悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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WRESTLE-1 「WONDER CANIVAL」12.31大阪・エディオンアリーナ大阪第1競技場大会

 最初は見に行く気持ちはなかったのですが(最前列が3万円って……)、メインやGAORA TV選手権とか興味が出てきた試合があったので、一階の一番安い席で鑑賞することにしました。

 以下、各試合の感想をつらつらと書いていきます。

▼第1試合 いざ、大阪!冬の陣!!6人タッグマッチ30分1本勝負

一&藤村加偉&仁木琢郎 vs 守屋博昭ジャパンプロレス2000)&大門寺崇(ランズエンドプロレスリング)&伊香保京介(ランズエンドプロレスリング

 レスワンのカーベル伊藤枠で出ているあいつ、出すなって。興行にかなり貢献しているのかもしれないけど、それとこれは別にしないと。一気に素人感が充満して品質が下がるんだよな。カーベル伊藤はまだ頑張ってるけどさ。

 で、ランズエンドの二人の選手はよかったです。大門寺選手は崔選手と組んでアジアタッグに挑戦されますが、伊香保選手と組んででもよかったんじゃないかな、なんて思ったり。

▼第2試合 Mission:機械を破壊せよ!6人タッグマッチ30分1本勝負

河野真幸&アレハンドロ&タナカ岩石 vs ストロングマシーン・J(DRAGON GATE)&ストロングマシーン・F(DRAGON GATE)&ストロングマシーン・G(DRAGON GATE

 うーん、雑な試合だった。ストロングマシーンが入れ替わっても気付かないって、体型が全員違うんやから気付くやろっていうツッコミまでがワンセットなんだろうか(昔のマシン軍団もそうでしたっけ)。

 河野選手は最近の試合の中ではよかったと思うけど、やはり動きにキレがないというか。ないのは前からか。自分の体の大きさを持て余している(プロレス的にね)動きをするならする、もっと巨体を活かした動き方をするならするとはっきりさせた方がいいと思う。

 タナカ岩石選手はいい選手だと思うけど、目標がないのかな、なんて思ったり。環境を変えるのも一つの手のような気がします。

▼第3試合 Jungle Montage~力の限り~タッグマッチ30分1本勝負

土肥孝司&本田竜輝 vs 吉田隆司DRAGON GATE)&ビッグR清水(DRAGON GATE

 吉田選手はいいなー。全日本プロレスの最強タッグでのヴァレッタ選手とのタッグもよかったし、私の中では好印象上昇中です。

▼第4試合 Drawing the futureタッグマッチ30分1本勝負

頓所隼&ペガソ・イルミナル vs Kzy(DRAGON GATE)&堀口元気DRAGON GATE

 この組み合わせでレフェリーが全日本プロレス和田京平とは(笑)。これぞ異次元。

 ペガソ選手と頓所選手の終盤の躍動感は素晴らしかったけど、今のキャリアではその躍動感を試合全体で示さないとダメだと思う。

▼第5試合 師弟vs強心~闘いのクロスワードパズル~タッグマッチ30分1本勝負

児玉裕輔TAJIRI(フリー)vs 吉岡世起(#STRONGHEARTS)&入江茂弘(#STRONGHEARTS)

 ビジネスハーツの二人(入江選手は違うかもしんないけど)と曲者師弟コンビの対決。この試合も楽しみにしていました。メンツからいってハズレはないでしょうし。と書きつつ、試合はなんかこのメンツにしてはそつなくこなして終了って感じ。お仕事感満載(お仕事だけどね)で、もうちょっとなんかほしかったなぁ。ラストも予想できた展開だったし。ただ、錯乱したフリしてTAJIRI選手にサミングかます児玉選手はよかった。勿論、ワザとだということは分かっています(笑)。

▼第6試合 新しい航海シングルマッチ30分1本勝負

羆嵐 vs 崔領二ランズエンドプロレスリング

 レスワンでは自分よりでかい選手とあたることはない羆嵐選手の戦い方に注目していましたが、真正面から崔選手の攻めを受け止めて、途中スタミナ切れかなと思いつつも最後まで突っ走れていたんじゃないかなと思いました。羆嵐選手はもう某全日本プロレスにレスワンの試合がないときは参戦したらいい経験が積めるんじゃないかなと思ったり。

▼第7試合 ストリートファイトテキサストルネードバンクハウス電流爆破6人タッグデスマッチ ~NO WILD,NO LIFE~2019秒1本勝負

征矢学&大森隆男全日本プロレス)&AKIRAMAKAI))vs 大仁田厚田中将斗(プロレスリンZERO1)&レザーフェイス

 年末なので普段の三倍の爆破量だったらしいのです。最初に大仁田選手が被弾するのですが、音が凄かったです。もうそれだけでお腹いっぱいです。大仁田選手が動けないとか、そんなこと言っちゃいけません。入場時に水が掛かったとか、そんな些細なことはどうでもいいんです。

▼第8試合 黒船襲来!~Who is famous?~GAORA TV チャンピオンシップ60分1本勝負

【第17代王者】ヨシタツ vs 【挑戦者】立花誠吾

 楽しみにしていた試合。立花選手は善戦したけど、それだけって感じ。逆に言えば、ヨシタツ選手が王者として挑戦者を引き立てられなかった試合。個人的には肩透かしくらった感じで、呆気なく終わったなぁという印象。GAORA TVのベルトは今後どうなっていくんだろうか。

▼第9試合 NOT EASY WAY~See you again~6人タッグマッチ60分1本勝負

カズ・ハヤシ秋山準全日本プロレス)&大谷晋二郎(プロレスリンZERO1)vs アンディ・ウー&伊藤貴則&黒潮“イケメン”二郎(フリー)

 イケメン選手、当面の日本最後の試合。なのに、復帰戦の伊藤選手が入場時から秋山に突っかかり、激しい二人の攻防に酔いしれました。いやー、この試合を一番楽しんだのは秋山だわ。心の底でかなり嬉しかったろうし、喜んでいたと思う。イケメン選手は空気になっちゃってましたね。伊藤選手もレスワンで試合がないときは、某全日本プロレスにきたらいいと思う。

セミファイナル GAORA スペシャ6人タッグマッチ"GRUDGE"master's bible 60分1本勝負

武藤敬司&ゼウス(全日本プロレス)&望月成晃DRAGON GATE)vs 近藤修司諏訪魔全日本プロレス)&石川修司全日本プロレス

 動けない武藤選手に華を持たせる必要はあるんだろうか(レスワンの代表取締役からしゃーないか。カズ選手も近藤選手も代取じゃないしね)。メンツ的に近藤選手が負けるしかないんだろうけど、まかりなりにもレスワンでトップ戦線にいる選手なのに。昔の武藤選手なら分かるけど。それに、笑顔でドラゴンスクリューを受けにいく暴走破壊大巨人チームの面々はどうしたものか。つか、暴走大巨人とチームディストラクションのタッグが、急増タッグに負けたらあかんやろ。

▼メインイベント It's the "WRESTLE" WONDER CARNIVALタッグマッチ60分1本勝負

稲葉大樹清宮海斗プロレスリング・ノア)vs 芦野祥太郎中嶋勝彦プロレスリング・ノア

 ハッキリ言って、ここまでイロモノ系の試合ばかりでしたが、これは正真正銘シリアスな試合。レスワンとノア両団体のシングルの王者同士が組んだタッグチームと、タッグの王者同士が組んだタッグチームの激突。しかし、中嶋選手が不穏過ぎて、試合を壊したのか、それとも今後の物語を紡いだのか。稲葉選手は次の挑戦者に中嶋選手を指名したみたいですが、どうなることやら。→試合後のインタビューを読むと、どうやら中嶋選手から稲葉選手に話しかけて、稲葉選手がそれを受けてタイトル挑戦しろの流れになったみたいですね。予定調和だったのか。

 清宮選手の試合を生で見たのは初めてですが、素晴らしい選手ですね。なんか、さわやかイケメンになってるし。昔の清宮選手の写真を見たら、そんなイケメンでもなかったのに。これが貫禄というやつか。ノアは本当にいい選手に救われてるんじゃないかなって思いました。怪我には注意してこれからも活躍してほしいし、活躍する選手だと思います。

 中嶋選手は蹴りが速くて、ヒットする音が凄かったです。崔選手は重くて凄い、中嶋選手は速くて凄いっていう印象です。中嶋選手を知ってるか知ってないかで、今日の中嶋選手の試合に臨む態度をどう捉えるかがかなり異なるようですね。ツイッターをちょろっと見ただけでも賛否どちらもありました。私は「アリ」派ですが、噛み合ってなかったのは事実かなー。

 芦野選手は近年の団体からのプッシュの代償か、今年は大事なところで負け役を飲まされてるって印象でしたが、今回もそうでしたね。私の予想は、芦野選手が稲葉選手からタップアウトを取って無差別のベルトに挑戦という流れかと思っていたんですが。この試合では一人奮闘していた印象です。空回りしてもいましたが。

 稲葉選手はいい選手ですし、受けも凄いけど、怪我が多いのと、団体を背負うには、エースになるには何かが足りないと思わされてしまう選手でもあるんですよね、私の中では。もう一皮剥けないと。もうそろそろ何かないと、あと何かが足りないってずっと言われそうな気がします。

