悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

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薔薇の葬列

ネタバレしています。

 


 ピーター(池畑慎之介)の映画デビュー作。本作は今まで鑑賞したことがなかったのですが、本作からのピーターの顔のアップ写真は今まで色んなところで遭遇してきて、どういう映画なんだろう?ってずっと興味はありました。今年、シネ・ヌーヴォで本作を監督した松本俊夫氏の特集が組まれ、本作も上映されたので、やっとこさ鑑賞しました。

 モノクロなのに、凄く色彩を感じた映画でした。創作劇なのに、途中でガチ(?)のインタビューが入ったりとドキュメンタリーっぽい変化球を入れたり、当時としてはなかなか踏み込めない領域へ特に気負いもなく踏み込んでいたりと、芸術性を追求しているというよりかは、娯楽性を追求した映画という印象です。いや、双方がいいバランスで成り立っている奇跡的な映画、かもしれません。

 最後の展開はフルチの後期作品のような破滅的で衝動的な爆発があって、それまでなんとなくこの映画から零れ出ていた「抑圧されている社会の中の自分」が湧き上がってくる様が素晴らしかったです。破滅への道でしかないのところも、現代社会に通用する表現なのではないかと思います。本当は通用してほしくないんですけどね(笑)。

 小難しい内容の映画と思われている方もおられるかもしれませんが、全くそんなことはありません。テンポもいいですし、昭和40年代の東京の空気感も味わえますし、想像以上にポップな作りだと思います。

 主人公は、クラブのオーナーと愛人関係にあるのですが、実はクラブのオーナーは主人公の父親なのです。主人公はそれを分かっていて、オーナーの愛人になったと思っていたのです。クラブのママの座を得るためと、幼い頃の自分と母親を捨てた復讐のために、クラブのオーナーの愛人になったと思ったのです。

 でも、ラストでクラブのオーナーは主人公が自分の息子だと知って自殺し、主人公もそれでクラブのオーナーが自分の父親だと知って両目を包丁で刺すのです。主人公が大事に持っていた家族写真、主人公、母親、父親の三人で写っている写真の父親の顔の部分は、タバコで焼いたかなにかで穴がありましたが、観客にはクラブのオーナーじゃんってすぐに分かる写真ではあったので、その展開には???でした。