンラブっちゃうのでした。

 色々とあって、一年間の留学期間も終了しましたが、ヒロインのフォーリンラブもうまくいきそうで、めでたしめでたしで終了。なのはいいんだけどさ、ラストの場面で、ヒロインと主人公(この役の人がトップクレジット)がキスをしているところを空撮しているのですが、背景が横に移動してまた二人がいたところに戻ってきたときには、若い頃の医師と祖母のキスシーンになるのですが、それがまた最初はぎこちないのになんか肉厚的になってくるという、それまでの映画の雰囲気に合わないような感じになってるし、そもそもなんでその二人に変わるのもわかんねー。

 最もハテナだったのは、エンドロールで昔のジャッキー・チェンの映画みたいにNG集が流れるんですよ。しかも、バックに笑い声まで入れられて。おいおいおいおいおい。ラストのリチャード・マークスの「RIght Here Waiting」のカバーはよかったけど、雰囲気が台無しなんだよ。と、この映画はほんまにどの方向を向いていたのか、かなりな謎です。

 

9.9 全日本プロレス豊中大会

 豊中市立ローズ文化ホールにて行われた、全日本プロレス豊中大会を観戦しました。今回の大会は、目玉としてはGAORA TV選手権があります。

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 観客数は主催者発表で209人と、MAX360席前後だったので約6割程度の入りと寂しかったですが、試合の熱気でその寂しさを吹き飛ばしていました。そして、まさか、主催者発表が(おそらく)水増しなしの実数報告にしてきたのにはビックリ。逆にちょっと少なく発表してない?って思う数字です。

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 第一試合は大森取締役と、ランズエンド所属の不動力也選手とのシングルマッチ。不動選手はいい選手ですわ。ジョバーにしておくのは勿体ないと思うんですよねー。せめて、吉江豊選手のポジションまで格上げしてもいいんじゃないでしょうか。そして、大森取締役のツバが目の前まで飛んできたのは、この大会での一番の恐怖体験でした……。

 GAORA TV選手権試合は、王者ビリーケン・キッド選手の初防衛成功となりました。試合後、アミーゴ奪還に向けて、前王者の中島洋平選手が挑戦表明。王者も受諾。個人的にはもうちょっと中島選手が絡むのは遅らせてもいいのではって思いますが、11月には両国大会もあるし、日程的なものを考えると致し方ないのでしょう。

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 選手権試合としては、ちょっとクオリティが足りなかったというか、悪い試合ではないんですが、なんか飛び抜けていないというか。せっかくGAORAもカメラ一台だけとはいえ撮影にきてるんだし、もうちょっと何かがあればと感じずにはいられない試合でした。

 試合終盤でビリーケン・キッド選手がコーナーから真っ逆さまに頭から落ちたんですが、大丈夫かな。その後も試合を続けたので大丈夫だとは思うのですが。

 セミはNEXTREAM対秋山・青柳のタッグマッチで、今年何回組まれたかわからない試合ですが、鮮度は落ちていないと思いますし、これまた熱くて、激しくて、楽しくて、素晴らしい試合になっていました。特に青柳選手の頑張りがよかったです。結果論としては玉砕でしたが。


 タッグチームとしてのNEXTREAMは大好きなのですが、ジェイク選手だけに着目してみると、宮原選手と組むよりかは、崔選手や、野村選手や青柳選手らキャリアの若い選手と組むのが今はいいような気がしてきました。

 この前の名古屋大会よりもかなりよくなってきたというか、この短期間でやる気がストレートに前に出るようになってきたように思えます。表情については前からよかったんですが、それが試合中の行動に結び付いていなかったんですよね。やっと何か吹っ切れたのかな。これからが期待です。だからこそ、NEXTREAMを解散させてもいいと思うのです。

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 宮原選手は、もうね、今の全日本プロレスファンの希望、期待になってるんだなぁって。宮原選手が登場したときの空気感の変わりよう。これは是非、会場で体験していただきたいです。

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 先に青柳選手が入場してきたとき、青柳タオルを振り回していて、青柳選手からもサムアップをしてもらったのに(確かに目線はボクだったはずw)、直後、NEXTREAMが入場してきたときは、ジェイクコールしたり、ケントクラップをしまくったりで、試合途中、自分が観戦している側に青柳選手が落とされたとき、なんか睨まれたような気がします……。ごめんなさい、青柳選手。全日本プロレスで一番応援しているのはNEXTREAMのお二人なんです。ただ、最近は青柳選手も心に引っかかるようになってきています。そして、青柳選手って小顔ですよね。

 メインは、ザ・ビッグガンズwithよしえちゃんとEVO軍でしたが、諏訪魔選手と青木選手が試合序盤でタッチを巡って軽い口論(というか冗談を言い合ってるようなノリですがw)になったり、青木選手と佐藤選手のコンビネーションはいいけど、その中に諏訪魔選手が入れずというかノリきれず、ぽつんと一人でいるような印象を受けました。これ、EVO軍解体あるのかな。諏訪魔派(諏訪魔、スーパーT)と変態自衛隊派(青木、佐藤)に分かれたりして。

