ネタバレしていますし、disってるかな。でも、バトルアクションは素晴らしいですよ。
新宿ピカデリーにて鑑賞
奇を衒った展開はよく、バトルアクションも素晴らしかったものの、お話の転がし方については同じような事を何度も繰り返すということが続き、それによりテンポ感というか勢いが削がれているように感じて、全体としてはあまり好みではありませんでした。
世間知らずのヒロインが中盤に差し掛かる前にラスボスポジのヤツに主人公の眼前で屠られるという展開には驚きました。何回か刺されるわ、首を掻っ切られるわ、列車から落とされるわで。
それを見て、それまで不殺という舐めプをしていた主人公が覚醒というか切れちゃうわけですけどね。そこでタイトル『KILL』(原題)が表示されるという構成はグッドでした。もう中盤に差し掛かるくらいだったけど(笑)。
主人公一人で立ち向かうのかと思っていたら、序盤は軍の特殊部隊の同僚も一緒に戦い、中盤前までにやられて戦線離脱するものの、刺されたり切られたりしながらもしぶとく終盤まで生き残り、最後はラスボスポジのヤツに屠られてしまうという形でしたが、予告編では存在感が全くなかったというか、存在すら認知されていませんでしたが、このキャラもなかなかよかったです。
乗客は乗り込んできた盗賊団一族(皆さん親族の設定)にただただ一方的にやられるだけかと思いきや、若者二人が立ち向かい、うち一人が敢え無く屠られるという、なんともハードな展開も用意されています。あとで母親達が報復しますけどね。
結構主人公は不意を突かれたり、多人数相手ということもあってからやられちゃいます。単純な格闘なら主人公より強いキャラもいますし、タイマンで押し込まれまくってたりするし。邦題にもなっているとおり、サイヤ人かよという感じで何度もやられつつ覚醒して立ち上がるのですが、それが何度も繰り返され、最初に書いたとおりテンポがかなり悪くなっているし、また同じ展開かよと思ってしまって勢いが削がれたように感じ、折角のバトルアクションが勿体ないなと。そのことで、ヒロインが屠られて覚醒するという展開が掻き消されてしまっているというか。これが一番勿体ないですね。
ヒロインの妹も人質に捕られて絶体絶命かと思わせつつ、流石にヒロインの妹までハードな展開に晒せなかったのか、あっさり風味で描かれているのもなんかスパイスになってなかったですね。
全体的に悪くはないし、敵側は自分勝手過ぎてムカつくのを通り越すほど憎たらしいですが、最後に主人公がラスボスポジのヤツを「これはクリリンの分」みたいな形で殴り続けたにも関わらず、スカっとしはしない終わり方だったかな。
インド映画ということで、途中で意味もなく列車の上や中で歌い出したり踊り出したりしたらどうしようと思っていましたが、全くそんな気配すらなかったのは良きでした。(歌ったり踊ったりがダメではなく、本作には合わないという意味です。)
音楽の使い方が昔の西部劇映画のような感じやなぁと思いました。
ハリウッドリメイクが決まっているようですが、テンポ感や勢い、ノリみたいなもんはなんとかしてほしいなと思います。
演じられている俳優さんがどうたらではないのですが、主人公役とラスボスポジ役の人の顔の特徴が似ていて(細長系で髭面)、最初はどっちがどっちやねんって思いました。外見での特徴付けはもっと必要だったかも。私は相貌失認ではないと思います……。
あまり続編は好みではありませんが、本作は続編に期待したいなとは思いました。