悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2026©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦

ネタバレしています。多分、disってはいません。

 

新宿バルト9にて観賞

 面白かったです。アクションが凄いというのは前評判で聞いていて、勿論それ目当ての観賞だったわけですが、ドラマもなかなか重厚で見応えがありました。

 序盤の展開が落ち着くまではアクションだけで突っ走るのかな、そういう映画って余り好みではないけどなって思っていたんですが、一段落して落ち着いたあとは映画の世界の中にどっぷりと浸ってしまいました。

 明確な主人公(陳洛軍というキャラ)はいるんですが、作劇的には群像劇寄りで、特に最終決戦前まではルイス・クー演じる龍捲風(散髪屋の親父)の存在感が凄くて、そのせいか余計に群像劇っぽく仕上がってしまったのかなと思ったり。

 俳優のクレジット順についても、映画の冒頭では龍捲風を演じたルイス・クーと、陳洛軍を演じたレイモンド・ラムが並列表記でのトップクレジットでしたが、最後のエンドロールでは陳占(陳洛軍の父親)を演じたアーロン・クオックがトップクレジットでしたよね(ルイス・クーは二番手表記でした)。

 ドニー・イェン主演の映画『孫文の義士団』に、なんとなく構成というか手触り感は似ているかなと思いました。

 サモ・ハン演じる大ボス(登場人物名ねw)がラスボスかと思いきや、片腕だった王九がサモ・ハンを倒してラスボスに成り上がるし、このキャラは一人だけチート機能(気功で体を鋼の状態にして、ほとんどの攻撃を無効状態に)を有しているし。劇中の展開の中で、しかも最後の方でラスボスを倒した相手がラスボスポジションに居座るって珍しいなと思いました。

 色々なものを詰め込んでやるぜっていう気概を感じましたが、それがとっ散らかることなく綺麗に纏められた手腕は素晴らしいなと思います。

 本作の弱点と言えば、主人公のキャラが周りのキャラの濃さに押されて、主人公のキャラ自体も濃いにも関わらず、そんなに焦点が当たることもなく若干影が薄くなってしまい、ちょっと誰に注力して(肩入れしてというかね)観たらええんやろっていうことになるくらい、かな。ラスボスにとどめを刺すのも主人公じゃないですしね(龍捲風の片腕だった友人にとどめを刺すのを譲ります)。

 ラスボスを倒すのも、主人公側が四人掛かりでっていうのもよかったです。ラスボスの強さが際立ちますし。劇中で一番強い(設定ね)のって、30年位前の龍捲風か陳占なんでしょうけどね。あ、でも、今の龍捲風でも病気による限界がもう少し(数時間程度)遅れていたら、チート機能発動状態の王九も倒せるかもっていう描き方だったかな。

 サモ・ハンも昔は強かったタイプかなと思ったら、今でも龍捲風と互角に渡り合えるという描写に、えええって驚きました(ポジティブな驚きですよw)。最初の方では龍捲風に寝込みを襲われるくらいの体たらくなのにね(笑)。

<ネタバレあらすじ>

 30年程前(1950年代?)、九龍城砦を仕切っていた雷震東を、秋兄貴と虎兄貴と龍捲風が組んで攻めて奪います。そのときの戦いで雷震東の片腕で凄腕の殺し屋の陳占は、秋兄貴の妻子を秋兄貴の目の前で屠りますが、その後の龍捲風とのタイマン勝負に敗れ、そのまま雷震東は敗北し、秋兄貴は九龍城砦(土地含む)の4人のオーナーの一人となり、龍捲風は九龍城砦で散髪屋を営みながらも裏で仕切るという形になりました。

 現代、密航で香港にやって来た陳洛軍は身分証を作りたいお金欲しさに地下格闘場で戦いますが、大ボス(サモ・ハンねw)の誘いを断った結果、偽の身分証の為に稼いだお金を巻き上げられ、腹いせにお金の入ったズタ袋を奪って、逃走中に知らずに九龍城砦に入り込みます。