 あれ、なんか書いてたらかなり上から目線でdisってるぞ(笑)。客入りは思ったよりも多く(正直、もっと少ないと思っていました。1660人らしいです)、盛り上がりもそこそこで、ほとんどの試合を楽しめたし、約4時間半という興行はちょっと老体には辛かった面はあるけど、かなり楽しんだんだけどなぁ(苦笑)。だから、こうやって感想書いてるんだけど(汗)。

 まぁ、来年も週刊WRESTLE-1 TVはチェックしようかなと思います。

ゾンビ ─日本初公開復元版─

disれるわけねーだろ。

 

 

 

 

 

 『ゾンビ ─日本初公開復元版─』のクラウドファンディングに協力させていただいていて、来年の4月にはBlu-rayが届く予定なのですが、それまで待てずに映画館に行ってしまいました。

 ほんとにこれは奇跡の映画だと思う。時代性(アメリカン・ニューシネマ的な残り香とか)や、前作の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』での成果や効果も踏まえて、いいタイミングだったのかなと、今となっては思ったりします。

 ゾンビというモンスターパニック的要素、それに伴う人間ドラマや当時の世界への批判とか、またそういった小難しいことを考えなくても楽しめるよというメッセージもテンポのよさで提供するといった、全部ごちゃまぜだけど娯楽作に仕上げようという強い意志みたいなものを、個人的には感じました。

 惑星爆発の場面ってこんなんでしたっけ。綺麗になってるというか。なんかもっとしょぼい惑星が爆発してた場面だったような。『メテオ』からの流用でしたっけ。

 初っ端から画面に滲み出る閉塞感、混沌さ、不安を掻き立てるような構成で、映画の世界観をきっちりと提示しているのは流石としかいいようがないです。臨場感というのでしょうか。こういうのはどんどん見習って血肉にしていってほしいと素人ながら思ったり。

 今回何故かピーターの影が薄いなぁと思ったのですが、序盤の地下室でのゾンビ処理の場面での葛藤を乗り越えて以降、彼はスーパーマンになってしまったからかなと。そして、あの四人のキャラの中での彼はアウトサイダーでもあったわけで。彼が観客の視点を引き受ける役割(四人の中でも更に主人公ポジ)のうえ、ちょっと引いて全体を見せるということをしないといけないキャラでもあったから、そういう印象をもってしまったのかも。

 スティーブンがフランに指輪を渡して(結婚を申し込む)フランが断る場面で、彼らにとってあの瞬間こそが既に非日常なわけで(日常はゾンビと共に暮らす日々)、そこを観客に改めて提示したのかなと。そして、観客に対して地獄の中での束の間の幸せから再び地獄へ戻るよという親切な警告だったのかな。何回もこの映画を観てはいますが、初めてこの場面が凄く印象に残りました。

 スティーブンがバイカー集団になんでキレたのか、これまでイマイチ理解していなかったのですが、彼にとってはあの非日常の世界こそが生きてることを実感できるものであり、もう彼にとってはなくてはならない世界を、バイカー集団が壊そうとしたことに我慢できなかったんでしょうね。

 文章がまとまってないけど、一言で言えばこの映画は最高だということです。

 最後に、予告編のラストにも出てきますが、「日本人にとって、このバージョンを見なければ〜」っていうテロップでの煽りは余計です。必要ありません。こういうことするから間口が狭くなるっていうことを、マニアはもっと認識してほしい。

 

ターミネーター:ニュー・フェイト

少しネタバレしていますし、disってしまってるかなー。

 

 

 

 

 一作目の『ターミネーター』は個人的に大好きな映画ですし、二作目(続編)の『ターミネーター2』は映画史に残る大傑作だと思っています。そして、その後に作られた映画のお話はなかったことにして、『ターミネーター2』の正当な続編としてアナウンスされた本作。

 映画単体としてはかなり面白かったと思います。テンポのあるアクション映画として楽しめる娯楽作だと思います。しかし、『ターミネーター』や『ターミネーター2』が好きな方、特に『ターミネーター2』が大好きな方には本作は酷い仕打ちとしか思えない映画ではないかと思った次第です。

 エドワード・ファーロングが出るという前情報がありましたが、ポスターとかに掲載される主要俳優ではないようでチラっと出るだけかと思いきや、(おそらく)『ターミネーター2』のバンクやCG、代わりの俳優を駆使して、『ターミネーター2』当時の姿で登場し、『ターミネーター』登場時より若いかのようなシュワちゃん扮するT-800型(映画で最後に溶解していった型とは別の個体)に映画冒頭で殺されるという内容。いやいやいやいやいや、『ターミネーター2』の続編と言いながらも全力で『ターミネーター2』を全否定していませんか、と。

 しかも、シュワちゃんを出したいためか、ジョン・コナーを殺してから目的を失ったT-800型ターミネーターは、DV被害に遭っていた幼い男の子の母親を助け、20年以上も疑似家族を演じて人の心をある程度理解したとか、おいおいおいおいおいふざけんなよ。『ターミネーター2』でのジョン・コナーとT-800型が徐々に交流を通じて信頼を得てきたあの過程を台無しにしていませんか、と。

 その過程を見せるのではなく、単にシャワちゃんに語らせて終了というやり方もね。そりゃ、そんな過程を見せるとダラダラと長くなるだけというか、一本の映画ができそうではありますが、語らせて終了というテーマでは、特にこのターミネーターというシリーズにとっては簡単に流していいテーマではないでしょう。あ、その過程を描いた映画は観たいと思った(爆)。

 リンダ・ハミルトンが出ることになったから、どうしても外見がシュワちゃんのT-800型を出したかったんでしょうけど。ジョン・コナーが出せないなりに、スカイネットの未来を回避したので今は別のことをやってるなりなんなりとすればよかっただけなのに。どうして殺しちゃうのか。

 ということで、本作冒頭から超絶ブルーな気持ち(絶望ではなくて)で鑑賞に臨まなくてはいけなくなった私の気持ちを、未来から助けに来てほしいくらいです。

 本作単体としては最初に書いたとおり、テンポもよく、改造人間(&伝説の戦士&旧型)対ターミネーターの戦いも面白かったですし、所々数年前の映画でよくあったCGのやっつけクネクネ人間スタイルでアクションしたりであじゃじゃと思う場面がありつつも、飽きさせずに展開させようというところは成功しているように思いました。

 今回の敵側ターミネーターもまたもやメタルグニャグニャ形式で、未来から人側の味方になるターミネーターもそろそろメタルグニャグニャの方が来てもいいんじゃないかな。

 『ターミネーター』と『ターミネーター2』のオマージュかバカにしてるのか、それを匂わす場面とかがあったりして、『ターミネーター』と『ターミネーター2』を好きな人の心を振り回そうとしていたりというのがなんともかんともあざといというか。

 未来から来る改造人間役の人はかっちょよかったと思うけど、一応主人公ポジなのにどうも段々と影が薄くなってきて、シュワちゃん登場後は完全に脇役に回っちゃったって感じで、それが個々の俳優としての力強さ故なのか、演出上の都合なのか、よく分かんなかったですが、あまりおいしい役には結果的にはならなかったかなと思いました。

 原題は『Terminator Dark Fate』なんですね。原題のままでもよかったんじゃないかな。つか、お話的な内容は邦題の方が合ってますが、実際にこの映画がしでかしかたことは原題の方が合ってますね(笑)。

 未来の機械軍団の首領さんは、未来の時代の指導者を過去に抹殺すればいいという思い込みというか刷り込みをそろそろ捨てた方がよいような気がしますね。もしかして、プログラミングに組み込まれていて、どうしようもない欲求でそのような行動に出てしまうのだろうか。未来の時代の指導者を過去で殺すことで、機械軍団も結果的に誕生しないことになったという映画もあってもいいような。指導者が実は機械軍団の開発者だったというベタな設定でいいから。

 スカイネットさんも今回のリージョンさんも、どうして人類を抹殺したがるのかとか、どうしてターミネーター型の兵器を作ってしまうのかとか(人の格好をさせて潜入させて人類壊滅よりも総攻撃した方が早そうなのに)、メタルが好きなのはどうしてなのか(←意味が違うw)。

 

アップグレード

ネタバレしていますが、そんなにdisってはいませんが、そんなに面白かったわけでもありません。

 

 

 

 

 復讐もの+SFということで観てきました。全てはラストのため、という映画でした。ラストに導くために色々とストーリーやら設定やらを考えたのでしょう。自動運転の車や適度なSF描写はよくて、カルト映画になりかけてるなーと思わせるのですが、後一歩届かずという残念さを漂わせているように思いました。

 コンピュータの天才が作り出したマイクロチップ=ステムさんは自我を持っていて、作ったコンピュータの天才ですら操るような存在になっていました。そして、ステムさんは生きた人間の肉体をほしがります。この時代には珍しい機械を埋め込んでいない人間である主人公に目を付け、そのために改造軍人を雇って主人公夫妻を襲い、主人公は重傷を負い、主人公の配偶者を主人公の目の前で殺します。

 主人公は四肢がマヒした状態で首から下が動かないようになりました。そんな主人公にステムさんを埋め込まないかと誘うコンピュータの天才。ステムさんが仕組んだ筋書きどおりとも知らず、主人公はステムさんを埋め込み、それによって動けるようになったのですが、ステムさんの言動に乗せられ、自分を襲った犯人達を殺していきます。

