悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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マッド・ハイジ

ネタバレしています。あれ、面白かったのに意外とdisってるかも。

 

 

 

 

 

新宿武蔵野館にて鑑賞

 

 のっけからのスイスエクスプロイテーションというハッタリから、もう特定の層に向けて作られた映画という匂いをプンプンとさせているのですが(クラファンだから当たり前と言えば当たり前ですが)、意外と映画としての出来をしっかりと意識しているというか、同じイロモノ系の『ムカデ人間』と同じ香りがしたというか。

 『ムカデ人間』も尖ったイロモノ系ですが、中身は意外と起承転結をはっきりさせ、キャラクターの関係性もきっりちりと見せて、映画の文法(と言っても私もよく分かっていませんが)に沿って、観客に提示することを前提とした作りをしていたのですが、本作にも同様の印象を受けました。

 惜しむらくは、中盤以降若干中弛みしてしまうのと(修行場面とかは燃えますが)、ラストの盛り上がりが少し欠けていたというところです。こういう映画はラスボスも大事だと思うのです。ニューなんちゃらかんちゃら(名称失念)というキャラクターがそういうポジションだったのでしょうが、大統領もバリバリの武闘派強者で、ラストでのハイジとの一騎打ちを期待していただけに、余計に残念に感じてしまいました。

 あとこれは仕方がないかもですが、ハイジ役の俳優さんの動きにキレがなかったというか。アクション面も売りにはしている系の映画でしょうから、もう少しアクションの見映えがよければねー(公式サイトによるとテコンドーの黒帯二段らしいですが)。刀を振り回しているのはほぼ修行場面のみで、もっとバトルシーンで振り回してほしかったなぁというのも残念ポイントでした。

 観る前は、まーそこそこ楽しめればいいかなという感じでしたが、本当に中盤までは最高傑作じゃないかと思いつつ、いい意味で期待を裏切られました。結果的には、最高まであと一歩及ばずといったところで終わってしまいました。うん、最後の締め括り方だよなー。

 ハイジはアルプスの山奥で祖父に育てられ、恋人のペーターとキャッキャウフフの毎日でした。ペーターは禁制品である極上のヤギのチーズを裏ルートで販売しており、チーズ会社の社長であるスイス大統領から睨まれ、ハイジの眼の前でクノール警備隊長(だったかな)にぶっ殺されてしまいます。

 クノール警備隊長に追い掛けられたハイジは祖父の元まで必死に逃げますが、祖父も過去はレジスタンス的な活動をしていた割りには射撃の腕前も芳しく無く、あっさりとクノール警備隊長にやられちゃいまして、ハイジも強制収容所送りとなりました。クノール警備隊長と祖父は顔見知りというか、祖父からしたら娘夫婦を殺した仇敵です。

 同じ部屋の筋骨隆々な人にいじめられたりしながらも、持ち前の反骨心から強制収容所の所長をぶっ殺し脱走に成功したハイジでしたが、またしてもクノール警備隊長に追い詰められ、滝に落下します。こういう映画とかでは滝に落下する=生き延びるということです(笑)。

 命からがらハイジが辿り着いた先は山中の林の中の小さな教会で、そこには妖精のおばさん(ですよね)と従者二名がおり、何故か武芸の猛特訓の末にハイジは従者二名掛かりでも余裕で勝てるほどのツワモノになったのでした。

 ハイジは自分の力を試すべくクノールの部下達を襲い瞬殺しますが、クノール警備隊長が呼んだ、今は入国審査で拒否スタンプを押す仕事をしているニューなんちゃらかんちゃらに、自分の力を過信した油断からかワンパンでやられちゃいます。

 フランスからのチーズ輸出に関する使節団を闘技場に招いたスイス大統領は、余興としてスイスレスリング(国技だそうです)を披露。その目玉としてハイジを登場させます。かつて、強制収容所でいじめを受けていた相手二人を圧倒したハイジは、またしても登場してきたニューなんちゃらかんちゃらに苦戦します。

 劣勢だったハイジですが、先程倒された強制収容所でハイジをいじめていたうちの一人がハイジに加勢し、やっとニューなんちゃらかんちゃらを撃破。ハイジの両親を殺していた奴だったクノール警備隊長も国旗で串刺しにしました。

 そして、何故か生きていた祖父と彼が率いる昔のレジスタンス軍団で大統領を追い詰め、大統領もぶっ倒し、スイスをチーズの洗脳から救うのでした。

 一人逃げ延びていた、大統領の下で洗脳チーズを開発していた科学者を、クララと共に追い詰めて映画は終了です。次回作はハイジ&クララだそうです(実際に作られるかどうか知りませんw)。