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 セミとメインは、これぞ今の全日本プロレスを見せつけてくれる試合でした。この二試合だけでもチケット代の元は取れたなって思います。

 次の観戦は、9月17日の横浜ラジアントホール大会(王道トーナメント二回戦)、9月18日のレッスルワン後楽園ホール大会、9月19日の全日本プロレス後楽園ホール大会(王道トーナメント三回戦・優勝戦)と続きます。いやー、楽しみです。まぁ、宮原健斗選手は王道トーナメント一回戦敗退しましたけどね。というか、応援しようとしていた選手全員が一回戦敗退ですよ、とほほ。

8.27 全日本プロレス名古屋大会

 宮原選手の三冠防衛戦って生観戦したことないことに気付いて、これはもう観るしかないでしょうということで、名古屋まで突撃しました。宮原選手の三冠戴冠は生観戦したんですけどねー。

 名古屋国際会議場のイベントホールにて開催となった本大会ですが、観客の入りは600人前後かなー。発表は710人となっていますね。最大2,000人収容の会場で、リングやグッズ売り場を設営したとしても、半分の人数も入らない現状はやっぱし寂しいですね。

 そうそう、宿泊先のホテルから名古屋国際会議場に向かう電車の中で若い女性がたくさんいたんですよ。アイドルのコンサートをどこかでやるのかなって思ってたら、同じ駅で皆さん降りるし、同じ会場に向かうじゃないですか。マジで全日本プロレスに行くのかって思ってたら、テニミュの公演が名古屋国際会議場内の別の会場で行われる(っていうか全日本プロレスが行われたイベントホールの真向かいw)からで、そちらに若い女性は吸い込まれていってました。でも、全日本プロレスも女性の観客は結構多いんですよ。

 第1試合はジェイク対野村という、数年後にはメインを張っていてほしい試合。若手選手同士の対戦としては悪くはないんですが、彼らは不幸にも団体の都合で既にメインイベントにも出場する選手同士。そう考えると、及第点は到底出せない試合でした。

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 昔に比べると、今のプロレス興行はレスラーの数も多くなったということもあり、第1試合は前座や若手の試合ということでもなくなっています。ただ、そういった理由から、昔よりかは最後に行われる試合であるメインイベントには、期待感や、興行の満足度に対して占める比重っていうのは、かなり大きくなっていると思うのです。

 ジェイク選手も、野村選手も、キャリアが短い選手としては順調に伸びているとは思うのですが、メインに抜擢されたりして、団体の主力として活動を強いられている現状では、第1試合に組まれてもそれなりの試合を見せてくれると観客に期待されてしまうのは仕方がないと思います。

 個人的には、ジェイク選手、野村選手、そして青柳選手には、メインに絡ませるのではないところで、試合運び等を学んでほしいなって思うのです。確かに、団体の都合でありますが、メインに数年程度のキャリアで出場できるというのはよいチャンスであったかと思うのですが、三人には少し荷が重すぎたような気が最近になって思うところです。

 今はもうちょっと焦ってほしいなとも思います。他団体をかなり意識する必要はないかもしれませんが、プロレス業界としては新しい若い力がかなり台頭してきていて、そういった選手が王者になっている団体もあります。焦りすぎるとダメですが、焦らないのもダメだと思うのです。自分がどういったレスラーになりたいのか、そういうのをイメージして近付けていくという作業が必要なのではないでしょうか、これからは。青柳選手はそういう作業をし始めたように感じます。

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 世界タッグ戦は、スーパーTさんの活躍を見たかったのですが、雰囲気はいいのですが、動きはてんでダメでしたね……。青木選手がセコンドについて指示を出したりしていましたが、この試合はみんなでスーパーTさんを育てようっていうコンセプトですっていう印象を強く受けました。

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 スーパーTさんの全日本初参戦のときは、ちょっと脂肪が多い体付きでしたが、今はきちんとシェイプされていい感じになっていると思います。見た目はかっちょええっすよ。今後は、スタミナを付けるというか、プロレスの試合、もっと言えば全日本プロレスの試合でのスタミナ配分を覚えていただければ、もっと楽しませてくれる選手になると思います。って、ごっつ上から目線やな、ボク。

 三冠戦は熱くて激しい試合で、宮原選手が防衛。序盤での場外戦で崔選手が試合のセコンドに付いている野村選手に向かって首を押さえて「痺れる」と伝えていたのでかなり不安になりました。その後の場外戦で今度は宮原選手が右脇腹下あたりを痛めてしまってちょっと辛そうな感じになったのにも不安になりました。