 ラストは、ステムさんの筋書きどおりになってしまったことを知った主人公が、ステムさんからの支配に抗うのですが、ステムさんによって配偶者が生きているという設定の仮想世界に心を閉じ込められてしまい万事休す。主人公の肉体を完全に得たステムさんは、事実を知っているコンピュータの天才や、事件を追っていた刑事もあっさりと殺し、どこかへ歩き出します。

 観ているときは、復讐モノにしてはスカッとしないなとか、復讐って言ったってステムさんに操られてるだけじゃんかと思っていましたが、実はそれも映画製作者の計算で、全てはステムさんが描いたとおりに人間は動かされていただけという展開で腑に落ちました。

 だからといって、両手を挙げて面白かった映画かというとそうでもないんですけどね。もう少し設定を煮詰めてほしかったかなと思います。あんだけドローン飛ばしているのに対して役に立ってないのはどういうことだろう、とかね(笑)。

 

ライリー・ノース 復讐の女神

かなりdisってますし、ネタバレしています。

 

 

 

 

 復讐モノは大好きですし、お話も面白そうでしたので、観に行ってきました。うーん、全体のお話は確かに面白いし、主人公ライリー・ノース役のジェニファー・ガーナーは体張って頑張ってるし(殆どスタントなしでアクションに取り組んだみたいです)、テンポはいいのでサクサクと観ることはできるのですが、展開もそうですし、主人公の覚悟が甘々な描写になってしまったりと、バッドエンドではないのにスッキリとしない映画になってしまっていたなぁと思いました。

 スッキリとしないのは、主人公は目の前で配偶者と娘を撃ち殺されるのですが(自分も撃たれます)、その実行犯3人、主人公を買収しようとする犯人側の弁護士、弁護士のターンに何ら反論もしない検事、主人公の訴えを聞かず無罪判決を下す判事、この人達のお陰で主人公が沸点突破して裁判所で暴れて精神病院に収容されそうになって逃げて復讐に繋がるという描写があるのに、この中で実際に殺される場面があるのは、映画冒頭にある実行犯の3人のうち1人と判事だけ。

 おいおいおいおいおい、せめてこいつら全員は殺される場面は必要だろ。殺されたというニュースで済ませるのはどうなのさ。まぁ、実行犯の3人は殺されて観覧車から吊るされているという場面はありましたが。映画冒頭で主人公に殺される実行犯のうちの1人が「ファック」と言い放つのですが、そのセリフ、私が言いたかったですよ。こんなことやられたら、スッキリしようがないですよね。

 黒幕にもボスがいて、そのボスの息子(ボスの使いっ走り)が黒幕のことを小物だと言うのですが、このボスとか組織が物語に絡まないので、単に黒幕の権威がだだ下がるだけで、街の判事や検事まで買収してしまうくらいの力があるのに、単なる街のチンピラに落としてしまっているという雑なところがあったりとかね。

 主人公の覚悟が甘いな思った場面は、黒幕の住処に突撃して黒幕を殺しかけるところで、黒幕の娘が出てきて、自分の娘のことをフラッシュバックしてる間に黒幕に逆襲にあい、殺し損ねるというところです。そこは、黒幕共々娘も屠らないとダメでしょう。覚悟が甘々な描写になっちゃいますよ。

 いやね、自分の娘を思い出したとか、そんな演出であることは分かるし、製作陣は主人公は冷酷な殺人マシーンになったんじゃないって言いたいのは分かっていますよ。でもね、そんな程度の覚悟だったんだって思われてしまうっていうことも、プロなら敏感になって分かっていないと。

 はっきりいって、ここで黒幕を取り逃がすのはいいんだけど、黒幕に娘がいてっていう設定は必要なかったと思う。ここしか出てきてないし。愛人(娘の母親?)に黒幕は日頃からDVしてるみたいで、その愛人を逃すという場面が少し前に出てきているのですが、特に黒幕の人物描写を濃く描くわけでもないので、もう愛人を逃すっていうことだけで主人公が冷酷でないと分かるので、余計な場面だったと思うのです。

 主人公が活動拠点としているハーレムで犯罪が減っているとか、アル中親父を脅して息子とクリスマスプレゼントを買いに行けとか、そういう描写を入れて主人公の人のよさをアピールしてるんだから、本当に余計で勿体ない場面だったと思うのです。

 黒幕を警官に取り囲まれている中で撃ち殺した主人公は、なんとかその場を逃げきって家族のお墓がある墓地へ。そこで死にかけますが、おっさん刑事(汚職警官ではない方)がやってきて、病院へ。ベッドで治療されている主人公ですが、腕には手錠が。おっさん刑事がやってきて、主人公に誰にも分からないように手錠の鍵を渡します。主人公は逃げた、のかなというラストでした。

 

913祭のこと

 令和最初の9月13日にあの913祭がないということで、去年(平成最後)の913祭で感じたことを書いてみました。もうあれから1年なのか。

 

 9月13日の夜を歌舞伎町で過ごすようになって、何回くらい経っただろうと、少し感慨深くなりました。913祭は2008年が最初で、元々は一回限りの祭だったと記憶しています。その後、村上さんは俳優業を一度引退されました。

 村上さんが俳優業に復帰されたからか、なんと913祭も2012年に復活しました。それからは、今回の2018年まで毎年開かれる祭となり、ナンバリングも8まできました。しかし、来年は開かれないことが発表されました。来年(2019年)の9月13日を含む時期に俳優としてのオファーがあり(舞台『メサイア-黎明乃刻-』大阪公演)、それを受けたことが理由です。自分は俳優であり、一つのキャラクターに固執していていいのかという葛藤は常にあって、今回のオファーの件も悩んだが、オファーがあるというのは俳優としてはいいことであり、結果、受けることにしたという意味のことを村上さんは語られていました。913祭はない変わりに、別のことを考えているとも(←それは一番最後に追記しております)。私は、その判断を全面的に受け入れるといいますか、支持します。

 チケット発売開始数秒で売り切れてしまうという913祭を、私は幸運なことに2008年の初回から2018年の今回まで、毎回参加できました。本当に有り難いラッキーなことです。ただ、555の10周年のときの913祭(913祭3)以降、惰性でやっているなという側面が強くなってきているように感じていました。あそこで一旦燃え尽きたというか、やり尽くした感があったというか。

 毎回参加できた者の傲慢でしょうが、もう毎年開催じゃなくてもいいんじゃないのかと、正直思ってしまう部分もありました。諸事情等で参加したくても参加できない方も多いので、この思いは本当に嫌味でしかないですし、そこは謝るしかないのですが、正直な気持ちとして、ここ数回は913祭に参加している高揚感はあるのですが、満足感はあまり抱けませんでした。

 当初の913祭は、村上さんの草加雅人(と草加雅人が変身する仮面ライダーカイザ)に対する飢えと、ファンの草加雅人(と草加雅人が変身する仮面ライダーカイザ)に対する飢えが同じ方向を向いていて、相乗効果にもなって祭を盛り上げていたと思います。草加雅人ファンは少数派であるという自覚からくる結束感や、プレミア感もありました。

 ただ、ここ数回は、ファンの飢えの方向は同じであまり変わっていないのですが(これは、初めて参加するといったファンも多いためと思われます)、村上さんの飢えの方向は変わっていったというか、飢えがなくなっていったんじゃないかな、と。だから、ザリガニの話を多く取り入れたり、役者としての村上幸平を全面に出したりせざるを得なくなっていたのではないかな、と。アクセントとしてそれらが入るのはいいのですが、コンテンツとしてそれらが入り込んでしまうと、913祭としての意味、意義は薄れてしまうでしょうし、現に薄れていたと思っています。

 村上さんも仰られていましたが、913祭を毎年続けることに悩んでいたこともあったそうです。事務所の社長や、司会の鈴木美潮さんに後押しされて続けたという面もあったとのことです。毎年続けることの苦しさ、そして慣れが、村上さん自身の草加雅人への飢えを上回ってしまったのかなと邪推しています。

 そこにプラスして、仮面ライダーカイザのスーツアクターをされていた、伊藤慎さんがスーツアクター業を引退されたというのも、大きな理由の一つとして、村上さんの中で一区切りがついてしまったという部分もあるんじゃないかなと思ったのです。

 私としては、今後数年は開催せず、555の20周年のときに、もう少し大きな会場で(勿論、今の会場が望ましいですが、来たいと思うファンが入りきらないから)、復活すればいいかなと思います。飛び道具というか、隠し球的な性質である半田健人氏と一緒のイベントも多くなり、サプライズ感もなくなっていますし(人の慣れは怖い)。

 555の主題歌の「Justiφ’s」を、半田健人村上幸平のデュエットでCD発売するに至り、そのMVを観て、「あー、たっくんと草加が笑顔で共闘できるようになったし、それが555の本当の最終回なんじゃないか」と思うと、草加雅人の敵である「運命」に打ち勝った瞬間は今なんじゃないかなとも思ってみたり。

 村上さん的には受け入れがたい部分があるかもしれませんが、村上さんが演じた役の中で、一番愛され、一番記憶に残ったキャラの祭が何回もできたというのは、いい思い出になったのではないかと思います、村上さんにもファンにとっても。だからこそ、その思い出を胸に前に進んでみようではないかなと。

 

