悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024@りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

ジョン・ウィック:コンセクエンス

ネタバレしてますが、珍しくdisってないっす。

 

 

 

 

 

 

TOHOシネマズ日比谷 IMAXレーザーにて鑑賞

 

 

 現時点での格闘アクション映画の最高峰ではないかと思います。「凄かった」という単語が鑑賞後に真っ先に脳内を支配しました。迫力もあったし。キアヌのドタバタ感も含めて、なんかシリーズで一番ジョン・ウィックというキャラクターの人間臭さが自然に描かれていたような気もします。しかも、全編ほぼアクションしかない映画なのに(笑)。

 こんなものをやってみよう、こっちもやってみよう、あれもやってみようと、色々と、まぁ語弊がある書き方になりますが、何もかもが取って付けたような感じになっちゃっているのが観ていても分かるのに、ジョン・ウィックという強力な接着剤によって、それぞれが強固にくっついているため、バラバラな印象はほぼ受けなかったですし、何もかもひっくるめてゴールに突き進んでる感じが観客にも自然に提示されていて、そのまま観客も一緒に駆け抜ける、そんな映画でした。

 上映時間も長いし(2時間40分くらいでしたっけ)、上記のこともあって、鑑賞後には一気にどっと疲れがきたのがマイナスポイントとも言えますが、心地よい疲れといいますか、鑑賞後の余韻に浸りたいという気持ちと、疲れたのでベッドで横になりたいという気持ちが同居するような妙な感情になっていました。(どっちやねんw)

 序盤はジョン・ウィックの影が薄く、その原因はドニー・イェン演じるケインの存在感と、真田広之さんが演じるシマヅの佇まいによってなのですが、徐々にジョン・ウィックが盛り返し(主人公ですしね)、序盤のドニーさんに対しての印象がうまくラストに効いてくるという展開もよかったと思います。

 また、シリーズの強みを最大限に活かした映画でもあったかと思います。ジョン・ウィックは強力な接着剤になっていたと書きましたが、それはこれまでのシリーズでジョン・ウィックを描いていたレガシー効果であると言えます。いつものようなキアヌのドタバタした感じが、そういうことも作用してか、これも前述のとおりですが、シリーズの中で一番人間味が出ていたような印象です。マジで全編アクションバリバリの映画なのに。

 あ、注意点として、劇中で(おそらく)地下鉄の梅田駅でジョン・ウィック西梅田行きの電車に乗りますが、現実世界では梅田駅から西梅田駅へは電車では行けません、というか、行こうと思えば1回の乗換で行けますが(梅田駅から御堂筋線本町駅へ、本町駅から四つ橋線西梅田駅へ、これが最短だと思います。但し、本町駅御堂筋線から四ツ橋線は、元々別の駅だった為、若干遠いです)遠回りとなります。直通電車はありませんというのが正解ですね。通常は徒歩移動です。地下街を歩いていくのが楽ですが、人通りが多いので5分程度は見込んでおいてください。鉄道での乗換移動となると、待ち時間も含めて30分は掛かるかなと思います。

 なんちゃって日本というか、なんちゃって大阪は楽しい。映画における日本の描き方でリアルな描写の日本を求めている人ってそんなに多くはいないんじゃないかなと思ったり。こういう、なんちゃって日本的な描き方を一番楽しんでいるのは日本人なような気がします。コンチネンタル大阪に行ってみたいよー、と。ここでは、背格好でスタントダブルで出演の伊澤彩織さんだと分かる場面があったりします。わざと顔もボカしていないような気もしました。

 主席の全権を担って侯爵がジョン・ウィックを抹殺するために、盲目でかつてのジョン・ウィックの友人であるケインを差し向けます。ケインにはストリートミュージシャン(ヴァイオリン弾き)の娘がおり、その娘のためにも渋々その依頼を受けたのでした。

 ジョン・ウィックの行動により、ニューヨークのコンチネンタルホテルは罰により爆破処分され、コンシェルジュも支配人の目の前で侯爵によって殺されてしまいます。みんなジョン・ウィックが悪いんだ。

 ジョン・ウィックは旧友のシマヅ(真田広之)を頼って、コンチネンタル大阪に立ち寄りますが、その行動はバレていて侯爵が差し向けた一団との戦いに突入。シマヅは満身創痍の中、これまた旧友であったケインと相対しますが、結局、義を選んだことで殺されてしまいます。ケインは見逃そうとしたんですけどね。ケインはシマヅの娘に、(自分に対し復讐したかったら)待ってるとか言ってフラグを立ててしまいます。これも全部ジョン・ウィックのせい。