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 場外で宮原選手が8カウント目でリングインしようとしたら滑って落ちて、10カウント以内に戻れないという事態が発生しましたが、和田京平レフェリーがカウント10を言うのをやめて無事に試合は続行(笑)。宮原選手らしからぬミスでしたね。

 予想は、世界タッグ諏訪魔・スーパーT組が奪取、三冠は宮原選手の防衛でした。関本・岡林組が大日本プロレスの最侠タッグリーグに出場すること、その間の防衛戦は難しいこと、11月の両国大会にはおそらく日程の都合で関本・岡林組の出場は難しいことから、全日本にベルトを戻すならこのタイミングかなって思っていたんですけどね。全日本も次は王道Tでシングルのトーナメントだし、11月の両国前でもう一回世界タッグ戦を組むのかな。

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 三冠は11月の両国大会のことを考えても、今は宮原選手じゃないとダメでしょう。今後の予定試合とかを眺めていると、王道Tの一回戦での諏訪魔戦には負けそうな気がしますよ(泣)。ということは諏訪魔優勝なのかなー。でも、両国までには時間があるから、10月の旗揚げシリーズのどこかで、王道T優勝者の三冠挑戦となって宮原選手の防衛になるのかな。

 これは妄想ですが、王道Tを優勝した諏訪魔選手の三冠挑戦を退けた宮原選手の前に「本当の王道をこのオレが見せてやる。王道はこのオレだ」とかなんとか言って、なんと曙選手が登場し11月の両国大会で三冠戦が決定(勿論、宮原選手の防衛ですよ)するんじゃないかな、なんて。

 名古屋大会の総括ですが、今回もかなり楽しめました。面白かったです。最後は宮原選手に締めてほしいという希望どおりの展開だったていうこともありますが。次は豊中大会、そして王道Tの二回戦、優勝戦に参戦します。こちらも楽しみです。

8月20日、21日プロレス連続観戦記

 8月20日(土)は神戸サンボーホールにて全日本プロレスの神戸大会、21日(日)はエディオンアリーナ大阪第二競技場で全日本プロレスとプロレスリングランズエンドとの合同興行を、連続観戦してきました。ほぼ3か月ぶりのプロレス生観戦となりました。楽しかったです。

 20日の神戸サンボーホールは初めて訪れる会場で、神戸も久しぶり、プロレス観戦も3か月ぶりということで、かなり興奮していたように思います。この日は、GAORA TV王座、アジアタッグ王座、世界タッグ王座の3つのタイトル戦のほかに、復帰間もない諏訪魔選手とゼウス選手のシングルもあるという、盛り沢山な内容でした。

 GAORA TV王座は、1年前に同じ会場で王座決定戦を戦った中島洋平選手とビリーケン・キッド選手の対決で、挑戦者のビリーケン・キッド選手が王座を奪取しました。最近のGAORA TV王座は中島選手が獲ったり獲られたりを繰り返していて、もうリマッチはお腹いっぱいなので、正直に言いますと、当面はGAORAを追い掛けるのをやめてほしいなぁ、中島選手のファンには悪いですが。というか、世界ジュニアに標準を絞ってほしいですよ、中島選手には。

 

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 アジアタッグは、青木・佐藤の通称変態自衛隊チームに、広島のダブプロレスのレイパロマ選手とフリーの内田祥一が組んでの挑戦となりました。最初は、挑戦者チームというか、レイパロマ選手がかなり緊張してるのかなと思うような動きでしたが、徐々になれてきたのか王者組を追い詰めはしましたが、最後は仕留められてしまいました。でもね、ボクの心は掴みましたよ、レイパロマ選手は。汗付きのブロマイドも買ったし、ツーショット写真も撮ってもらいましたもんねー。

 

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 メインとなった世界タッグは、王者組が関本・岡林という大日本プロレス所属の選手、挑戦者組が秋山選手とこれまた大日本プロレス所属の橋本大地選手という、全日本プロレスでの試合なの?って思うような組み合わせでした。試合は大地選手が頑張りましたが、最後は力尽きてしまいました。そして、リング上には、関本、岡林、大地の三人の大日本プロレスの選手が。もう完全に全日本プロレスは乗っ取られてしまったかのような風景でした。全日本プロレスのファンとしては、かなり複雑な心境ですよ。どうしてとっとと秋山選手は戻っていったのか。若手に説教垂れる前に、自分の行動もどう観客には映るのか考えてみよう。

 

