悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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エンド・オブ・ステイツ

ネタバレしています。disっています。

 

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞

 

 やっと観れたー。『エンド・オブ・ホワイトハウス』も『エンド・オブ・キングダム』も好みの映画だったので期待していて公開時に観に行こうと思っていたら、いつの間にか公開が終わっていたんですよね。ちゃんと確認していない私が悪かったのですが(泣)。

 簡単に一言で言うなら「ジェラルド・バトラーはかっこいいけど、それだけの映画」ですね。

 お話の弱さと甘さに、ジェラルド・バトラーの絶対やられない感が相まって、過去二作に比べると質も満足感も低いものになってしまったように思えます。副大統領が黒幕とか、主人公の友人が実行犯とか、その実行犯は主人公の今の境遇を羨んでいて自分も最前線で燃え尽きたいという気持ちがあるとか、FBIの捜査官は間抜けだとか。そういった使い古された設定や展開ばかりを選んで、捻りも加えずに作劇してしまったのが大きなミスだったのではないでしょうか。

 製作自体は丁寧にされているので(ハリウッドのビッグバジェット系ですし)、シリーズ云々は置いといて、ジェラルド・バトラーではない別の俳優を主人公とした映画ならもう少し緊迫感は出せたかもしれません。難しいところです。

 しれっと最初に書きましたが、副大統領がロシアと戦争したがっていた(強い米国復権のため)のが事の発端です。軍縮路線の大統領を抹殺して自分が代理で大統領になることで戦争を仕掛けようとしたのでした。おそらく、自分が大統領選に出馬しても大統領にはなれないことは分かっているので、大統領の権限を代理でもいいから使うために大統領暗殺を計画したという経緯の設定と演出だったように思います。

 主人公の友人は米軍で同じ戦場にいた同期みたいなもので、今は民間軍事会社を経営していますが、大統領の軍縮路線の影響もあってか赤字経営となっています。そこをジェラルド・バトラーに昔のよしみでなんとか仕事を回してよとお願いしつつ、ジェラルド・バトラーを自分達の身代わりとして大統領暗殺の犯人に仕立てあげようとします。この人はこの人で戦場を求めていたというか、訓練ばかりではなくそれを実践で試したいという気持ちが燻っていての暴発といったところでしょうか。

 よかったところは結構ネームドキャラがあっさりとお亡くなりになるところです。その中でも物語の中心にいたFBIの現場指揮官のお姉さんですが、真相に近付くも主人公の友人に殺されます。その殺され方が、エベレストに登るのになんの登山装備もせずに向かうという無謀さなのはちょっととまどいましたね。まじっすかっていう感じですよ(笑)。そんな展開的だったので、これはFBIのお姉さんも犯人一味だということか、と思った直後にあっさり殺されちゃいましたから。これならFBIのお姉さんのキャラが出てる意味がないよなって。あ、こう書くと悪かったところになっちゃうな。

 大統領の補佐官みたいな人も大統領を結果的に庇った形になってしっかり殺されてしまいました。印象に残る殺され方でした。おいしい役というやつですよ。

 ジェラルド・バトラーの父親役でニック・ノルティが登場します。やさぐれ感とかも含めてなんか二人の雰囲気が似ていてよかったです。父親も軍人でしたが、戦争によるPTSD(なのかな)でジェラルド・バトラーと母親を見捨てて失踪していたという設定です。森の中に家を建て、自給自足の生活をしつつ、しっかりとモニターを設置して来訪者をチェックし、家の周りには地雷を埋めたりと、一体何を恐れているんだよって感じでしたが、それらもまだ心は戦場に置いたままという表現なのでしょう。

 大統領が目を覚ましジェラルド・バトラーの冤罪も晴れますが、犯人一味に病院は爆破され追い込まれるものの、大統領を隠した部屋をわざと無防備にし、誰もいない部屋を残った戦力で守る(という風に敵に見せかける)作戦が成功してなんとか救援部隊が到着するまで大統領を守り切ります。

 ジェラルド・バトラーと友人は病院の屋上で一騎討ちをします。銃撃戦からナイフを使った戦いとなり、最後はジェラルド・バトラーが友人の心臓を一刺しして争いに終止符を打ちます。

 ジェラルド・バトラーは長年の後遺症からか体がボロボロで大統領の警護官を辞めようとしますが、大統領に説得されセキュリティサービスの長官の話を受諾して映画は終了です。と思いきや、父親と多分一緒に暮らすことになり、二人揃って胡散臭そうなリハビリセンターで悪態ついてる場面で本当に映画は終了です。

 余談ですが、大統領をコードネーム(?)で「パスファインダー」と呼ぶのですが、そう呼ばれる度にウルティマオンラインを思い浮かべてしまいました。

 これがシリーズ最終作になるのかどうか分かりませんが、もう一作、ガツンとくる内容で終わるようなものを期待したいです。