この映画は個人的にはかなり気に入っております。パンフレットも買ったしね。でも、disっているのだ。仕方がないのだ。ついでに、微妙にネタバレもかましております。
昔の金妻のドラマみたいに、不倫は仕方ないよねスタンスです。というか、マジで80年代や90年代のトレンディドラマを観ているかのような気分になりました。ということは、そうです、ボクには大好きな感じの映画ということですね(笑)。
でも、disります。ええ、disりますとも。あ、不倫はダメですよ。
その前に、良かったところを。映像は凄く綺麗でした。丁寧に、真摯に作られている映画だなっていうオーラが充満しておりました。
よし、では、disっていこうか。
現代と21年前(1992年の設定)を行ったり来たりする映画なのですが、現代のキャストと、21年前のキャストの容姿の繋がりが希薄なのです。4人の俳優さんはそれぞれ魅力的な容姿ですし、演技も素晴らしくて、そこに文句はありません。でも、似てないというか、21年前の俳優さんの容姿が大人になっても現代の俳優さんの容姿にはならないだろうなって感じですし、逆も然りです。
現代か21年前の俳優のどちらかには似せていかないといけないのに、ミスキャストでしょう、これは。雰囲気すら似てるの?って感じだったし。それぞれの俳優さんが魅力的だっただけに、余計にその差異が浮き彫りにされちゃってるんです。
そして、雰囲気とかに騙されてはいけません。この映画は、かなりのバッドエンディングです。マースデンというかサイクロップスの父親と兄二人は、仲間と共に麻薬密売とか危ない裏商売をやっていて、サイクロップス一人だけが真面目に善良に生きているんですが、家族にはない頭の良さのせいで、色々と虐待を小さい頃から受けていたんですよね。
高校の卒業式の日に、父親との取っ組み合いが原因のライフルの暴発事故で従兄弟を死なせてしまうし(脳天直撃ですよ。そのせいで服役となって、ヒロインとの別れを選択)、最後は父親にぶっ殺されるし。
サイクロップスは家庭環境が原因で、他人とは親しくなりたくないというスタンスで生きてきましたが、自分の都合でしか物事を考えられないし、それが行動に出るし、肝心なところでは臆病になって逃げるし。相手のことを思ってると言いながら、相手に対して掛けた梯子を平気で外したり、また掛け直したり。どうしたいねん(笑)。
こういうキャラクターは大嫌いで、いつも観ていてイライラするのですが、この映画についてはイライラはありませんでした。なんでやろう。なんかこの映画ならではの秘訣があるんかなぁ。
父親に殺されてしまったサイクロップスの心臓が、ヒロインの息子の心臓になるという、このトンデモ展開。これ、息子にしたら、なかなか受け入れたくない事実となるんじゃないかなぁと思ってしまいました。
母親の高校生の頃の恋人で、母親はずっとその人が好きで、それまでも要因はかなりあったようですが、その人との再会が切っ掛けとなり父親と離婚したっていうのに。息子と父親との関係性は、仲が悪いわけでも良いわけでもない、って感じでしたけど、毛嫌いしてる描写ではなかったですもんね。母親は、不倫脳(プリン脳と言うらしいw)で飛んでるから、それすらも美しい運命と思い込んでしまってるかもしれませんけど。
あ、ヒロインにとっては、愛する息子とサイクロップスが一心同体になったのでうれぴいということでのハッピーエンディングなのかな。かなりブラックやな(多分違う)。
星が決めることって言ってたので、脳天をどっかで打って、それで星が見えてるだけかもしれませんね。
サイクロップスはずっとグラサンをしてなくて、ずっと素のお目目なのですが、なんか違和感あって馴染めません(コラ)。