 と、上記を一年前に書いていたのですが、結局アップしませんでした。なんとなく、アップすることを躊躇ったんですよね。でもね、令和最初の913の日、村上さんが色々とブッこんできました。先ずは、村上幸平、いや草加雅人が歌う「existence~KAIXA-nized dice」と「Red Rock」のCDシングル発売(9月13日発売)。そして、「仮面ライダー913」の漫画化。「仮面ライダー555」の漫画化じゃないですよ。草加雅人が主人公の漫画ですよ。電撃マオウ11月号(9月27日発売)から連載開始です。TTFC(東映特撮ファンクラブ)同時連載とのこと。すげー。昨年、なんかやるよとは言われていましたが、まさか、まさかの展開です。こうなれば、こちらも感想をアップして対抗しないとダメじゃないですか(そんなことはない)。ということで、アップします。来年は913祭、あるんかなー(←書いてることと真逆なことも言ってるw)。

 913祭の場で村上さんに言ったことがあるのですが、もうここまできたら、村上幸平演じる草加雅人が主人公の『仮面ライダー913』の実写映画化しかないでしょう。東映さん、お願いします。

 あっ、私は、役者としての村上幸平のファンでもありますよ。そこは誤解なきよう。『イケメン新選組』のDVDも持ってるしね(発売当時に買ったんですよ)。当然、ザリガニのCDも買ってます。

 

全日本プロレス 2018.7.29 大阪大会

 書いたままアップしてなかった(笑)。私が全日本プロレスのファンを辞めた決定的なことがあった大会です。書いたのを読み返してみたら、なんかまた腹が立ってきましたよ(爆)。

 以下、一年前に書いた内容です。

 3年7か月振りくらいの、エディオンアリーナ(大阪府立体育館)第一競技場での大会とのことです。えっと、これからかなりdisります。全日本プロレスマンセーの感想しか読みたくない人は、直ちに別のページに飛ぶことを推奨します。大会の試合自体は楽しめる試合が多かったのになー。残念ですよ。

 本大会観戦にあたり、私はファンクラブ会員なのでファンクラブ会員先行発売にて購入しました。最前列ならプレミアムシートで、最前列が売り切れているなら指定席を購入しようと考えていました。最前列がまだあるということだったので、プレミアムシートを購入しました。届けられたチケットにも1列目と記載があったので、最前列だと当日会場入りするまで思っていました。

 自分の席を探すときに、会場での実際の1列目がA列となっていました。1列目は実際には2列目でした。これ、詐欺ですよね。少なくとも私は騙されたわけですから。これでもうテンションだだ下がりですよ。別に最前列がなかったらないって言ってくれれば、指定席のチケットを購入したのに。かなり値段が違うというのもあるんだろうけど、こういう嘘はいただけない。貧乏な私にとって、1万円という金額は大きなものです。その気持ちを踏みにじったということを、全日本プロレスはきちんと認識してほしいです。タワーレコード難波店で行われた前日の公開会見にまで足を運び、テンションを上げようとしていた自分が情けないです。

 A列はカーベル等のスポンサー関係の招待客のようでした。招待客だからタダだったのかどうかは知りません。前から分かっていたことですが、全日本プロレスは有料入場者なんてどうでもよく、スポンサーの顔色だけが大事だということを、改めて思い知らされました。まぁ、現状の企業経営においては仕方がないことは理解はしてますけどね。

 当初は、本当に1列目が1列目だったのかもしれません。A列が少しいびつな配列だったりしたし。それならそれで、ファンクラブ会員先行販売のときに一生懸命電話してチケットを購入したファンを蔑ろにしたことになりますし、そうでなければ詐欺です。どちらにしても、ファンクラブ会員や有料入場者を見下げた行為です。企業としては、というよりも、人としてはやってはいけない不正な行為です。

 有料入場者が購入したチケットの総額よりも大スポンサー様からのスポンサー料の方が多いのだろうし、それであればスポンサーの顔色だけを伺うのは当然のことです。但し、有料入場者にはその実情をきちんと説明しないとダメでしょう。

 もう見る気も失せた中で始まった第一試合。大阪で活動している守屋(チケットをある程度捌けるのでしょう)や大スポンサー様をフィーチャーした大接待試合。こんなものをね、有料入場者である私に見せないでくれ。スポンサー関係の人達だけの大会でやってくれ。全日本プロレスの看板に泥を塗ってるだけ。もう全日本プロレスという看板を降ろして(運営会社は変わってるんだし)、カーベルプロレスという名前に変えたらええやん。その方がファンにも親切ってもんだよ。

 第二試合からはまともになり、楽しめる試合、迫力のある試合が続きました。それだけに、席で騙されたことと、第一試合が酷すぎたことが残念でなりません。

 タイトルマッチは、それぞれおそらく王座移動があるなという予想は、大勢の人が立てていたと思いますが、そのとおりとなりました。まさしく、大阪忖度大会。

 ゼウス選手もボディガー選手も素晴らしいと思いますよ。それは、このブログで以前に書いた感想にもきちんと書いています。特にボディガー選手は好みです。それでも、です。これはないだろうという忖度。チケットを捌けるからだろうでしょうし、興行なんだからそれが正解なんだろうけど、このモヤモヤ感はなんなんだろう。

 アジア王座戦は、最後はボディガー選手のよろけたバウンスで終わりましたが、そういう段取りだったとしても、実際には体勢が崩れたんだから、もう一度バウンスするとかした方がよかったと思うのです。そういうアドリブができる選手でしょうに、二人共。

 三冠は先に入場する王者である健斗が、試合前に憮然とした表情をしていたので、ベルト移動だなと思いましたが、そのとおりでした。ゼウス選手の戴冠に何ら文句はないけど、今はまだ健斗が王者じゃないとダメだと思うことと、今年の正月に三冠に挑戦して失敗し(当時の王者はジョー・ドーリング選手)、それ以降の今年のゼウス選手の実績からしても挑戦は時期早々だというのもあって、素直に喜べないんですよね。ゼウス選手が戴冠するときは、もっと素直に喜びたかったですよ。

 アジアタッグは、ノムヤギがどうやって勝つのかなと思っていたのですが、まぁ、終盤の畳み掛けは頑張ったよなって感じで、よかったと思います。ダメだったのが社長。自分のプライドしか考えてないのか、勝って王者になったチームにリング上での上から目線のお言葉。ノムヤギの二人も、一選手に戻って社長の訓示を聞く始末。周りには観客がいるんですよ。こういうことをやるから、プロレス界で天下を取ることができなかったんだよ、秋山社長さんよ。リング上では素直に負けを認めて控え室に戻れよ。老兵は静かに去るのみ、だよ。っていうか、そういう展開を考えてるのはあんただろうが(笑)。

 今年、何故かあと5大会分のチケットを買っちゃってるで、それだけは行くしかないけど、もうそれが終わったら、全日本プロレスの会場には行かないというか、ファンクラブも辞めます。全日本プロレスTVは早速退会しましたし。

 レッスルワンとか、全日本プロレス以外の団体はこれからも観に行くかもしれませんが、残りチケット分を行ったら、もう全日本プロレスは観ないでしょう。それが、全日本プロレスの行動結果による私の選択です。篩にかけたのは全日本プロレスです。そして、その篩からこぼれたのが私です。

 ということを一年前に書いていました。なんでアップしてなかったんだろう。この時から、かなりの変化が全日本プロレス内でありました。ノムヤギタッグは野村選手が三冠挑戦のためNEXTREAMから脱退するために解散し、保持していたアジアタッグも返上。秋山準代表取締役社長を辞任し、GMに就任(取締役のままかどうかは知りませんし、調べてもいません)。大森選手は取締役を辞任し、一選手へとなりました。

 野村選手がNEXTREAMを抜けた意味が分からないし、ジェイク選手と組んで世界タッグに挑戦したことも意味不明です。だって、その後、NEXTREAM所属ではないけど、健斗の正タッグパートナーであるヨシタツ選手が三冠挑戦しているし、その前哨戦の時は、健斗はタッグを組まずに戦ってるしね。そういうやり方を野村選手でもできたはず。それに、そのためにアジアタッグ返上って、その前に青柳選手の怪我で返上もあったけど、何の為にアジアタッグを獲ろうとしたのか、これまた意味不明な展開。

 代表取締役交代にしても、事務的なことはこれまでも現在の代表取締役がやってきていたのなら、特に体制変更する必要もないんじゃないかなと思ったり。経営的な面から言えば、代表取締役を二人にする方法でもいいんじゃないかなと思ったり。余程、経営面や財政面で緊迫してたんかなと邪推してしまいます。それとも、カーペルとかからの買収対策なのか。

 あ、なんかその後の動向とか追いかけてる私は未練タラタラですね(汗)。あかんあかん。

ワイルド・スピード/スーパーコンボ

一部ネタバレしています。disってはないと思います。

 

 

 

 

スピード感とテンポがうまい具合に組み合わさって、ほぼノンストップな展開に圧倒されながら、楽しく鑑賞できました。人物関係の描写にあまり煩わされないというのも、シリーズ物(本作はスピンオフですが)の利点だと思いますし、この映画はそれをうまく利用というか活用していたと思います。

 

 最近の映画の特徴である「続編作りたい病」に罹患しているのは、元々この映画もスピンオフであることから仕方がないとは思いますが、折角のキレを悪くさせてしまった点は残念です。ライアン・レイノルズのような大物俳優をワンポイントリリーフ的な感じで起用していたのも、このスピンオフ自体の続編を視野に入れた戦術なのでしょう。ライアン・レイノルズは、エンドロール内の途中で大活躍しているようですが(笑)。

