悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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Edward Van Halenのこと

 2020年10月6日、米国の人気音楽バンドであるVan Halenのギタープレイヤー、Edward Van Halenが亡くなられた。65歳だった。彼の早すぎる死に衝撃を隠せない数多の音楽家らの追悼が鳴り響く。

 彼の訃報は今朝の通勤途中で知りました。ぽっかりと心に穴が開く、そんな感傷に浸りながら、どこかで彼の死を受け入れたくないという自分が暴れまわっているような、そんな感覚です。とにかく、何かを書いて残しておきたい気持ちが強く、こうやってブログに書き連ねます。

 彼は私にとって、初めて好きになったギタープレイヤーであり、音楽の道にどっぷりと浸かってしまう切っ掛けを作った人物です。1988年に発売されたVan Halenの8thアルバム『OU812』からシングルカットされた「When It’s Love」のビデオクリップを観て衝撃を受け、ギターをもっとうまく弾きたい、音楽をもっともっと聴きたい、沢山の音楽をもっともっともっと聴きたいと思ったのです。

 CDウォークマンに『OU812』のCDをぶち込んで、それはもう毎日、毎日、何回も、何回も、聴いていました。その当時、片手でも余る程度しかCDを持っていなかったのに、一年後には100枚以上になっていました。それもこれも、彼が原因なのです。

 彼のギターソロは、それほどメロディアスでもなく、それほど泣いているわけでもなく、今の私にとっても、おそらく当時の私にとっても、琴線に触れるようなタイプではないようになんとなく他人事のように思ったりしてしまうのですが、そんな彼にどうして心を奪われてしまったのかというと、単純にかっこよかったんだと思います。彼が楽しそうにギターを演奏する姿に、楽しそうに音楽を奏でる姿に、楽しそうにバンドの中を駆け回り飛び跳ねる姿に、憧れたのです、私は。

 ライトハンドを奏法として確立し、それを世界中に広めた功績が一般的には一番語られることかと思いますが、私はあのサウンドとリズム感(それらを併せてドライブ感というのが適切かも)が凄かったのではないかと感じています(それとキャッチーなリフメイキングもかな)。ライトハンドは奏法として確立されたことから、誰もが習得したり、それに創意工夫をもたらして更に個性的な自分の技巧として身に付けることが可能となりましたが、あのサウンドとリズム感だけは、奏者本人からしか発せられないものであり、そんな性質から習得も継承も難しいもので、そういうものを後世に残した彼は死ぬ前から伝説であり、これからも彼の辿った足跡は更に語られていくのでしょう。

 クラプトンも大好きだった私は、彼のギター雑誌でのインタビューでクリーム時代のクラプトンが大好きで影響を受けたという発言に、本当にクラプトンの影響を受けたのかなっていう疑問があったのですが、1991年に発売された『For Unlawful Carnal Knowledge』から、何となくクラプトンの影みたいなものを、薄くではありますが感じるようになりました。また、日本でも大いに売れた1995年発売の『Balance』から、彼のギタープレイが少し変化したように思えました。リズム感がそれまでと比べるとどっしりしたというか。売れていてもなお、ギタープレイヤーとしても確固たる地位を築いたあとでも、生きながら歴史に残ることになってしまったにも関わらず、彼は進化を止めなかったという証明ではないかと、今になって思います。

 私はあなたのギタープレイが大好きでした。あなたがいなければ、私は音楽を今のように好きになっていなかったかもしれません。あなたの存在がなければ、ギターを弾いてバンドをやりたいとも、音楽を自分の手で作ってみようともしなかったかもしれません。

 ありがとう、エディ。ありがとう!!!