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 諏訪魔対ゼウスは、復帰間もないということもあってか、諏訪魔選手の動きの質がかなり落ちているのが一目瞭然で、試合中に腰も痛めたようでさらに動きが悪化。これはゼウス選手の勝ちかなと思ったのですが、諏訪魔選手の逆転勝利。タッグでフォール負けしていることの借りを返した形となりましたが、ここはゼウス選手に勝たせてもよかったと思います。王道Tの一回戦で宮原選手とあたるので、ゼウス選手に負けるというのはダメだったんでしょうが、それならそういう試合を組むなよなとも思います。なんか、ゼウス選手を体のよいジョバー扱いにするのはどうなんでしょうね。大森選手くらいキャリアと実績があれば格は落ちませんが、まだまだゼウス選手はトップとの格を埋める立場の選手ですしね。大阪プロレスでの実績、世界タッグ戴冠、チャンカン準優勝という道のりを歩んでいますが、特に全日本プロレスでの世界タッグ戴冠、チャンカン準優勝の意味が薄れてしまってきていませんか。

 

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 21日は崔領二選手率いるランズエンドとの合同興行ということで、エディオンアリーナで行われるいつもの全日本プロレスの会場風景とは違った印象で、少し豪華さを演出されていました。試合もいいカードが揃っていたし、迫力もあったし、興奮したし、面白かったのですが、興行という面では淡々と試合を消化していただけで、色々なものが融合していなかったような印象を受けました。

 

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 ノーフィアーの復活にしても、試合は面白かったのですが、休憩明けに組まれた試合なのに、休憩がもうすぐ終わりますよアナウンスのあとしばらくして唐突にテーマ曲が鳴って始まったりとか、その前にもうちょっとなんらかの演出があれば、もっとノッていけたのにと。

 

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 メインは、三冠王者の宮原選手が石川選手と組んで、秋山選手、崔選手のコンビと対戦。27日(土)の全日本プロレス名古屋大会で、宮原選手の三冠に挑戦する崔選手は、20日の神戸大会もでしたが、この日の試合でも宮原選手に激しい闘志で向かっていきます。試合は、那智の滝が宮原選手に決まり、崔選手が勝利しました。

 ランズエンドの興行でもあるのと、三冠防衛で星を返すということで崔選手の勝利となったと思うのですが、ちょっとやる前に結果が見え見えだったのだけは残念です。別に最初に結果を決めてるから面白くないってわけじゃないのですが、それは観客にはわからないようにするから面白さが出るものだと思うのです。試合は白熱してて面白かったし、不満というほどではないんですけどね。

 宮原選手に挑戦する選手が、前哨戦で宮原選手から直接勝つという展開を最近は多くやりすぎているようにも思えます。それはそれで燃えるのですが、宮原選手は強いというイメージをファンに抱きにくくするという悪い側面もあります。今後は、そのあたりを強化していった方がよいように思うのですが、いかがでしょうか全日本プロレスさん。

 秋山選手との前哨戦での勝ったり負けたりの繰り返しは燃えましたよ、確かに。でも、それは前哨戦の数が多かったからというのもあります。崔選手との場合は少ないですし、大森選手、関本選手、真霜選手(とは引き分けでしたが)とそのパターンを繰り返しすぎというのも、そろそろファンは飽きてきてるというか、慣れてきちゃうんですよ。昔からある手法ではありますが、連発するのは今の時代はどうなんでしょう。

 ただ、最近の全日本プロレスでいいなと思うのは、ジョバーが必ずしも負けるという展開にならない試合があるところです(SUSHI選手以外)。宮原選手と秋山選手とか、きちんとトップ選手同士で決着があるというのはいいことだと思います。観客にも、この試合はどうなるんだろうっていうドキドキ感を提供できると思いますし。

 話は変わって、神戸大会も合同興行も観客数を水増し発表するのはどうなんでしょう。神戸大会は実際に席数を数えましたが、それよりも多い人数の発表でした。551人の発表でしたが、実際には多く見積もっても500人はいませんでした。合同興行も765人超満員の発表でしたが、南側の席は空席が目立ちましたし、神戸大会よりも観客数は多かったとは思いますが、それでも600人程度の入りだったと思います。満員って席数が埋まって初めて満員だと思うのです。超満員は立ち見が多く出てっていう状態だと思うのですが、そうではありませんでした。合同興行の方は、スポンサーとか選手の取り置きとかで実際には売れていたけど、買った人は来なかったのかもしれませんが。それはそれで寂しいですね……。

 こういうのって、見栄というよりも嘘じゃないのかとボクは感じてしまいます。そして、その場にいた、全日本プロレスの興行に参加して楽しんでいた自分を否定されているような気分になるのです。そこにいた自分の存在が恥ずかしく思えてしまうのです。だから、大きな水増しはしないでほしいです。全日本プロレスをこれからも観戦したいと思っているので。観客が少ないのは現実なので仕方がないじゃないですか。だからこそ、大勢の観客を集めることができるように作戦を練っていくのが企業のやることでしょう。そこに嘘を加えてしまったら、ずっと嘘をつきとおさないといけなくなるんですよ。

