悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ゾンビ大陸 アフリカン

※ネタバレしてます。


前から話題になってて(勿論、世間一般ではなくゾンビ映画好きの中でだけ、ですけどね)、東京では既に公開されてたんですが(ムッキー)、大阪ではいつ公開されんねやろとやきもきしとったんですよねー。やっとことさ、十三の第七藝術劇場で公開されたので、早速観てきましたよー。


邦題からは、かなりとんでもない映画を想像させるんですが(原題は『The Dead』)、中身はびっくりするくらいの、正統派のシリアスゾンビ映画でした。近年のゾンビ映画だけじゃなくて、数多あるゾンビ映画の中でも、傑作の一つに数えられるんとちゃうかなぁってほどでした。


この映画でのゾンビは、最近主流派になっている、活発的な走るゾンビではなく、ロメロゾンビよりもゆっくりなんとちゃうのってくらいのノロノロ系ゾンビで、それがまたアフリカの広大な土地や風景に何故かマッチしてて、ゾンビへの恐怖感はないものの、終末的世界へ向かっているのかなという不気味さを醸し出していました。


また、ノロノロであるが故に、人間側も油断しやすいという描写も、ロメロ系ゾンビへのリスペクトなんでしょうねー。


冒頭で軍の輸送機(ヘリコプターじゃなくて)が墜落したり、ゾンビ発生の理由が明確じゃなかったり(惑星の爆破が原因じゃない≧(´▽`)≦)、世界的に起こってることなんか、局地的に起こってることなんかわからへんし、外界との情報を取る手段がほぼなかったりと、全体的にロメロのゾンビ映画の外伝的要素(スピンオフ的な)も加えているんかなぁとも。


お話は、アフリカ大陸でゾンビハザードが発生し、アフリカ大陸に駐屯していたアメリカ軍も撤退を始めます。ある一つの基地から脱出した輸送機が墜落し、アメリカ軍の技術士官がかろうじて生き残ります。彼は、家族に会う為に、アフリカ大陸を脱出し、アメリカ(大陸だと思います)に帰ることを目指します。途中、家に残してきた家族(配偶者と息子)を心配して、所属する軍を抜け出してきたアフリカ人兵士と合流し、二人が協力し合って、ゾンビだらけになっているアフリカ大陸を横断するというものです。


あ、こう書くと、『ゾンビ大陸 アフリカン』っていうタイトルの方が合ってるような気がするのはなんでやろう(笑)。


アフリカの広大な土地を利用する目的だと思うんですけど、全体の構成がロードムービーになっているところが、どこかに籠りがちになるゾンビ映画に対して、新鮮な空気を呼び込んでいました。この辺りは、『ゾンビランド』を意識したのかもしれません。


主人公の人が、バイオハザードの2&3に出てた兵士に、ちょっと似てるなぁと思いました。っていうか、最初は、同じ人?って思っちゃいましたよ。ひょっとして、バイオハザードシリーズへのオマージュなんでしょうかね(違)。


ゴアシーン、お食事シーンも頻繁にあり、その面でのゾンビ映画ファンの渇望へも手を打っているところは、なかなか気配りも忘れてへんねーと感心しました。一部、作り物丸わかりなところもありますが、それはご愛嬌ということで。


夜になると辺りは真っ暗になりますが、そこをあまり恐怖感に結びつけられなかったのは勿体なかったところですね。やりすぎても色々と問題が起こってしまうかもしれませんし、しゃーなかったんでしょうけど。


アメリカに対する批判もきっちりと入れているところは、シリアスな映画ならではということろでしょうか。結局は、戦争なんてアメリカの自作自演で、自分達が危険になったら、スタコラサッサと逃げてしまうじゃないかという、強烈なメッセージを送っています。一応、舞台はアフリカ大陸というだけで、どこの国がメインなのかは明示して(ですよね、多分)ませんけどね。そう言えば、劇中で国名が出ているのって、アメリカだけだったような。


ラストは、主人公と、もう一人の主人公であったアフリカ人兵士の息子(この役者が無駄にさわやかなイケメンなんですよね)が、週刊少年ジャンプ的な、俺達の戦いはこれからだ、みたいな構図で佇む画は、こういう終わり方はあまり好きではないのですが、何故かこの映画ではほっこりとしてしまいました。


あ、この終わり方も、ロメロの『ゾンビ(Dawn Of The Dead)』のラストを意識してるのかなぁ。