 ズタ袋の中身は麻薬で、トラブルを九龍城砦に持ち込んだということで龍捲風に圧倒的実力差を見せられて右腕を脱臼させられてしまいます。ただ、龍捲風は陳洛軍に何かを感じたのか、大ボスに麻薬を返し、陳洛軍の件は手打ちにしてくれと頼みます。

 陳洛軍は九龍城砦で身分証発行のためのお金が必要だったので色々な仕事をしつつ住み着き、友人達もできて、生まれて初めて心の安寧を得ます。また、龍捲風の心意気に感謝を持ち、九龍城砦にずっといようと決心します。

 秋兄貴は陳占に妻子を目の前で殺された恨みを忘れておらず、陳占の子孫まで根絶やしにしたいと思っていました。そのとき、陳占の子どもが生きていて香港にいるという情報を得ます。同じ頃、偶然、陳洛軍の髭を剃ってやろうとした龍捲風は、陳洛軍に陳占の面影を見て、息子だと直感します。

 龍捲風は30年程前の戦いの直後、陳占の妻子(陳洛軍は赤ん坊)を香港から逃がしたその人だったのです。

 大ボスにより陳洛軍が陳占の息子と知らされた秋兄貴は九龍城砦に攻め込みますが、龍捲風による自分達の世代の件を下の世代に押し付けるのは止めようという説得にも耳を貸しません。秋兄貴はこのときは敗退するものの大ボスと手を組むことで、大ボスの一味が九龍城砦に陳洛軍を探すという名目で突入します。

 龍捲風は病気(ガンかな)でもう余命幾ばくもない状態でもなんとか戦いますが、重症を負って意識不明な状態の陳洛軍を逃がすためにとうとう王九によって殺されてしまいます。

 陳洛軍は仲間によってなんとか九龍城砦の外に放り出されたところを一般市民の通報により警察に保護され、両親が香港出身ということが分かったことから合法的に身分証が発行されます。そして、怪我も癒えた陳洛軍は仲間と共に、大ボスを屠ってトップに立ち九龍城砦の主となった王九に戦いを挑みます。

 気功により体を鋼の硬さに変え、素手はおろか剣とかの攻撃も寄せ付けない王九に陳洛軍達(全部で4人)は苦戦しますが、折れた剣先(自分で剣を噛んで折ったんですよw)を食べさせられたというか飲み込まされた王九は体の中からその剣先が出てしまうことでそこが弱点になり、陳洛軍達に集中攻撃されとうとうやられてしまいます。

 で、香港の統治形態も変わり、これから九龍城砦はどうなるんでしょうね。というところで映画は終わります。

<ネタバレあらすじここまで>

 龍捲風は散髪での髭剃りの練習台として陳占になってもらっており、二人はかなり親密な間柄だったようです。お互いに戦うとなったときも、どうしても最後の一手を相手に繰り出すことができずに、目隠して戦うことで雌雄を決したのでした。

 陳占ほどの人物がどうしてボスとは言え、雷震東の命令に従い秋兄貴の妻子を目の前で殺したりしたのかっていうのは分かりかねる人物描写ではありますね。こういう細かい所の描写の揺れというか、作劇の都合というのはあったかな。陳占というキャラの出番が少ないだけに目立つというのもありますけど。

 舞台は1980年代なのかな。アクションはプロレス技も取り入れられたりと若干の目新しい要素もありつつ、痛みが伝わるアクションをやろうというのが根底にあったのかなと推測します。

 九龍城砦のセットも素晴らしく、なんか秘密基地感があって、少しの期間なら住んでみたいなと思ったり。こういう猥雑な感じの場所って、日本でも平成初期頃までは見掛けた気がしますが、耐震補強とか(勿論しないと駄目ですよ)、築年数がかなり経っているということで取り壊しが進み、今では実生活では見掛けることはほぼなくなりましたよね。そういうのを絶対に残せっていうのではなく、単に個人の過去を振り返っての望郷の念みたいなものなのですが、それをかなり刺激されました。