悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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アンダーワールド 覚醒 3D

※ネタバレしています。


88分という短いランタイムということもあったとは思いますが、ノンストップで駆け抜けていって、飽きる暇がないほどでした。もう期待以上の面白さで、終始ドキドキしっ放しでした。僕の感想は、これまでの三作の中では、映画としての出来の良さは1で、好みは2だったのですが、それが変わっちゃいました。


バイオハザードシリーズは、いかにミラ様を美しく撮るのかが大事ですが、アンダーワールドシリーズは、いかにケイト・ベッキンセールをべっぺんさんに撮るかが大事だというシリーズです(三作目のビギンズはケイト・ベッキンセールではなかったですが、容姿が似ているローナ・ミトラが演じています)。今回も、ケイト・ベッキンセールはべっぴんさんなままではありますが、映画館の大画面で観ると、流石に少しだけ老けたよなぁというのがわかりました。それでも、許容範囲であり、昔から変わってないと言っても嘘ではないレベルです。べっぴんさん過ぎます。


それにしても、ケイト・ベッキンセールって、短足だし、頭でかいのに、なんでスタイルがかっちょええんでしょうねー。似たような体型のマーク・ウォールバーグの立場が……(って関係ないか)。


予習という意味で、DVDで、ビギンズ、1、2と時系列順で観直してから今回の鑑賞に臨んだのですが、特にそうしなくても、この映画だけを観ても楽しめます。ただ、これまでのシリーズを観ていたら、より楽しめるという、続編の見本のような内容となっています。


今回の物語は、2からの続きで、アレクサンドル・コルヴィナス率いる隠蔽組織がなくなったことで、人類側にも吸血鬼とライカンの存在が発覚し、圧倒的な人類の数の暴力によって、吸血鬼とライカンは粛清という名のもとにジェノサイドされていきます。セリーンとマイケルも追い詰められ、セリーンは捕まり、12年の間、冷凍保存されてしまいます。


12年後、実の娘によって解凍されたセリーンは、記憶が曖昧なまま囚われていた場所から脱走し、生き残りの吸血鬼に出会い、ライカンに追われていた、先に脱走していた娘とも合流、生き残っていた吸血鬼達の地下アジトへ避難します。地下アジトにいる吸血鬼達は、人類に抗うことを止めて、ひっそりと隠れて生活していました。


イカンの生き残り達も、人類から逃れる為に下水道等に潜って生活していたのですが、セリーンの娘が脱走したことによって、何故か突然人目を憚らず活動再開し、セリーンの娘を追い掛けます。


セリーンはある企業に捕まって冷凍保存され、その間にマイケルとの間に誕生した娘を摘出され、吸血鬼研究の材料とされていたのでした。実はその企業はライカン達の隠れ蓑であり、混血種であるセリーンの娘の研究を行い、ライカンという種の強化と、人類と吸血鬼の掃討を目論んでいたのでした。ここは、ルシアンがやっていたことの物語的な意味と、これまでの映画でのストーリーをリスペクトしたことの映画的な意味の、両者の継続なのでしょう。


マイケルも実は冷凍保存されており、発見したセリーンが解凍させますが、ライカン達との死闘の合間に、マイケルは姿を消してしまいます。セリーンと娘は自分達を閉じ込めていたライカン達を撃破し、マイケルの捜索を決意するということろで、この映画は終了します。


最後の、いかにもな、続編作りますよー、っていう露骨な終わらせ方だけは気に入りませんでした。1や2みたいに、続編はありそうな感じだけど示唆する程度に留めて、一応の区切りは付けて欲しかったなぁと。今回のラスボスの、セリーンとの接点の弱さから、区切りが付いてないと思ってしまったのかもしれません。


この映画で出て来るマイケルは、1と2のスコット・スピードマンが多分演じてないと思います。序盤にチラっと出てくるんですが、別人のようでした。きちんと映してないし。劇中で表示される昔の写真とかでは、スコット・スピードマンのものが使われていたりもするんですけどね。エンドロールでのクレジットにもなかったですし(見落としてなければ)、IMDbにも出演記載がないんで、恐らく出てないのでしょう。出演依頼はしたけど出てくれなかったんかなぁ。それで物語の修正もあったのかもですねー。


あ、マイケル自体が混血児なのに、混血児(混血種だったかな)と強調している娘を登場させたのは、スコット・スピードマンが出演しないっていうのが理由なんかなぁ。マイケルとセリーンの娘なら、仕込みは恐らくセリーンがまだアレクサンドル・コルヴィナスの血を吸う前なので、混血児と吸血鬼の間の子になるから、種としては退化しているかもしれないのに。


と思ったけど、2からいきなり今回に時間軸が飛んでなかったら、仕込みタイムはあったのか。でも、マイケルは始祖(アレクサンドル・コルヴィナス)の長男(だったかな。コウモリと狼に噛まれなかった息子)の直系の子孫で混血児だけど、セリーンは吸血鬼かつ始祖の血を引き継いでるので、その間の子供が吸血鬼とライカンの混血児になるとは限らないですよね。


アンダーワールドシリーズは、結構丁寧に辻褄を合わせているというか、設定をかなりきちっと作っている印象があります。2のラストで示唆されていたように、セリーンはちゃんとデイウォーカーになってますし。今回は勢いを重視したのか、娘ってどうやって摘出されたんだろうとか、娘って今まで血液摂取してないんかなという疑問や、尋問せずにいきなり吸血行為に及んで記憶を探ればいいだろうとか、丁寧さが1や2に比べるとなくなっていたんですが、よく思い返したら、それはビギンズからなくなってたんで、ま、いっかという気持ちに落ち着きました。


人類と吸血鬼とライカンという、まだわかりやすい構図にしているからそんなに気にはならないかもしれませんが、完全にジェノサイドですよね。元々は人間なんだし、吸血鬼もライカンも。この映画での人類は、他の選択肢なんて考慮せずに粛清作業に入ってますが、これ、現実もそうですよね。民族闘争とか宗教闘争とか。制作陣がそこまで意図していたかどうかはわかりませんが、人類から戦争がなくならない理由がわかったような気がしました。


と書くと暗い気持ちで終わっちゃうなぁ。そんなテーマなんて考えなくても、アクション全開満載なので、アクション好きな方なら楽しめると思います。