 コンチネンタルニューヨークの支配人はジョン・ウィックに解決方法を提案します。それは、ジョン・ウィックが元の家族(主席の一族?)に戻ることで、主席同士のタイマン決闘に持ち込んで、勝ったら全てチャラになるよというものでした。こんなめんどいことしないといけないのも全てジョン・ウィックのせい。

 ジョン・ウィックの元の家族はベルリンにいて、今までのことがあって家族から追放(ここで言う家族とは反社会的組織のファミリーみたいな、血の盃を交わすみたいなものです)されていました。そして、長はジョン・ウィックの行いのせいで責任を取らされて殺されていたのでした。やっぱりジョン・ウィックの……。

 ジョン・ウィックが再び家族になるために、前の長を殺した奴を殺してこいという指令を、現在の長が出します。ジョン・ウィックは激闘の末に目的を果たし、家族に復帰したのでした。この家族も寛大だよな、ジョン・ウィックのせいなのに。

 そして、侯爵との決闘が決まりました。約束の時間までに約束の場所に行かないといけません。侯爵は代理人としてケインを擁立しました。また、ジョン・ウィックが約束の時間に約束の場所に着かないようにと、パリ中の殺し屋に賞金を提示してジョン・ウィック殺害を発信します。つか、ジョン・ウィックって問答無用の賞金首になってませんでしたっけ。まぁ、全てはジョン・ウィックのせい。

 なんだかんだあって、ケインとも協力しつつ、約束の時間、約束の場所に辿り着くジョン・ウィック。ケインとの決闘(西部劇でよくあるようなガンファイトでの決闘)はお互い譲らずでしたが、最後のところでわざと自分は撃たずに先にケインに撃たれ、侯爵がケインの代理を解いて自らの手でジョン・ウィックを殺そうとしたところを額を撃ち抜かれて死んじゃいます。この人もジョン・ウィックのせいで……。

 でも、ジョン・ウィックは致命傷だったのか、死んじゃいます。多分。墓もあったし。うん、シリーズ終了です。これで終わっていいとは思います。一作目からは随分とテイストが変わりましたし、二作目と三作目は物語の途中ということもあって、アクションは凄いけどなーと不完全燃焼でしたが、四作目でやっと完全燃焼できました。もういいんじゃないかなと思います、個人的には。

 二作目からシリーズ化を狙って、明らかに路線というか方向性というか、変わりましたよね。矛盾点というか、風呂敷を広げすぎてどう畳むんやろうと思いつつ、今回も正直きっちりと畳んだわけではないのですが、もうこの畳み方でいいっすという気持ちです。

 そんなことを思いつつ長いエンドロールを眺めていたのですが、そういやーシマヅの娘は生き残っているし、ケインも生き残っているので、娘の復讐とかでスピンオフとか作りそうだよなー、Netfilxとかで。と思っていたらエンドロールも終了。

 おそらくパリの公園、ケインの娘は今日もストリートミュージシャンとしてヴァイオリンを悦に入って弾いています。しがらみから解放されたケインはルンルン気分で花束を持って娘のもとへ行こうとしていますが、反対側からからシマヅの娘が隠し刃物を持ってケインに近付き、ケインとすれ違うときに……、という場面で終了です。多分、ケインは殺られちゃいましたね。ということでスピンオフはないかな(笑)。

 シマヅの娘役の俳優の方をどうこうでは全くないのですが、この役を伊澤彩織さんがスタントダブルではなくそのまま演じていたとしたら、アクションもできるし、ドニーさんと夢の対決ということも想像できたなーと思いました。

 いつもと違いべた褒めのような気がしますが、完璧、完全な映画ではありません。熱量(熱気)で押す、所謂脳筋映画です。それにノレルかどうかで評価は分かれると思いますが、これだけの予算や時間を掛けて、スター俳優が出演し、ほぼアクションだけで物語を紡ぐということをやってのけたということで、現時点でのアクション映画の最高峰ではないかと思った次第です。

 最後に、最強オヤジ映画に真田広之さんも参戦してほしいなというのが、率直な感想だったりします(笑)。