今田美桜さんの目ってでかいっすよね
新宿ピカデリーにて鑑賞
実写版の映画『秒速5センチメートル』での松村北斗さんの演技やリズム、佇まいがとてもよかったので、今回もそれが堪能できるかなと思って観に行ってきました。
松村北斗さんの演技が今回は全体的に棒っぽかったけど、それが事態を飲み込もうとしても飲み込めないもどかしさみたいものが自然と出ているように見えて、私は結果的によかったなと思っています。
原作準拠(原作は未読)だからなのか、主要キャラが(画面からも物語の進行・展開からも)出たり入ったりで落ち着きがないように感じました。映画全体が抑えめのトーンというのもあってか、余計にそれが目立ったというか。開始から15分くらい、主演の松村北斗さんとか出て来ないですしね。群像劇っていう形でもありませんし。
柄本佑さんが演じた刑事(五代努)を主人公か狂言回しとして固定した方が、映画的にはどっしりとしたかもと思ったりしたんですが、ウィキペディアを読みますと、原作小説では五代刑事が主人公っぽい立ち位置みたいですね。小説では五代刑事が続投する続編もあるようですし(今回のお話との関連性はないようです)。
謎解きがメインでもなく(正直、ミステリーの内容も薄いとは思う)、どうしてこんな事件が起きたのかがメインでもなく、加害者と被害者の遺族がいい感じになっていく過程に重点を置いているわけでもなく(予告編や制作意図はそこだろうけど)、と映画全体の焦点はかなりボヤけているのに、なんでか一気に見せる力があったのは謎(笑)。
本作はキャラ全員が立っていて、俳優さんの演技も素晴らしかったのですが、前段で「一気に見せる力があったのは謎」と書いた理由、謎の部分がそれなのかなとも。特に、遺族側の女性弁護士(多分、松岡依都美さんという俳優さんが演じられているようです)のキャラがよかったですね。映画の世界観というか雰囲気に馴染んでいるのに、しっかり目立つという感じが。
小料理屋の孫が「ばあちゃん、唐揚げ食べたい」とぶっきらぼうに言うところが、こいつが真犯人ですよという匂わせ演出としては効果的だったなと、観終わったあとに思いました。引っ掛かるんですよね、あの場面。
お年寄りの方に西暦何年で何がありましたかって訊ねたのは違和感。昭和で言おうよ、昭和で。と画面にツッコミましたが、まぁ、作劇の都合というのは分かりますし、昭和で言われても観客にはピンと来ないでしょうし、どうでもいいことですね。
なんかdisってる感じになってますが、悪くはない映画だったとは思います、マジで。
劇中で五代刑事が映画館で小津安二郎監督の映画『麦秋』を鑑賞している場面があるのですが、ビックリしましたよ。懐かしい。
ラストというかエピローグ、松村北斗さんが出ているのもあるけど、『秒速5センチメートル』の別エンディングを観てる気分になったりしました。それだけでも、個人的には本作を観た価値はありました。
三浦友和さんを拝見して、「あっ、三浦貴大パパだ」と思ってしまったのは許してください(笑)。