 なんかこのままでは暗く終わってしまいそう(笑)なので、ちょっと方向転換を。不動力也選手を初めて見ましたが、かなりいい選手だと思います。今はジョバーの役割の選手ですが、どんどんとトップどころを喰らう選手になっていってほしいなぁと思いました。それだけの迫力と説得力はあると思います。って、不動力也選手ってゼロワンにいた黒毛和牛太選手なのかー。

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ゴジラvsデストロイア


最後のネタバレをしてます。少しdisってもいるかな。




 映画としては面白いんですが、特撮がチャチな部分があるというか、雑な部分が目に付いてしまって、そこが気になりすぎてしまいました。

 最後の戦いですが、オキシジェン・デストロイヤーとか関係なくなってますよね。ゴジラメルトダウンを防ぐために、デストロイアをぶつけるって作戦だったのに、普通にゴジラデストロイアをボコった後で自衛隊がとどめを刺してるし。

 そして、メルトダウンするゴジラを高嶋兄(この映画で一番おいしい役だったw)の冷凍光線でやっつけるという形でした。いやいや、デストロイアゴジラジュニアを犠牲にしてまで(最後復活したっぽいですが)ぶつけた意味ないじゃん(笑)。途中も高嶋兄がゴジラを凍らせてますし、展開的にも同じものを二度見せられただけになっちゃってるんですね。

 『シン・ゴジラ』にしても、この前のハリウッド渡辺謙ゴジラにしても、ゴジラ映画というよりかは平成ガメラな雰囲気だよなって思ってたんですが、本作を見てどうしてそう感じたのかがわかりました。

 個人的な印象ですが、昔の特撮映画って本編(人間が主に出演するドラマ部分)と特撮(怪獣が主に出演する激闘部分)が、撮影自体も分離していたからか、一本の映画としての品質に差ができてしまっているっていうのが多かったように思います。でも、平成ガメラはそんな印象がなく、本編、特撮という区別というか壁を感じなかったんですよね。

 それが、この前のハリウッド渡辺謙ゴジラでも、『シン・ゴジラ』でも、そういう壁は感じなかったんです。だから、ゴジラ映画という印象よりも、平成ガメラっていう印象を持ったんだなぁと、本編と特撮の品質が分離している本作を見てわかったんです。それがわかっただけでも、個人的には本作を鑑賞してよかったと思います。

 

ゴーストバスターズ

disってます。ちょっとネタバレもあるかも。




 旧作は大好きですし、かなり前からのリメイクの噂や、その変遷も少しは知っていたので、気にはなっていました。そして、予告編からは面白そうなバイブを感じたので、先行公開期間中に観に行きました。

 オリジナルの主役達は理系男子(おっさん)三名+肉体派社員(おっさん)一名でしたが、本リメイクでは理系女子(おばさん)三名+行動派社員(おばさん)一名に変更されています。キャラ的な要素では、オリジナルでビル・マーレイダン・エイクロイドが演じたメインキャラは、今回の太っちょおばさんのキャラに集約されているような感じです。

 また、大まかな展開もオリジナルに沿ってるのかな。最後もマシュマロマン的な巨大なゴーストですし。あ、マシュマロマンも出てきますよー。

 うん、なんだろう。テンポが悪いのか。バトルは面白いところはあるんだけど、悪役がほぼフォーカスされていないのと(要するに影が薄いw)、主人公達とほぼ接点がないという部分で、盛り上がらないんですよね。2時間くらいあるのに、登場人物同士や世界観との関係性が描けていないという証拠になっちゃってますね。

 会話劇にしてしまったというよりも、会話劇に逃げてしまったという印象もあります。メインの二人はコメディアンらしいので、そういう罠に陥ってしまったのでしょうか。

 個人的にコメディ映画がダメになってきているというのもあるのですが、この映画の笑いにノレなかったのも楽しめなかった大きな要因かもしれません。

 オリジナルキャストもカメオ出演しまくっていますし、オジーも登場しております(本物みたいですw)。ヘビメタは悪魔の音楽であって、ゴーストの音楽じゃないですよね。

 何もかもクリヘムがかっさらっていきましたの一言で終了の映画でした。

 

シン・ゴジラ

評判がいいようですが、disってしまってます。



 『踊る大捜査線』に、織田裕二に代わってゴジラが出演したっていう印象でした。友人に言わせると丸っきりエヴァンゲリオンで、庵野氏が影響を受けた監督や映画からの焼き直しがかなりあったということでした。ボク個人としても、この場面は別の映画で観たことあるよなっていうのもかなり多く感じました。

 『踊る大捜査線』もエヴァンゲリオンの演出法とか諸々パクってたとは当時も言われていたように記憶しております。エヴァンゲリオンはほとんど知らないので、『踊る大捜査線』と思ってしまったわけです。でも、エヴァンゲリオンの監督は庵野氏なので、パクったというより、流用したっていうことですよね。