 

 ステイサムは、見た目は老け具合が進んでいましたが、渋みが増して、その反動か野性味が少なくなったところもありますが、全体としては更にかっこよくなったなぁという感じです。巨大サメと戦った経験が活かされているのでしょう(違)。年齢的にもそろそろ最強オヤジ映画に殴り込む準備をしていてほしいところです。

 

 ロック様はなんとなく画面にずっと出ている割には、ステイサムやイドリス・エルバヴァネッサ・カービーに存在感を喰われてしまったかのような印象を受けました。これは、私がステイサム側のファンであるという気持ちにも寄るところが大きいとは思いますが。

 

 ワイルド・スピードっぽさがあるかどうかは見た人それぞれで異なるかとは思いますが、一本の娯楽映画としてはかなり楽しめるのではないかと思います。これまでのワイスピシリーズを観ていなくても楽しめます。勿論、観ていると更に楽しめます。

 

 主演の二人、ステイサムは本作のラスボスであるイドリス・エルバとの過去の因縁、ロック様は自身の故郷と家族との関係性、それら二つの大きな要素をうまく物語に落とし込めていたと思います。これ以上の描写をしてしまうと本作のテイストには合わなくなってしまうでしょうし、これがいいバランスだと思いました。

 

 ワイスピ本編の次回作(9)にはロック様は出ないようですが、ステイサムも出ないのかな。まぁ、ステイサムはあのファミリーではないから出なくもいいんでしょうけど。

 

 エンドロール中も、エンドロール後もお話がありますので、客席の灯りが点くまで席を立たないようにしてください。

 

X-MEN: ダーク・フェニックス

ネタバレしてます。disっちゃってる部分もあるかなー。

 

 

 

 

 

 

 

 一応、現行メンバーでは最後の映画なのかな。前メンバーでの当時の最終作品『X-MEN: ファイナル ディシジョン』でも、ダーク・フェニックスが題材となっていましたが、余程米国というか原作ファンはダーク・フェニックスが大好きなんかな。

 

 バトルアクションはよかったです。能力者同士の連携があったり。迫力もありましたし、こういうのを観たかったんだよって思いました。そういった部分も『X-MEN: ファイナル ディシジョン』を意識していたのかなー。

 

 お話自体は、宇宙人が出てきたりして、あー、ダーク・フェニックスというかジーン・グレイは途中で改心してこいつらと戦うんかなぁと思ってたら、そのとおりの展開となりました。

 

 『X-MEN: ファイナル ディシジョン』では、ジーンに絶賛片思い中のウルヴァリンが涙ながらにトドメを刺していましたが、今回はジーンが敵である宇宙人のラスボス(ジェシカ・チャステイン)と相打ち(というか簡単に相手を屠れるけど、わざと相打ちっぽくした感じ)になり、本当のフェニックス(?)になってお空を飛んでいる姿で終了です。

 

 教授にしても、X-MENのメンバーにしても、単純にもっと正直に話しあえよとしか思えない人物描写で、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」みたいに人間ドラマなんて薄くていいんですよ、怪獣バトルが大事でしょっていう振り切りさもなく、シリーズ最終作としては呆気なく終わったなという印象が拭えません。

 

 マグニートーが自信満々にジーンを殺しに出向いてあっさりとタコられたり、最終決戦でも宇宙人のラスボスの前に自信満々な表情で立ち塞がるもあっさりと排除されたりと、彼の悲哀を楽しむ映画でもあります。

 

 ジェニファー・ローレンスが序盤であっさりとジーンに殺されたり(というか、あれは事故死みたいなもんか)します。ジーンに殺されたからこそ物語が動くのは分かりますし、そういう動かし方にどうこうはないのですが、邪な感情ではありますが、役者かギャラの都合なんだなって思われてしまうのは残念なやり方だったのかなー。

 

 なんというか、悲壮感を漂わそうとしているのは分かるのですが、画面にそれが現れていなかったのがダメダメだったんじゃないかなと思いました。

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

少しネタバレしていますし、少しdisっちゃってるかもしれませんが、面白かったです。

 

 

※2022年1月2日 久々に観たので追記というか、ちゃんと観れてなかったところを修正しました。すいません。

 

 

 

 

 怪獣バトル(怪獣プロレス)の迫力はあるし、テンポもよくて2時間を超えているとは感じなかったくらい、楽しませていただきました。

 

ロダンラドン)はかませ犬>

 ラドンのファンの皆様にはなんとも屈辱的な扱いだけど、いいんだろうか。威勢良く復活し戦闘機を蹂躙するまではよかったのですが、キングギドラにあっさりと負け、最終決戦ではあろうことかキングギドラ側についてモスラと対決。モスラを追い詰めるものの、モスラの尻尾の針の一撃で撃退されてしまいます。最後は、キングギドラを屠ったゴジラが王の雄叫びをあげる中、あなたに服従しますという土下座な態度。いいのか、ラドン。そして、欧米の皆様には「ラドン」ではなく「ロダン」と発音される扱いです(笑)。

 

キングギドラとの最後の決着の付け方があっさりし過ぎ>

 キングギドラとの最終決戦で、復活したてのためか撃退されてしまったゴジラさんですが、モスラさんの命を賭した鱗粉(パックみたい)で復活、スーパーサイヤ人化。「モスラのことかぁ~~~。」と叫んだような気がします(嘘)。で、あっさりとキングギドラの首をもいで、踏みつけて終了と、欧米のバトルは以外と最後はあっさりと勝負が付くことが多いのですが、ここは最後に大技を見せてゴジラには勝ってほしかったところです。

 

<エンドロール後>

 最終決戦地ラドンさんが爆誕した場所の現地人が、今回の件で魚がいなくなり漁業で生計を立てられなくなったので、転がっていたキングギドラの首を回収し、チャールズ・ダンスに売っちゃう場面が挿入されますので、最後まで映画館にいてね。

 

渡辺謙の英語>

 下手というか、英語話者に通じるの?って思うくらいのレベルに聞こえたんですが、大丈夫なのでしょうか。以前や前作ではそんなことなかったような気がするのですが。チャン・ツィイーの英語も時々そんな感じになったりしてたけど、全体的には渡辺謙よりもスムーズに話せていたんじゃないのかなーと。私は英語は全く分かりませんが、なんとなく発音の面でブロークン過ぎるような気がしたのです。

 

<核爆弾>

 渡辺謙に核爆弾を起動させるという役目を負わせるのはいいのか。彼も反対はしなかったのか。日本は戦争での唯一の原子爆弾による被害を受けた国ということで、日本人の役者にそういう役目を負わせるという発想が怖い。でも、それをタブー視してしまう発想も危険か。難しいですね。多分、この映画ではそんなこと何も考えてなかったと思うけど。

 

マッドサイエンティスト

 ヴェラ・ファーミガが今風なスマートなマッドサイエンティスト役なのですが、もっと悪に振り切ってほしかったなー。それと、娘と共に明確に死んで欲しかったなぁ。あんたらのお陰で何人犠牲者が出たんだよ、直接的にも。ふんがふんが。

 

<双子>

 チャン・ツィイーは相変わらず綺麗だけど、彼女の役の祖母とか母の写真がチャン・ツィイー増殖になっていて面白かった。彼女自身の役も双子の役なの???双子の役でした)モスラの小美人へのオマージュなんだろうか。

 

<迫力と緊張感>

 この映画の一番の魅力はど迫力展開という部分だと思っていますが、有名俳優が序盤で死ぬという展開を入れることで、迫力だけではなく緊張感が少し出たと思います。サリー・ホーキンスが序盤であっさりと死んでしまうのにはビックリ。南極の海に沈んだのだろうか。半魚人は迎えに来るのだろうか。つーか、キングギドラさんに食されてましたね。

 

オキシジェンデストロイヤー

 最後の武器というか最終兵器にしてほしかったなー。折角キングギドラといい勝負をしていたところなのに、ゴジラを瀕死にさせてしまっただけという展開は、一作目へのオマージュなんでしょうけど。

 

<オマージュ>

 監督がゴジラ映画のファンらしく、色々と日本のゴジラ映画(怪獣映画)へのオマージュもあって、好きなんだなーって思う部分もあるけど、核爆弾とかオキシジェンデストロイヤーの扱いとかの部分も含めて、敬意を感じられないところもあって、観終わって冷静になって思い返した時点でちょっと複雑な心境になったのは正直なところ。まぁ、でも次回作は来年にキングコングと戦うみたいですし(共闘かも)、キングギドラの首がどうなるのか気にはなるので、楽しみにして待ちたいと思います。

 

アベンジャーズ/エンドゲーム

disってますし、ネタバレも随所にかましていますが、決して落胆したとかそういうのではなく、普通に興奮しましたし、楽しめた映画でしたよ。感想がかなり長くなり過ぎてしまいました。

 

 

 

 最終回感満載でした。一応、『アイアンマン』から続いたトニー・スターク一代記の幕引きと、キャプテン・アメリカ退場の儀式の映画として作られているんだから、そりゃ最終回感はどうしても漂いますよね。

