悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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EMMA/エマ デッド・オア・キル

ネタバレしています。disっています。

 

 

 

 

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞

 

 作りたいものは分かるけど、頑張りだけではどうしようもないということを証明してしまっている映画かな。いい場面もあるけど無駄な場面の方が多く、そのことで展開も怠くなっているし。丁寧に描いているから時間が長くなってるんじゃなくて、無駄な場面を散りばめているから時間が長くなってることに製作陣が気付いていないところが問題なのかもしれません。

 演出力はあり、ある場面だけで状況も登場人物もしっかり描けているじゃんと思うのですが、それを掘り下げるでもなく、以前の場面と同じ目的と結果をもたらす機能しかない別の場面を入れ過ぎているといいましょうか。はっきり言えばくどいんですよ。こういう映画ってテンポも大事だと思うので、それはかなりな失策でしょう。

 主人公の行動に一貫性がないのもダメかな。逃げたいのか、敵を迎え撃ちたいのかはっきりしない。そのはっきりしなさを主人公の葛藤の表現としているのかというとそうでもないし(覚醒する前の一場面だけ葛藤の場面がありますが)。迎え撃つにしても覚醒までがやたら長くてイライラします。父親に幼少の頃から鍛えられていて、父親も銃の扱い以外は高い能力を持っていると言う割には弱い、ほんとにかなり弱いというのも映画自体の弱さに直結しています。

 総括すると、主人公も敵も頭が弱すぎるという風にしか見えないのがこの映画の最大の弱点。演じる役者さんもアクションが下手なのか強さを感じない動作なのも、その弱点をより致命的にしているように思えます。

 主人公のエマは彼氏と喧嘩中の小学校の教師。夏休みに実家への帰省の途中、周りには何もない砂漠地帯で車が故障し助けを求めて銃声のする方に向かうと(何故そっちに向かうw)、コカイン運搬中の犯罪グループが偶然出会した警官を拉致って殺そうとしている現場でした。犯罪者グループの一人が警官を撃った時、エマは持っていたビンを落として割れてしまい、その音で犯罪者グループに見つかり捕まります。

 警官は死んではおらず、なんとか方々の体でパトカーまで戻りエマを見捨てて応援を呼ぶ為にパトカーで逃げますが、犯罪者グループのボスはライフル射撃が得意で逃げる途中の警官を撃ち殺します。その隙にエマも逃げ、自分の車に戻って逃亡(というか歩いて実家に帰ろうとする、かな。この場所から自宅までは40キロ程です)するための準備をします。

 犯罪者グループはエマを追いかけます。エマもダラダラと逃亡し、犯罪者グループの一人に追いつかれます。暴力は嫌いといいつつ、やっとここで覚醒して犯罪者グループの一人をナイフで滅多刺しで屠ります。ここで映画が始まって一時間ちょっとくらいです。長い、長いよ。

 その後、はっちゃけたエマさんは犯罪者グループを一人ひとり屠っていきますが、兎に角強くない(笑)。なんとかぶっ殺してるって感じです。犯罪者グループも頭が弱いので、いい勝負になっています。

 最後は犯罪者グループのボスが何故かライフルでエマさんを撃てるポジションにいながらも撃たず、エマさんの挑発に乗り、普通の銃で西部劇のような対決の図式となります。エマさんは犯罪者グループから奪った二丁の銃をジョン・ウーの映画張りに二丁拳銃として装備し、対決に望みます。エマさんは父親曰く銃の扱いだけはうまくならかったのですが、このボス戦で開眼しなんとか撃ち勝ちます。

 満身創痍でとぼとぼと歩いてエマさんは父親が待つ実家に戻ります。泣いてエマさんを迎える父親。つかあんた、娘が本気出したら楽勝とか言って自信満々だったじゃねーかよ(笑)。娘さん、ごっつ辛勝でしたよ。その後、病院のベッドからスマホで彼氏に詫びて喧嘩も仲直りして映画は終了です。

 エマが切れるまでの展開はもっとシンプルでいいし、その後はエマさんが圧倒的に犯罪者グループを屠っていくというお約束の展開でよかったと思う。