悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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帝戦 BAD BLOOD

愚直にネタバレかましてます。




 原題は『破門 BAD BLOOD』で、原題の方が当然映画自体の内容を表してるというか、「BAD BLOOD」という言葉が一番この映画の内容を表しています。

 群像劇ではありますが、一応ヒロイン扱いのオードリーという女性が主人公というか、中心となっています。さらにこのオードリーはラスボスでもあるので、主人公は実はラスボスですという珍しい映画でもあります。

 映画を観ている限りでは登場人物の相関関係は分かり難いのですが、アンディという犯罪組織のボスには異母兄弟姉妹がたくさんいて、アンディが長兄です。ラスボスであるオードリーと同じ母親を持つ弟以外の異母兄弟姉妹は犯罪組織に関わっているようで、前のボス(異母兄弟姉妹の父親)の子分らや、異母兄弟姉妹にとってのおばさん、前のボスの妾さん(ちょっと差別用語かもしれません。ごめんなさい)らでファミリーが構成されているようです。

 異母兄妹や幹部の皆さんのほとんどは(女性を除いて)、格闘技の素地があってかなりのツワモノ揃いです。

 物語は、偽札の原版(もしかして本物の紙幣の原版かも)を、FedExを偽って強奪しようとしたアンディさんご一行が、警察に追われているところから始まります。アンディさん以外は逃げ果せたのですが、アンディさんだけは捕まり、原版は警察に取り戻され、挙句の果てにあっさりとアンディさんは死刑にされちゃいます。

 って、中国(香港?)の死刑って、一般公開されてるんですか。地方の小さな球場みたいな場所で死刑は行われていましたが、普通に野球観戦しにきました風の若者とかが呑気に死刑の場面を見てましたし。なんか、リアルにそこは怖かったです。

 アンディは死刑となる前に、弁護士と妹のオードリーに遺言を託します。これが事件の発端です。

 アンディの死後、残されたファミリーの多数決でサイモン・ヤム(一応トップクレジットで、実は前のボスの養子で、役名がファンキーですw)が組織のボスになります。

 ここから、組織を実は牛耳りたかったオードリー(遺言の遺産を組織に渡したくなかったっていうのも理由かな)と、他の異母兄弟姉妹との待遇の差に不満を持っていたカーフ(アンディ・オンが演じています)が密かに動き出します。

 オードリーは、母親が同じである弟(喘息の持病もあり、サンフランシスコ在住で、カタギの仕事をしている模様。組織とは距離を置きたいようです)を居住している米国から、アンディの遺言はファミリー全員が揃っていないと開封されないという理由で呼び寄せ(実は弁護士と組んでの嘘で、その弁護士はおそらくオードリーに自殺に見せかけた形で殺されちゃいます)、車に爆弾を仕掛けてぶっ殺します。

  カーフはカーフで今が組織での自分の地位向上のためのチャンスと、異母兄弟姉妹、幹部らを暗殺(という割には派手ですがw)しまくります。

 カーフは、中盤あたりでオードリーに共闘を呼びかけられて、オードリーの野望(組織を乗っ取りたい)を薄々感じますが、ここでカーフ自身はボスにはなる気はなかったような描写です。異母兄弟姉妹や幹部らを始末したあとは、オードリーがボスでもいい感じだったようです。そこは、おそらく、父親に認められてこなかった異母兄弟姉妹同士だからという感情と、前々からオードリーがボスであったらという気持ちがあったようです。

 カーフは、発話障害の孤児の女性を養って(?)いて、この女性もカーフほどではないですが、かなり強いです。ファミリーの中では、カーフが一番強いっぽいです。ほんとは、オードリーが一番強いのかもしれませんが(笑)、正面切ってカーフと戦うことはせずに殺しましたからね、オードリーは。

 オードリーとカーフによって、異母兄弟姉妹、幹部らが次々と殺され、最終的にはオードリーとサイモン・ヤムの二人になります。あ、格闘技の素地のない女性達は、オードリーが正体を現したあとで、オードリーの手によって殺されました。

 オードリーは、自分を疑うサイモン・ヤムとタイマンで決闘し、圧倒的強さでサイモン・ヤムをぶっ殺します。オードリーは、少しでも驚異となる者を排除したいという理由で、異母兄弟姉妹を暗殺していたのです。

 ラストは、発話障害の女性がカーフの敵討ちとばかりに、組織の本部に殴り込み、手下達を苦戦しながらも倒し(何故真昼間に正面突破なんだよw)オードリーのところにたどり着きますが(つか、なんでオードリーがカーフを殺したってわかったんだよ)、オードリーは彼女よりも圧倒的に強く、あっさりと倒します。ただ、発話障害の女性は手榴弾を持っており、勝ち誇ったオードリーに突っ伏しているところを笑いながら蹴られているときに抱きついて、一緒にあぼんで映画は終了です。救われね〜〜(笑)。

 途中、コメディタッチな場面があったりするのですが、もっとどシリアスな展開であってほしかったですね。アクションは素晴らしく、また、本性を現したあとのオードリーの傍若無人ぶりもよかったです。