 キャップが遂に「アベンジャーズ、アッセンブル」と落ち着いた、しかし覚悟を込めたセリフを口にした時の感動といったら。いや、ここだけでこの映画は役目を終えたんじゃないか、そんな気がしました。そしてもうひとつ、「I am IRONMAN」という社長の死ぬ間際の最後のセリフ。これは泣けました。うん、アッセンブルとこのセリフが、この映画でやらないといけなかったことなんだな、そう思いました。

 映画の中のキャラクターの生き様よりも、演じた役者やこれまでの歴史に重きを置いて作られたのかなと思いました。キャップの最後の選択、最終回という意味では最高かもしれないけど、映画の中のキャプテン・アメリカというキャラクターが選択することだったのかと思うと、私は違和感しかなかったというか。特に、トニー・スタークが自分の命を投げ打ってヒーローになった選択の後だからこそ、余計にそう思いました。だからこそ、社長の選択があれだったからこそ、キャップはこちらの選択をした、という解釈も分かりますし、理解はできますが、納得したくないんですよ(笑)。

 キャップがムジョルニアをとうとう手にしてソーを助ける場面はテンション上がりました、1回目に観たときは。ちょっと余裕ができた2回目の鑑賞時、前述の場面に繋がる少し手前、サノスに攻撃されているソーが離れた場所にあったストームブレイカーを手元に引き寄せようとしたのですが、ソーの手に渡る前にサノスが持ってしまうんですよね。ストームブレイカーってムジョルニアとは違って、誰でも持てるっていう設定だったのかな。どっちにせよ、その後のキャップがムジョルニアを持つ場面に水を差す演出だったとは思うのです。こういう雑なところもかなりある映画でした。

 物語の展開もよくよく冷静になってみるとグニャグニャというか。タイムトラベルに手を出すな、数年後という展開はダメだと、以前から口を酸っぱくして言ってるのにやってしまうからこういうことに……(苦笑)。コメディ部分も多すぎるというか。ハルクとバナーでSayグリーンはないだろ。なんで簡単に、たった18ヶ月で融合してんだよ。ソーもデブったままだし。最終決戦もそのまま。どういうことだよ。こういう部分をなくすことで、もっと時間を縮めるか、(これでもカットしてるらしいけど)カットした場面を入れるかとかできたんじゃないのかな。と素人に思わせてしまう時点で、この映画の作風というか作り方の路線としては失敗していると言ってもいいような気がします。まぁ、素人が言うなって言われるだけでしょうけどね。

 過去のサノスが今回のラスボスになっているからもあるんでしょうけど(最愛のガモーラを殺すという経験もしていないし)、前作のサノスより小物感満載で、かなりスッキリしないのも不満点かな。前作であった大物感を持続(という言葉は間違ってるけど)していてほしかった。インフィニティガントレットなしの素のサノスさんは、キレたワンダさんには一方的にやられ、多分マーベルさんにも及ばない程度の強さのようでしたし。ワンダさんに殺されかけて、敵味方構わず宇宙船からの一斉射撃をとっととやれと命令してるサノスさんの余裕のなさ(命乞いみたいなもんですよ)。ワンダさんもマーベルさんもストーンの力を持ってるから当然なんでしょうけどね、この差は。こういうところからも、小物感が拭えませんでした。

 ジェレミー・レナー真田広之さんとの戦いはよかった。ローニンのスピンオフを作ってほしい。勿論、最後の場面はこの映画の流用でいいですから。でも、ジェレミー・レナーの日本語はもっと鍛錬させないといけない(笑)。いや、トンデモ日本好きな自分としては、これでいいのだ!

 バートンとナターシャの関係性ですが、ナターシャが自身の命を捧げる、犠牲にすることでソウルストーンをバートンは手にするわけですが、最愛の人というには、バートンは妻子持ちだし(この映画もバートン一家からスタートじゃねーかよw)、ナターシャはバナー博士とラブラブになってたし、どうも二人の関係性が釈然としない。兄弟姉妹でもないようだし。戦友で親友ではあるんだろうし、そういう愛情もあるのは分かるけど。最愛の人を失ったが故のゲットだと考えると、バートンにはほかにも最愛の家族がいるんですから……。前作でも思ったのですが、ソウルストーンをゲットした時の場面、ベルセルクでグリフィスが覇王の卵と再会する場面を思い出すのです。捧げるのではなく、捧げられた側という違いはありますが。

 サノスに指パッチンで消えていった人が5年後に復活しますが、社会が大混乱しないのかなと。劇中で、みんながみんなナターシャみたいに過去だけ見て生活してるわけじゃないだろうし、キャップも前を見てなんて建前でも言ってたし。配偶者が消えてしまって、5年の間に再婚したけど、配偶者が復活したことによって泥沼化とか。子供が複数いて、上の子が消えてしまい、下の子がその当時の上の子の年齢を超えてしまったのに、上の子が復活となったときとか。で、ピーター・パーカーが高校に戻ったときの描写はそういうことだったようですし。アントマンの娘って、5年経ったら10代後半くらいの年の子でしたっけ?

 サノスの5年前の指パッチンでサラサラと消えていった人は蘇ったけど、今回のサノスとの最終バトルでアベンジャーズに加勢してなくなったモブキャラさん達もたくさんいんだろうなぁと思うと切ない。

主要メンバーの顛末
社長:指パッチンして死亡
キャップ:過去にストーンとかを戻しに行ったけど、そのまま過去にいついて彼女と結婚(?)
ソー:デブったままGotGのメンバーに(?)
ハルク:ギャグ要員に
ナターシャ:死亡
ホークアイ:ローニンになって生き残り(純人間としては快挙?)

 物語やキャラクターの整合性が取れない部分を、情報量の多さや、こういうのが観たかったんでしょうという場面を投入することで目線を逸らすというやり方がここ最近多いような気がしていましたが(その手法が悪いという意味ではありません)、今回はそのバランスが危ういというか、崩れてしまったように思いました。整合性なんて細かいことを言うなっていう人は、例えば、アイアンマンが急に仮面ライダーに変わっていたらどうしますかと問いたい。ヒーローには違いないだろ、細かいことは気にするなよって言われたらどうしますか。整合性が取れなくなるのは細かいことではなく、根本に大きく関わってくる大きな問題になりうるんですよ。と言いたい。大勢のキャラクターを登場させないといけないことから、難しいのは分かるのですが、今回退場するであろう初期主要メンバーにもっと絞って、丁寧に描いてもよかったのかもしれないなと思いました。

 なんか書いていると、不平不満というか、湧水のように出てきてしまいましたが、これまでの『アイアンマン』から始まったシリーズが一旦の区切りがあることからへのこの映画に対する大きな期待への裏返しであって、もう満足度数が他の映画に比べて極端に高くなっているのと、こうあってほしいという勝手な希望が混ざり合った結果なのです。

 MCU自体は続いていくみたいだからかもしれませんが、最終回を観た後のちょっとしたロス感がないですよ。この感想を書いていて気付きました。それほど、まだまだ興奮しているのかもしれません。

 

イップ・マン外伝 マスターZ

ちょっとdisっています。ネタバレも少ししているかな。

 

 


 ドニーさんのイップマンシリーズは、ドニーさんファンの間ではかなり支持率が高いと思うのですが、私はそんなに好みではないんですよね。それなのに、イップマンシリーズの三作目『イップ・マン 継承』のラストバトルの相手であった、マックス・チャン演じるチョン・ティンチ(張天志)を主人公とした映画を観に行ったのは、予告編でwktkしてしまったこと、イップマン以外の映画も含めてマックス・チャンのアクションが素晴らしいことを知ってしまったためでした。

 うん、マックス・チャンの佇まいというか雰囲気は素晴らしい。ハリウッド映画に出ていた当時のりんちぇの雰囲気にも似ているような気がします。憂いがあるけど、内側には青白い炎が燃えているというか。そんなマックス・チャンを堪能できただけでも儲けもんかもしれません。

 なのですが、取り敢えず豪華ゲストも呼んで作ってみましたという印象が拭えなくて、あまり楽しめませんでした。映画で中心になるキャラクターであろうチョン・ティンチ父子も、中盤ちょっと空気になってしまったりするし。序盤から中盤にかけての敵である中ボスも大きな制裁もなく(それこそ、劇中で人の命が腕一本なのかよ、ですよw)、ラスト自体の締まりもそれまで溜め込んでいた鬱憤みたいなものが晴らされたかというと、そうでもないような。

 チョン・ティンチの生き様というか、そういうのが『イップ・マン 継承』と比較してもあまり浮き彫りにされていないような気がするのです。イップマンに敗れて武術界から身を引いた割には、別に武術自体を捨てているわけでもなく、チョン・ティンチ自身も武術を捨てる気もなく(映画冒頭ではその腕前で裏稼業もやってるぽい描写もありましたし)、単に武術を誰にも教えていない程度(これは結構武術家にとっては重いことなのもしれませんが)としか映らず。格好良いキャラクターではあるけど、物語を中心となって動かしていくには最適ではないキャラクターだったのかな。

 私は、物語がダメダメだったのが原因だと考えています。チョン・ティンチというキャラクター、マックス・チャンという役者をどう活かすのか、そのための最善の物語はどうすればよいのか、という視点がなかったように思えます。だから、チョン・ティンチがバティスタとのラストバトルで、詠春拳を再び使い始めるという部分が最高潮に成り切れなかったんだと。