 そんなことよりも、ゴジラという映画で、日本の官僚とか政治とかを忠実に再現しようとしたものを観たいと思うかどうかで、この映画への好き嫌いが決まるのかなと思えました。

 ボクとしては、もっとゴジラが暴れまわってくれるのを期待してたんです。ゴジラが暴れまわっているところは迫力ある映像でかなり楽しめただけに、そこをもっと押し出してくれればという気持ちが強いです。

 それから、日本の官僚とかの場面も忠実に再現しようとするなら、セリフ回しが弱い俳優をメインに使うのは避けた方がよかったのではないでしょうか。それだけで、個人的にはもう忠実じゃないんですよね。キャラや場面に重みもなくなるし。それに、石原さとみが演じるキャラもいらなかったと思います。賑やかしにもなれていないのはどうなんかなと。

 エキストラの参加が多いであろう、逃げ惑う人々の風景ですが、明らかに熱意を持って参加してる人と、参加することに(自分にとってだけのw)意義がある人との温度差がかなりあって、結果的に緊迫感が削がれているように見えました。現実にはそこにはいないゴジラを想像できるかどうか、いや、想像しようとするかどうか、きちんと製作側はエキストラであっても選別すべきだったように思います。

 ゴジラを使って色々別の主張やテーマを内包した映画を作りたいっていう気持ちはわからんでもないけど、これってさ、(キャラクターとしての)ゴジラにとっては迷惑な話というか、被害者(怪獣だけどw)なんじゃねーのかなって。と言いつつ、ゾンビをそういう存在で起用するロメロの映画が好きなボクが言えることではなかった(爆)。

 ロメロのゾンビの起用は、きちんとゾンビの活躍も描くし、それをメインに表面上はきちんと持ってこれる手腕があるから許されるんだと思うのです。でも、この前のハリウッド版ゴジラといい、本作といい、その視点や方法論がすとんと抜け落ちているような気がするのです。

 

マッド・スピード

ネタバレしてます。disってるようなdisってないような。




 huluで鑑賞したのですが、始まったところのクレジットで、「げげっ、アサイラムかよ」って思いましたが、アサイラムで低予算な割には頑張っているのが随所に見受けられて、なかなか面白かったです。ツッコミどころ満載ではありますけどね!!!

 世界観や設定の説明は低予算映画でありがちな説明台詞によって観客に提示されるわけですが、一応、登場人物の会話劇という体裁の範囲ギリギリで収めており、説明だけの野暮ったさを回避していたように思います。

 マッドマックス+吸血鬼アクションって感じの映画ですが、マッドマックスぽさの無理矢理なはめ込み感を楽しめるかどうかがポイントでしょうか。低予算なのを(+アサイラムなのをw)、観る側がどれだけ補正して鑑賞できるのかを試されているような気もしました(笑)。緊張感が途中なくなったりしますが、ラストの展開でまたググっと緊張感を呼び戻してきたのも好印象です。

 世界観の設定は、あるウイルスが人類を襲い、感染した者は凶暴になり、人の血を追い求めるようになります。日の光は苦手ですが、死ぬまでには至りません。また、日中は洞窟や暗い場所で身を潜めています。集団で行動をすると、単体や少数での行動に比べより凶暴になるようです。吸血鬼と似たようなもので、昼間でも歩き回る感染者がいるという情報もあり、デイ・ウォーカーと呼ばれています。人類はほぼ壊滅状態で、幾つかの集団がポツポツを生きながらえているというものです。

 主人公は記憶を失った中年のおっさんですが、水を求めてフラフラと彷徨っているときにある集団にデイ・ウォーカーと間違えられて撃たれてしまい、うわっ、普通の人間やったっていうことで、その集団の基地で手当てを受けます。手当てをした女医さん(なのかな。ネイティブ・アメリカンっていう設定っぽいけど、東洋人っぽいんですよ、役者がw)が、主人公の体の傷や症状から、もしかしてウイルスに免疫がある人間なのかもと推測し、集団のリーダーに報告します。というか、この集団のリーダーが本当の主人公だったような。

 集団のバカップル男子が、映画の冒頭で感染者に不用意に接近して噛まれてしまい、バカップル女子(この役の役者が一応トップクレジットでしたね)に殺してくれって頼みますが、女性は殺せず、基地に連れ帰ってしまいます。

 他方、マッドマックスグループが女性一人を追いかけ回し、捕らえます。で、この方達、忘れられたかのように、終盤近くまで出てきません。

 銃弾も尽きかけているところで、主人公が途切れた記憶の中から、近くの町に銃弾を作れるような工場みたいなんがあったと言い出します。また、主人公が免疫を持ってるということは、血清も作れるだろうということで、その道具とかも探しに主人公を含む集団の一部メンバーが向かいます。その町でやっとマッドマックスグループの一部が再登場し、主人公もその仲間であったことがわかります。

