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悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2016©りょんりょん) ※映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。

マイ・ブラザー 哀しみの銃弾

ネタバレしていますが、disってはいないと思います。


 予告編を観て、これは面白そうって思ったので観てきましたが、面白かったです。舞台は1974年のニューヨークのブルックリンで、そういった時代設定から、劇中で流れる音楽は60年代、70年代のものが多く、その時代の音楽が大好きな人も楽しめるんじゃないかなと思います。

 映画の中の空気感も、どこが懐かしいという匂いをプンプンさせて、まるで昔のアメリカ映画、アメリカンニューシネマとか言われていた時代の映画を観ているような気分にもなりました。

 勿論、今の時代に活躍する俳優さんが多く出演されているので、新しい映画だということはわかりますが(笑)。ただ、無名の俳優で同等のクオリティで作られていたら、もしかしたら、わかんなかったかもしんないです。

 映画は、少年時代から悪事を働いて何度も監獄にお世話になっている兄と、警官になって品行方正に生きている弟を対比させながら、冒頭から破滅の息吹を観客に伝えていきます。

 クライヴ・オーウェン演じる兄と、ビリー・クラダップ演じる弟が、まぁ似てないこと似てないこと。でも、二人の演技、雰囲気に、徐々に映画の世界に引き込まれていきます。

 前半は弟が主人公として、後半は兄が主人公として、物語を進めていきます。全体を通じては、兄が主人公だったかな。

 個人的には、もうちょっと兄弟の絆を確認させるようなエピソードが欲しかったところですが、最後の場面はよかったです。

 再び犯罪者になった兄をどうしても警官として接することが出来なかった弟は、犯罪がばれ、警察に踏み込まれて捕まりそうになっている兄を助けることを選択します。兄は逃げますが、弟が逮捕した男から命を狙われていることを知り、自分が逃げて助かるよりも弟を助けることを選択します。

 駅のホームで弟を背後から拳銃で撃とうとする男を背後から拳銃で撃つ兄。そして、弟に向かって当然だろという表情を見せる兄。ここでのクライヴ・オーウェンの顔が凄くいいんですよ。自信に満ちあふれた顔で、当然じゃないかって訴えている、あの顔。あれを観るためだけでも、この映画の価値はあると思います。

 兄はもう刑務所から出られないでしょうし、弟ももう一緒にいた女性とはうまくいかないだろうということがなんとなく想像出来て、本当に破滅の予感を残したまま、映画は閉幕します。でも、なんか切ないとか悲しいとかっていう感情ではないんですよね。

 それは、やはり、クライヴ・オーウェンのあの顔の表情が、この映画のトーンを決定付けたからだと思います。