 豪華ゲスト陣を起用するのもいいのですが、トニー・ジャーとのSPL2以来の再戦や、ミシェル・ヨーとの戦い自体は素晴らしいのですが、ゲストに華を持たせるためかチョン・ティンチの強さが見せ切れておらず、これってこの映画から観た人には、チョン・ティンチの強さに迷いを生じさせることしかできていなかったように思うのです。そして、それが例えばイップマンに敗れたことが原因であるとか、そういう理由付けも感じられなくて。『イップ・マン 継承』も観ていることが前提ではあるでしょうけど、単にチョン・ティンチクラスの武術家なんてたくさんいるよっていう紹介にしかなってないんですよね。それがまた、有機的にチョン・ティンチと絡み、物語を構築していくわけでもないし。あ、ミシェル・ヨーは絡んでたか(笑)。

 チョン・ティンチにボコられたバティスタが這う這うの体で逃げてるときに、トニー・ジャーが肉弾戦で止めを刺すのかと思いきや、毒矢って(笑)。いや、ここで肉弾戦で止めを刺しても、トニー・ジャーが主人公でもないので違うだろというのは分かりますが、毒矢はないだろ、エンセリオマジで。そして、チョン・ティンチにボコられた後の、急に猫っぽく小心者に変身するバティスタの姿は素敵だし、バティスタが焼くステーキはおいしそうだった。焼きあがってから5分待って食べるのがいいらしいです。

 香港の警察署長(?)の人が、全日本プロレスに参戦中のジョー・ドーリング選手になんとなく似ているなぁと思いました。

 

復帰してしまいました。

 リネージュに復帰しました。6年から7年振りの復帰だと思っていたのですが、スクショを確認してみたら、たったの3年振りでした(笑)。それでも私がやっていた当時からはかなりの変更があってビックリしています。

 以前止めたのは(プロレスラーの引退みたいに何度も止めていますがw)、ステータス変更があって私のキャラクターであったINTプリでのプレイがほぼ不可能になったことと、使用していたパソコンが壊れてしまいプレイ自体ができなくなってしまったことでした。それで暫くログインしていなかったのですが、別のパソコンを用意し、キャラクターのステータスを変更してプレイを再開するも、どうにも身が入らず、結局そのままフェードアウトしちゃいました。

 今回復帰したのは、デスナイト変身でモンスを狩る姿は爽快でストレス発散になるのですが、それは別に自分がプレイしていなくてもよくて、YouTubeとかでアップされている動画を見ているだけでも満足だったのですが、2倍速とか4倍速になってたり、バックにゲームとは別の音楽を付けているといったものが多く、ゲームのままのものが見たいのであって、そういうのが見たいわけではないんだよなっていう気持ちが大きくなり、それならまた自分でプレイしようかなと思い始めると止まらなくなってしまって、今に至ってしまいます。

 装備は一応初級から中級者程度のものはあったので(デスナイトセットもあるしというか、それがメインw)、それでマッタリとプレイしようと思っていたら、タイミングよく復帰者支援イベントがあり、それに続く春のイベントもあって、レベル65の90%くらいからの再開だったのが、1か月しないうちにレベル77になってしまいました。

 数年前のレベル77はそこそこでしたが、今のリネは、昔のレベル30(全茶デビューレベル)が今ではレベル52(デスナイト変身可能なレベル)くらい、昔のレベル40中盤が今ではレベル76くらい、昔のレベル48や49くらいが今ではレベル80くらい、昔のレベル50が今ではレベル81くらい、昔のレベル52が今ではレベル83から、といった感じでしょうか。かなり昔の基準ですが……。

 復帰して一番ビックリしたのが、レベルアップが容易になっているということです。前回止めるときもレベル52までは簡単になれますという施策がありましたが、今はそれがレベル70になってます。まぁ、新規なんて限りなく0%に近いであろう今の状況では、狩場自体をレベルアップしていくしかなく、そうなるとレベルのインフレをするしかないというのは理解できます。狩場を増やすというのは難しいでしょうし(ダンジョン等を増やすにしてもキャパの問題もありますし)、キャラクターのレベルを底上げするしか仕方がないとは思います。

 なのですが、昔のリネはレベル上げがマゾ仕様で(っていうか、MMORPG自体がそういう傾向があったかな)、それを知ってる身としては、今のぐんぐん上がるレベルには驚愕です。レベル80以上になると大変にはなってくるみたいですが。私も、先に書いたようにマッタリプレイなのに、既に10以上もレベルが上がっています。イベント効果もありますが、それにしても上がり過ぎだろ(笑)。

 レベル52のデスナイト変身を夢見て、でもかなり遠いよなと思っていたあの時代はなんだったんだろうか。レベル52って、今では通過点ですらないですからね。

 また、期間限定発売の真デスナイトパッケージという課金アイテムを購入したのですが、装備や消耗品も豪華で、ほとんどが時限設定ありなのですが、重宝しています。デスナイトセットからこのパッケの装備に切り替えたところ、イベントマップもスイスイ行けるようになりました。商売上手だな(笑)。但し、期限が来たあとをどうするかが今から心配です。これ相当の装備を用意するのは無理だろうしなー。

 ということで、今はイベントマップを中心にマッタリとしています。イベントマップのボスに二回連続で出会ったり、フィールドのボスは周りに比べて強過ぎるじゃねーかよっていうのを実体験したりと、自分なりに楽しんでいます。

 

デス・ショット/DEATH.SHOT

disってるかも、ネタバレはしてます。

 

 

 フランク・グリロブルース・ウィリスが共演で、銃をバンバンしてる予告編を観ても面白そうだったので突撃してきました。

 いやー、観なくていいですよって言いたい(笑)。ブルース・ウィリスの無駄使いというか、はっきり言って役的に必要ないとも思えるし。ラスボスを最後に殺すのは彼だけどね。オープニングの演者クレジットのトップはフランク・グリロで二番目がブルース・ウィリスだったのですが、エンディングのキャスト表記ではブルース・ウィリスの役がトップと、彼に忖度しているのが丸分かりなのですが、その分のリソースを他に回した方がよかったと思います。ブルース・ウィリスがダメとかっていう意味ではないですよ。

 簡単に物語のさわりを書きますと、フランク・グリロは警察官だった父に憧れがあって、自分も人助けをするような職業に就きたい、警官になりたいという気持ちがずっと心の底で燻っていました。銀行強盗に遭遇し、何もできなかった自分に対しての失望みたいなものがきっかけとなり、燻っていたものが燃え上がってしまい、隣人のブルース・ウィリスにも焚き付けられ(笑)、自分がなんとかしないとと思い込み、そのせいで女性警備員やFBI捜査官が殺され、家族が拉致され娘が死にかけても、自分の気持ちを第一にした結果、FBIの懸賞金を初めてゲットしたという勲章を持って警察官に転職できました。という映画です。

 フランク・グリロの役は、職業は銀行の支店長、若くて美人の配偶者と、先天性(多分)の糖尿病を疾患している12歳くらいの可愛い娘がいるというもので、父親は警察官だったという設定です。豪華な家に住んでいたり、配偶者共々二馬力で働いていたり、なかなかいい車を二台(フランク・グリロと配偶者用)所有していたりと、中流の中でも上な感じなのですが、家計は火の車みたいで、庭師を呼ぶ回数を減らしたり、自宅セキュリティを間引こうとしたりしています。つか、家を売れよ、車を売れよと思ったのは内緒です。娘の治療費が大変だったのかな。

 7月5日(だったかな)、銀行が開店してすぐに銀行強盗(強盗は一人)に遭い、警備員が射殺され、お金(35万ドル以上)が盗まれた挙句に、捜査にきたFBIから犯人の一味ではないかと疑われ、会社からは暫く休めと言われます。

 フランク・グリロは自分はもっと何かできたはずと思い込み、隣人の元警官のブルース・ウィリスとプロファイリングみたいなことを始めます。で、何故か犯人の行動が分かってきちゃう彼ら(笑)。おい、待て、FBIや警察だって分かるだろうに、それくらいなら。

 犯人は、退役軍人で認知症になっている父親がいる50歳代の男性です。機械にも詳しく、犯行現場の事前調査は、清掃員とかの仕事で現地に潜り込み情報収集をしていたようです。犯行の動機はおそらく、国のために頑張った父親なのに認知症になり、老人ホームで寂しく暮らすような仕打ちをしやがってという復讐心のような気がします(映画の原題が『Reprisal』で、報復や制裁という意味の言葉らしいです)。

 フランク・グリロは、犯人の居処である倉庫を突き止めます。丁度、犯人が次の犯行に及ぼうとしているタイミングでしたので、犯人を追跡します。いやいや、そこで警察呼べよ、マジで。倉庫に犯行の証拠も揃ってるじゃんかよ。なんで自分でなんとかしようとするのか。ブルース・ウィリスに電話しますが、お前も警察呼べよ(笑)。

 犯人の次のターゲットは現金輸送車を襲うというもので、その犯行現場に遭遇しますが、結局、男性警備員は撃たれて死亡?し、犯行は成功してしまい、犯人にも逃げられてしまいます。しかし、フランク・グリロは犯人の思考まで分かるようになったのか、盗んだお金を隠した場所を探し当て、何故か家に持ち帰ります。いや、だから、そこで警察を呼べよ、マジで。

 犯人は、唯一の目撃者となっていた女性警備員が入院している病院に潜入し、その女性警備員から事情を聞こうとしていたFBI捜査官(←無能)を殺し、女性警備員から先の犯行を邪魔し、お金を持ち出したであろう人物(=フランク・グリロ)のことを聞き出したあとに女性警備員も殺しちゃいます。