 紆余曲折があり、主人公を含む集団の皆さんとマッドマックスグループが対戦し、人数で有利なはずのマッドマックスグループの皆さんはやられちゃいます。そして、マッドマックスグループに追いかけられていた女性は、主人公の彼女だったことが判明します。

 近くに大学があるというのを知っていた集団の皆さんは(えっw)、大学という名のあばら家で血清を作り、生かされていたバカップル男子に注入します。バカップル男子は感染してからはうーあーとしか叫べなかったのですが、血清の効果なのか、きちんと言葉を話すようになり、会話もでき、光にも過敏ではなくなりました。ただ、主人公と同様に記憶喪失な状態です。そして、感染者は水が飲めなくなり血を欲するようになるということから、テストの意味合いで水を飲ませようとしますが、飲めませんでした。

 ここで、主人公はウイルスに免疫を持っているのではなく、ウイルス保有者ということがわかり、今まで和気藹々と一緒に頑張ってきた集団の皆さんと戦闘状態に入ります。って、なんでやねん。まぁ、こういう展開を予想してなかったので、かなり楽しめましたけどね。でも、主人公は水を飲むし、血を求めないし、ウイルス保有者だったとしても通常の人間と変わらないと思うのですが、集団の皆さんは始末しようとします。

 主人公はマッドマックスグループの首領みたいなポジションであり、今のマッドマックスグループの首領から洞窟にいる感染者掃討中に、首領は二人もいらねぇ作戦という罠に嵌められ、感染者の巣窟となっている洞窟に彼女と一緒に置き去りにされちゃったのです。(おそらく)感染者を屠って脱出したものの、主人公は感染者に噛まれていました。ところが、彼女も既に感染者になっており、主人公は彼女に噛まれたことから感染者の仲間入りをし、記憶喪失になってふらついていたのです。

 彼女が言うには、都会では自分のような者がたくさんいる(=デイ・ウォーカーなのかな)ということです。で、デイ・ウォーカーになると血を求めなくなるのかもしれませんが、そこはあやふやでしたね。主人公の彼女も、主人公を襲ったとき以外は血を求めてませんでしたしね。ウイルス保有者ではあるけど、感染初期だけ血を求めるだけで、あとはほぼ普通の人間に戻る?のかな。

 バカップル男子はバカップル女子に対して見逃してくれって懇願しますが(特に何もやってないし、蘇生しても記憶がないので当然ですよね)、バカップル女子はここでは銃殺しちゃいます。映画の冒頭と同じように助けて、一緒に逃げればいいのにって思いましたけどね。

 と、血清ができてハッピーエンドな展開と思いきや、最後の最後にバッドエンドテイストな展開となりましたが、大どんでん返しっぽくて、これはこれでアリだなぁと。

 えっと、褒めてるように思えるかもしれませんが、まぁ、アサイラムに若干の耐性がないと、やっぱしつまんないって思われる映画でもありますが、ボクは大好きですね、この映画。

 

FAKE

かなり面白かったです。多分、disってません。ネタバレはしております。




 面白かったです。即興演奏を曲に仕立て上げたという感じの映画でした。ドキュメンタリーという表層的な体裁をとっているので、そう感じるのは普遍的なものなのかもしれませんが。

 あのゴーストライラー騒動って、まだ2年ちょっと前なのですね。もう4年か5年は経ったような気がしていました。世間一般ではかなり風化したんじゃないでしょうか。この映画は、その騒動の顛末を追いかけるというものではなく、その騒動の主役である佐村河内守氏の今とそれからを描こうとしています(ラスボスは新垣隆氏に設定していると思われます)。

 ボクは、ゴーストライラー騒動が出るまで、佐村河内守氏の存在は知りませんでした。広末涼子主演の映画『桜、ふたたびの加奈子』のテーマ曲を担当していたということで、その映画をいい映画だったなという感想を持っていたボクは、テーマ曲ってどんな感じやったっけって思ったくらいでした。未だに佐村河内守氏が作曲したと設定されていた曲を、自分の意思で聴いたことはありません。どこかで流れているのを耳にしたことはあるかもしれませんが、それを佐村河内守氏が作曲したと設定されていた曲として認識してはいません。

 そんなボクがこの映画を観に行った理由は、偶然観た予告編が面白かったことと、なかなか映画としての評判がよかったからです。

 佐村河内守氏を通して、報道や情報に対する接し方といった提示の部分もあるかと思いますが、愛情、友情、感情の揺れ、そういったものを主軸に置いて製作されたのかなと感じました。劇中の最後の方で、佐村河内夫婦二人を撮りたかったという旨の発言が監督からあったことからも、ゴーストライラー問題の内容とかはどうでもよくて、大きな騒動を引き起こした当事者のその後が知りたかったんだろうなって推測します。

 ところどころ飼われている猫が映されるのですが、ドキュメンタリー映画で関係ないカットをさも意味ありげに映すというものが個人的には多いと思っているのですが(場面転換の合図として用いてるのもあるのでしょうが、どうもそういう場面を入れることが高尚だと思い込んでるというか、それを利用しようとしてると感じるのです)、それをパロってるだけなんでしょうけど、そういうところがこの映画のあざといところでもあり、観客に対する問いかけにもなっているように思えました。

http://www.takashi-niigaki.com/news/576
 この映画を観る前に新垣隆氏のマネジメント会社から、このような経緯というかやり取り(上記のものが事実かどうかは不明ですが)があったことを先に読んで知っていたので、この映画を事実を基にしたドキュメンタリー映画として捉えるのは、個人的には抵抗がありました。ただ、ドキュメンタリー映画だからといって、事実(または真実)を映している、事実(または真実)を追いかけているわけではなく、あくまでも事実(または真実)、あるいはそれに類似する事象を映像に捉えて構成することがメインの映画の手法の一つってだけですもんね。ドキュメンタリーの体裁をとった映画はモキュメンタリーとして区分されるように思っていますが、そもそもそういう区分が間違っているように、最近は考えるようになっています。

 佐村河内氏が豆乳とケーキが大好きというのは、紛れもない事実なんだろうと思います。この映画での唯一の事実と真実が一致しているところではないでしょうか(笑)。

 これが最大のネタバレですが、終盤で、監督が佐村河内守氏に曲を作ってみようよと提案というか煽ります。佐村河内守氏は、昔に住んでいた部屋が狭いという理由から楽器は捨てたらしいのですが(こらこらw)、改めてシンセサイザーを買って作曲活動に励みます。その曲がエンドロールにも流れるのですが、そのエンドロールにも、パンフレットにも、公式サイトにも、作曲者名とかが出ていないのが不穏です(笑)。

 監督も、音楽家としての佐村河内守氏の設定で遊びながら、実在の人物としての佐村河内守氏の人柄にその設定を再び落とし込んだときにどうなるのかという実験みたいなものをしたかったんじゃないかな、なんて思ったりも。

 

フェーズ6

少しネタバレしてます。少しdisってもいます。




 致死率100%のウイルスが発生し、人類はほぼ滅亡状態。そんな状況下で、二人の兄弟と、兄の恋人、弟の友人女性の4人は、兄弟が昔に家族でよく来ていた海辺のホテルを目指して車を走らせるという、終末映画系ロードムービーです。

 途中、ラジオでのワクチンが見付かったという放送に希望を見出し、その場所へ行こうとする父親と感染した幼い娘も一緒に行動することになります。しかし、その場所に到着したはいいものの、結局ワクチンは3日間しか効果がないというものでした。そこにいた医者が言うところの「生きることは時には死ぬことよりも苦痛だ」という、苦しみが3日延びただけだったという意味の言葉は重いです。この映画は、この言葉がテーマになってもいます。

 時間が短く、淡々と展開するので、こういう映画にありがちな重い展開、深く突っ込んだ展開はありません。途中で遭遇する、人種差別を象徴したであろう描写の移民者を虐殺する人達や、ホテルを根城とした集団、おばちゃん二人組といった面々との遭遇も、イベント消化という感じで処理されていきます。兄の恋人がウイルスに感染してしまい、途中で置いていくという重要な決断も、単なるイベントになってしまってるのはどうかなとは思いました。

 終盤になって、おばちゃん二人組を襲ったときの銃撃戦(というほど大層じゃないけどw)で、兄は足に重傷を負ってしまい、ウイルスに感染していたことも判明します。弟とその友人女性は、兄を置いて去って行こうとしますが、兄は連れて行けってダダをこねます。結局は弟が兄を銃で撃って殺します。

 兄がダダをこねると書きましたが、ボクは兄がダダをこねたんではなく、弟に目的地に着くためにどうすればいいのか自分自身で決断しろということを、自分の命をかけて伝えたかったという場面だったんじゃないのかな、なんて観終わったあとに思いました。

 ラスト、弟と友人女性は海辺のホテルに着きますが、誰か人がいるわけでもないし、二人はおそらく性格的に合わなそうだし、未来なんてないし、生き延びたからどうなんだろうっていう終わり方はよかったと思います。

 こういう終末世界ものは大好きではあるのですが、実際に起こったとしたら、原発とか安全に停止してくれるんだろうかって考えます。原発の構造を知らないのですが、勝手に停止してくれたとしても、トラブルがないとも限りませんし。

 弟の友人女性の役の人がエミリー・ヴァンキャンプで、この映画ではキャプテン・アメリカの映画で見せてくれるようなクールビューティーというよりかは、冷血な女性といった雰囲気でした。まぁ、少し病み始めてるっていう設定だったこともあいまっての印象です(その設定はあまり活かせることはできなかったようですがw)。