 この前に襲った銀行の奴ってことが犯人にバレ、家族を人質に取ってお金との交換を要求する犯人。ブルース・ウィリスは知人のFBI捜査官に状況を説明し、応援を頼みます。お前の役目はそれだけかよ(笑)。つか、最初から応援を頼めよ。って、途中にもそういやー知人のFBI捜査官に連絡はしてたなー。

 犯人の待ち合わせの場所で、何故か銃撃戦になります。フランク・グリロに協力するブルース・ウィリスの知人のFBI捜査官や、偶然居合わせたパトロール中の警官も参戦。パトロール中の警官は派手に撃たれてぶっ飛んだりしてます。

 勿論、ブルース・ウィリスも参戦し、見事犯人を射殺。いいんかよ、それで。おいしいところはブルース・ウィリスが持っていってくださいという密約があったんでしょう。フランク・グリロの家族も無事で、めでたしめでたし。

 半年後、フランク・グリロは銀行員を辞めて警官に転職していました。というところで映画は終了です。

 描きたかったのは、フランク・グリロの秘めた想いがある事件を機に沸騰し、それに向かって突き進むというものだったのは理解しますが、なんかツッコミどころが多すぎて、映画自体も淡白に進むし、薄味の描写ばかりが続くので、登場人物の想いみたいなものが伝わってこなかったのが敗因なのでしょうか。いや、そもそもなんでフランク・グリロがそういう心境になったのかっていうのが観客にとっては突然なので、おそらくほとんどの人が付いていけないというスタートだったのが問題なのかな。警察呼べよ、としか思わない映画になっちゃってましたね。

 ブルース・ウィリスの役をなくし、もっとフランク・グリロの人物描写に注力して(それこそ犯人の人物描写もいらないと思う)、もっと家族からも孤立するような展開にした方がよかったような気がします、素人ながらに。

 フランク・グリロの配偶者役の人と娘役の人、女性警備員役の人が美人でした。それだけはよかった。配偶者役の人は棒立ち演技で、もうちょっと表情に変化があればよかったのにっていうのは言っちゃダメ。

 

赤い雪 Red Snow

disってはいませんが、面白かったということではありませんし、ネタバレもしております。

 

 

 タイトルとポスターと物語のあらすじから興味を惹かれたので、観に行ってきました。設定や関係性等について、ちょっと分からない部分が多かったので、自分の中で整理する意味で書いていきます。なので、あくまでも私がそう思ったということなので、それが正しい理解なのかどうかとは別ですし、ネタバレ全開です。

 映画の感想としては、最後の場面だけは幻想的で物悲しい雰囲気が滲み出ていてよかったです。それ以外は、察してくれ、読み解いてくれ系の映画ということと、物語が暗く重いので、観ている間から疲れを感じました。群像劇的な登場人物との接し方なので、登場人物と観客との間に意図的に距離を置いてるのかなと思うことがありました。そして、何を描きたかったのか、観客に何を提示したかったのだろうという気持ちが観終わったあとに残りました。記憶とは儚く曖昧で、自分に都合のいいものだということを提示したかったのだとしたら、内容が薄過ぎます。そこから先を映画には見せてほしいんですよね。

 物語の発端は30年程前に、永瀬正敏さん演じる白川一希の弟が行方不明になってしまったことです。それから10年後くらいの平成9年に火事があり、そのときに弟の白骨死体と思われるものが発見されます。

 ちょっとキャラクター毎に纏めた方がいいかな、ということで主要登場人物毎に書いていきます。

白川一希(演:永瀬正敏
 本編の一応主人公(主人公というより物語の中心に位置する人物という書き方が正しいような気がします)で、職業は椀の漆塗り職人?のようです。
 30年前に弟が目の前で行方不明になります。ショックから、弟が消えたときの出来事を覚えておらず、そのことが今も彼を苦しめています。その事件のせいで母親は風呂場で自殺してしまうなど、一家は悲惨な目にあったようです。
 真相は、母親は彼の弟を贔屓し溺愛していて(少なくとも彼はそう感じていた)、弟を誘拐することになる夏川結衣さん演じる犯人の(あ、書いちゃったw)江藤早奈江にお菓子で手なづけられ、自身の弟を贄に差し出した、じゃなくて、江藤早奈江が弟を連れて来てって言ったので彼女の部屋に行くように仕向けたのでした。
 そして、江藤早奈江も自分ではなくて弟を可愛がってる姿をドアの郵便受けから覗き込んで見てしまったことから弟への嫉妬心とかが沸点を超えてしまい、弟が行方不明になったときも警察や両親に曖昧なことしか言わず、良心の呵責からなのか(注意:弟がいなくなってしまえばいいという気持ちから嘘をついたのか、そういう気持ちから記憶を塗り替えてしまったのか忘れてしまったのか、イマイチ私には理解できませんでした)、そこの部分の記憶がすっぽりと抜け落ちて、そのことで自分を責め、苦しめつつ現在に至ります。
 江藤早奈江の娘である菜葉菜さん演じる江藤早百合と出会うことで少しずつ記憶が繋がっていき、最後は多分記憶を全て思い出してしまい、自分のしたことの愚かさや、そのことにより自分や家族を苦しめてしまったことにどんよりした感情になり、記憶を思い出したかったんじゃなくて、記憶を思い出したくなかったことに気付き、江藤早百合と傷の舐め合いなのか、二人で小舟で旅立って行きます(=自殺なんじゃないかな)。

江藤早百合(演:菜葉菜
 江藤早奈江の娘で、小さい頃から学校にも通わせてもらえず、押入れの中に押し込まれ、江藤早奈江が部屋に連れ込む男とのまぐわいを押入れの中から覗き見ているという生活で、碌に食事とかも与えられず、喉の渇きを癒すために夜中に水道の水をがぶ飲みしたりしていました。
 江藤早奈江が保険金目当てで殺した田中さんを紹介した佐藤浩市さん演じる宅間隆と、母親が家を出てからも同居しており(家を出て行った理由は不明)、体の関係を持ちつつ、暴力を振るわれつつも一緒に暮らしています。
 仕事は旅館の清掃員で、旅館のオーナーと体の関係があることから雇って貰えているようで、清掃のときに客が部屋に置いてあったり金庫の中の物やお金まで盗んでいたりします。他の従業員にもそのことは知られていますが、オーナーとの関係があるからなのか、見て見ぬ振りをされています。立ち寄るスーパーでも平気で万引きをしています。
 江藤早奈江が起こした二つの事件(白川一希の弟の誘拐と、田中さん殺しを火事で隠そうとしたこと)の目撃者(他にもずっと見てきたと思います)。事件のことを警察にも語りませんでしたが、自分に負い目があった模様で、最後は傷の舐め合いをしたいからなのか、白川一希と小舟に乗ってどこかへ行きます(多分、自殺なのかな)。

木立省吾(演:井浦新
 フリーのルポライターで行方不明事件と火事の件を結びつけて追っています。木立は偽名で、実は田中さんの親戚?息子?(どんな関係性なのかは不明だけど、隣に住んでいたのかな)。事件を追っていたのは、復讐のためなのか、好奇心のためなのか、ここらあたりはよく分からず。挙げ句の果てに宅間隆に殺されてしまいます。

江藤早奈江(演:夏川結衣
 江藤早百合の母親。男を取っ替え引っ替えして、保険金を掛けたりして殺していた模様。ショタコンでもあるようで、白川一希の弟を誘拐して殺害し(殺害したのはいつ頃かは不明だが、誘拐した10年後くらいまでは遺体を保持していた模様)、田中さんを殺害し証拠隠滅のため田中さんの家ごと放火したときも、白川一希の弟の遺体にまっさきに火をつけるという鬼畜。
 白川一希の弟の事件で逮捕されるも警察には何も語らず、結局は無罪放免になる。田中さんの放火事件も同様に何も語らず、無罪になった模様。警察無能(笑)。
 田中さん殺害後、一緒に住んでいたはずの宅間隆と江藤早百合のもとから出て行った理由は不明。宅間隆が娘にターゲット変更したことが理由のような気がします。

宅間隆(演:佐藤浩市
 元は大学病院に勤めていた模様。おそらく医師だったみたい(大学を出ているというやりとりからの推測)。今は、江藤早百合と一緒に住んでいるが、恋人同士という関係ではなく、肉体関係を持ち、DVするだけの間柄の模様。本人としては、いつも江藤早奈江と江藤早百合母娘の尻拭いをしてやってると思っています。
 気に食わない人物や、お金や貴金属を盗むために平気で人殺しをしているようで、劇中でも2名を殺害。殺害した人は山奥に埋めています(映像では白骨化した死体も確認できます)。
 映画の最後の方でおそらく江藤早百合に家で殺され、家は燃やされた模様。

 何故、赤い雪なのか。赤が象徴的に使われる映画ですが、血の色であるということ、事件の発端であるアパートの路面の色、後戻りできない選択をしてしまったことや何もできずに見ているだけだった後悔の色、なのかな。雪は普通は白いけど、登場人物達には赤く見えているのかもしれない、という意味なのでしょうか。
 それとも、一度白い雪の中に赤い色が染まってしまうと、もう白い雪には戻れない、という意味なのかなー。